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新刊『ほんとにともだち?』

新刊『ほんとにともだち?』が小峰書店様から発売されました!
なかよしのはずだけど、自分とあの子はほんとに友だちなのかな。あの子は自分のことを友だちだって思ってくれてるのかな。そんなふうに不安になってしまう気持ちを描いた、低学年から読めるあたたかなふんいきの物語です。

挿絵を描いてくださったのは高橋和枝さん。ふんわりとしたやさしいタッチで描かれた動物たちが、それはもう素晴らしくかわいらしいので、まずは挿絵だけでもぱらぱらめくってご覧になってください。

物語の主役はくまのまあくんとたぬきのたんくん。まあくんもたんくんもおとなしい性格で無口なため、いっしょに遊んでいてもおしゃべりをすることはあまりないし、おまけに無表情なたんくんは笑ったりすることもめったにありません。
そんなふたりが粘土遊びでべつべつのものをつくっているのを見たまあくんのお姉ちゃんは、たんくんが家に帰ったあとで、まあくんにこう問いかけます。
「まあくんとたんくんって、ほんとにともだちなの?」

そんなことを考えもしなかったまあくんは、お姉ちゃんの言葉に戸惑い、そしてひどく気にしてしまいます。
学校ではクラスのみんなが休み時間のたびに友だちどうしで集まって、にぎやかにおしゃべりをしたり、校庭に遊びにいったりしています。けれどまあくんもたんくんも、休み時間はたいてい本を読んだりお絵描きをしたりしていて、いっしょに遊ぶことはほとんどありません。試しにまあくんが話しかけても、たんくんは読書に夢中で会話が続きません。
ぼくはたんくんのことを友だちだって思ってるけど、たんくんはぼくのことを友だちだって思っていないのかもしれない。ぼくたちはほんとは友だちどうしじゃなかったのかもしれない。たんくんはだんだんと不安になっていってしまいますが…。

ページ数や文章の難しさは『ふたりはとっても本がすき!』とおなじくらいで、読書に慣れている子なら小学校にはいるまえからでも読めるのではないかと思います。
友だち関係の悩みは年齢が上がるにつれて増えてくるものですから、小さな子どもたちだけでなく、もっと年上の読者の皆さんにもぜひ読んでいただけたらいいなあ、と思っています。
いつもいっしょにいて、いっしょに遊んで、笑ったりはしゃいだりするだけが友だちじゃないんだ。友だちだったらこうしなくちゃいけない、なんて考えなくていいんだ。『ほんとにともだち?』の物語を読むことで、そんなふうにほっとした気持ちになってもらえるかもしれません。

今年の4月から使用される光村図書の国語の教科書に「春風をたどって」という私の作品を載せていただいていますが、それを読んで興味を持ってくれた子に、次にすすめる作品としても、この『ほんとにともだち?』はぴったりかと思います。
「春風をたどって」が載るのは3年生の教科書ですが、新学年が始まってすぐに読まれる作品なので、難度的には低学年から読める程度を意識していますし、こちらもあちらも動物キャラが主役の物語ですので、その点でも親しみやすいのではないでしょうか。

幅広い年齢層に読んでもらいたい新刊『ほんとにともだち?』、ぜひ手に取ってみていただけたらうれしいです。

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