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日本手話と日本語対応手話の違いについて

こんにちは、ろう者であるラファエルです。よろしくお願いします!
今回のテーマは、「日本手話と日本語対応手話の違い」について、個人の意見としてお話ししたいと思います。

「日本手話と日本語対応手話はどこが違うの?」と思う人も多いでしょう。この問題はなかなか難しいです。口で「日本手話が良いですよ」と説得しても、実際に体験しないと分かりにくい部分があります。そのため、まずは実際に日本手話を学んでみるのが一番早いと思います。「ああ!これが日本手話なんだ!」と気づく瞬間がきっとあるはずです。

ここでお話しすることは、あくまで私個人の意見ですので、その点をご了承ください。
私は日本語対応手話を否定するつもりは全くありません。ただ、日本手話を学んでから日本語対応手話に対応する方がスムーズだと考えています。一方で、日本語対応手話を先に学んでから日本手話を学ぶ場合、多くの人が非常に難しいと感じるようです。

その理由
1. 日本語対応手話(日本語に対応した手話)

特徴:
• 日本語の語順や文法に合わせて表現します。
• 手話単語を使いながらも、日本語をそのまま視覚化する形です。
• 話し手の口の動き(口話)を伴うことが多いです。

例:
• 日本語文:「私は学校に行きます」
• 日本語対応手話:「私 は 学校 に 行く」と、日本語の語順に近い形で表現します。指文字も含めます

2. 日本手話(JSL)

特徴:
• 独自の文法や構造を持つ言語で、日本語とは異なります。
• 手の動き、顔の表情、視線、空間を使って意味を表現します。
• 日本語の語順ではなく、日本手話独自の表現方法があります。
• ろう者のコミュニティで広く使われ、彼らの文化やアイデンティティに深く根ざしています。

例:
• 日本語文:「私は学校に行きます」
• 日本手話:主語を省略し、「学校 行く(方向を示す)」など、シンプルで効率的な表現をします。

用途:
• ろう者が日常的に使う自然なコミュニケーション手段です。
• 聴者でも日本手話を学ぶことで、ろう者との深いコミュニケーションが可能になります。


この違いが、学び方や使いやすさに影響しています。日本手話を先に学ぶことで、日本語対応手話にも自然に対応しやすくなりますが、逆の順序(日本語対応手話→日本手話)は難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

日本手話の脳内
日本語対応手話の脳内


私の経験
私はもともと日本語対応手話をメインで使っていましたが、日本手話に転換した後、日本語対応手話と比べて日本手話の方が話しやすいと感じています。

日本手話のメリット
日本手話は短く表現できるため、コミュニケーションがスムーズです。また、日本手話を身につけた手話通訳者であれば、より自然で効率的な通訳ができるようになります。さらに、手話ニュース、手話イベント、手話講演会などで使用されているのもほとんどが日本手話です。そのため、日本手話を読み取れるようになることで、より多くの情報や文化に触れることができ、嬉しい気持ちになるのではないでしょうか。






日本語は“ハイコンテクスト”な文化で、はっきり言葉にしなくても“察する”ことで通じる場面が多いですよね。一方、日本手話は“ローコンテクスト”で、英語やフランス語のように直接的で具体的な表現をしないと伝わりません。これは、日本語と日本手話がそもそも異なる文化や言語体系に根ざしているからです。

日本語対応手話は日本語の文化や聴者の話し方に合わせた手話表現なので、日本手話を母語とするろう者には通じないことがあります。だからこそ、ろう文化や日本手話そのものをしっかり学び、理解することが大切です。

また、これは通訳や翻訳の基本でもありますが、『言葉をただ訳せばいい』わけではなく、その背景にある文化を理解することが求められます。どの国でも同じように、言語の違いは文化の違いを反映しているんです。

それでも、手指日本語(日本語対応手話)が良いと思う人の意見は、そのまま尊重してあげた方が良いだと考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!



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