新刊『まほうのアブラカタブレット』
しばらくぶりの新刊『まほうのアブラカタブレット』が、12月22日頃にPHP研究所から出版されます。
いたずら好きの小学生・こたろうが、ランプの精ならぬタブレットの精のタブーといっしょに、魔法のアプリを使ってハチャメチャな騒動を巻き起こす、とびきり愉快な物語です。
「アラジンと魔法のランプ」モチーフの話は、『ミッチの道ばたコレクション ドラねこまじんのボタン』ですでに書いているのですが、「アブラカタブレット」なんて心惹かれる呪文を思いついてしまったら、書かずにはいられませんでした。
タブレットを使った授業の最中、いつものようにいたずらをして、クラスメイトを怒らせてしまったこたろう。
どうにか無事に逃げきって、裏庭までやってきたところで、持っていたタブレットの画面のすみっこが、ぺろりとめくれかけていることに気づきます。しかもめくれたところには、見おぼえのないランプのアイコンがありました。
こたろうがそのアイコンにタッチすると、ランプの口からにょろりと紫色のヘビのような生きものが現れます。
タブーの説明によると、「アブラカタブレット」は魔法のアプリ。アプリを使って撮った写真を、さまざまな効果を持つ魔法のスタンプで変化させると、写真に撮った現実の世界のものも、写真とおなじように変わってしまうのだといいます。
こたろうは大喜びで、裏庭にあるものの色をでたらめに変えたり、花をクッキーにして食べてみたり、怒りっぽいクラスメイトの頭に鬼のツノを生やしたりと、「アブラカタブレット」を使ってやりたい放題しはじめます。
さらにいたずらを続けるうちに、こたろうは画面に表示された謎のゲージが徐々にたまりつつあることに気づきます。そのゲージは「おねがいゲージ」といって、ゲージが満タンになると、魔法をたくさん使ったごほうびに、願いごとをなんでもひとつかなえてもらえるとのこと。
それを知ったこたろうは、ますます張りきって魔法のスタンプを使いまくりますが、「おねがいゲージ」が満タンになったそのとき、大変なことが起こり…。
物語の長さや挿絵の数は、「ミッチの道ばたコレクション」とだいたいおなじくらいです。
イラストを描いてくださったのはイシヤマアズサさん。主人公のこたろうも、こたろうのいたずら被害者のクラスメイトたちも、大変かわいらしく描いていただいたのですが、特にタブーは執筆中の想像をはるかに超えてかわいく、豊かな表情のおかげもあって、その魅力が倍増しました。
魔法のスタンプのデザインもひとつひとつがとてもキュートで、素敵なイラストをたくさん描いていただいたことに心から感謝しております。
(インターネット書店で本文中の挿絵をいくつかご覧いただくことができます。ぜひご覧になってください)
タブレットは小学校の授業でも広く使われるようになり、すでに子どもたちの身近な存在となっているのではないでしょうか。
学校で使っているタブレットに、もしも「アブラカタブレット」がはいっているのを見つけたら、どんなことに使おうかな。物語を読み終えたあとで、読者の子どもたちがそんな想像をしてたのしんでくれたらいいな、と願っています。
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