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「ただお互いを褒め合うこと」に毎月1時間使うを1年間続けた結果、チームがどうなったか

これは何か

想定している読者:
・リモートワークでチーミングに悩んでいるマネージャー
伝えたいこと:
・毎月1時間の投資は心理的安全性の向上に効いた感がある
・お互いもっと褒め合って、励まし合っていきましょう

(3000字くらい/5-8分くらいで読めます)

背景と目的

AIベンチャーのエクサウィザーズという会社の人事の半田と申します。コロナを受けて、フルリモートになってから早1年半が経ちました。読者の皆様の中にもリアルで集まれない弊害を感じたり、チームマネジメントに頭を悩ませてるマネージャー多いのではないではないのでしょうか。大企業・ベンチャー・日系・外資いろいろな会社の人事の方と話していても感じるのですが、昨今の「マネージャー」は重要性ゆえに多くのことを求められすぎています。その割にサポートが十分とは言えず疲弊している傾向があり、その疲弊がメンバーに伝わっていくという悪い循環が起きてしまってるように感じています。

自分自身は、どちらかというと人間的に偏ってるタイプでマネージャーとしてはポンコツ自覚があるんですが、その分いろんなトライアンドエラーを繰り返しておりまして、その学びをいろんな会社のマネージャーの役に立てばと思い、書くことにしました。(軽くつぶやいてみたらニーズあるっぽいのでスピード重視で書きます)

まず、自分のチームの状況ですが、昨年の緊急事態宣言の際にはチームは7人だったのですが、最近は約20人規模のチームに成長しました。特徴としては、急拡大してることや、雇用形態や働き方に多様性があることでしょうか。業務委託の関わり方をしてる方も多いですし、お子さんがいらっしゃるアルバイトの主婦の方、インターンの学生もいたりします。昔であれば「まずは飲み会でも!」と相互理解を深めたいところですが、ご時世的にそうもいきません。

何をやってきたか

「毎月1時間使ってひたすらにお互いを褒め合う」というエクササイズを一ヶ月に一回、1年間続けてきました。内容としては読んで字の如くで、普段の業務の中で感じたその人のいいところだったり、いい行動だったり、強みだったりを書くだけです。基本は、自分のチームの自分以外には何かしら必ず書くようにしています。エクサウィザーズでは、コンフルエンスを使っているのですが、スプレッドシートとかでもなんでもいいと思います。

▼2行くらいで書いてもらうだけでOK

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記入の方法はチームの人数に合わせて都度都度変えてきました。人数が少ない頃は、事前記入してもらい口頭で発表したりもしていたのですが、今は、1時間という時間制限を設けて、その時間の中で書ききって、それをあとで個別で確認、という仕立てに落ち着きました

振り返ると当初は「強みを伸ばすには、まずは強みを自覚しよう」という意図で「ストレングスファインダー」をベースにしながら、その人の強みを感じた瞬間を書いていました。ただ、半年を過ぎたあたりでマンネリしてきたのと、メンバーが増え全員が全員のストレングスファインダーでの強みを把握するのが限界にきたため、ストレングスファインダーには拘らない形に落ち着きました。

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入社後間もなかったり、業務の絡みが薄かったりするとただのメッセージっぽいものになってしまうのですが、それはそれで別にいいと思いますし、毎月このエクササイズを通じて「人のいいところを意図的に探す」という習慣がついてくると思います

ポイントは2つで、「ストックされる形で残すこと」「全員の見えるところに置いておく」こと。自分の"強み"や"良かったところ"が、毎月ストックされていくと一年で結構な数のFBが溜まっていきます。100回くらい褒められてること一定の傾向が見えてきて、自分の強みをメタ認知できたりもします。あとちょっと落ちたときとかに眺めたりすると、結構元気出ます

よくある360度FBと違うところは、「悪いところ」は一切書かないということです。「もっとこうすれば」とかも基本は書きません。ただ褒めるだけ。たまにはいいじゃないすか、ただ褒めるだけで。

どんな効果を感じているか

チームのメンバーからはこんなFBをもらっています。(だいたいこのエクササイズの後メンバーは心なしかホクホクしてるので感覚ですが幸福度は上がっている気はします)

▼チームメンバーからの声
・  改めて言葉にすると照れますがすごく良い時間だなと思います!エクサの「人の良いところを積極的に見つけていく」姿勢が本当に好きです。
・お互いを褒め合う時間は自己肯定感が高まることもそうですが、他の方がどのような視点で人を見ているのかも学びになってとても良いと思います。また、人の良いところを見つけようとするのは、自分もポジティブになれる気がします
・自他の強みについて知って考えることができた
・メンバーの相互承認のアクティビティは全人類がやればいいと思う

この「人を褒めると、自分もポジティブになる」というのは、やってみての発見でした。

▼Mgrとしての所感
・自分の視点では捉えられないメンバーの強みを自覚することができたり、自分の目が届いていない部分での貢献度が分かるのが非常に良いです。リモートになるとどうしても全体が見えなくなるので

・業務委託の方や部分的な関わりの方のロイヤリティが向上する。通常業務委託の方って、仕事のアウトプット以外のプロセスを個人的にFBされる機会が少ないと思うのですが、その辺りを褒められて嬉しくないわけないので、そういった機会を持つことで、金銭的報酬以外のもので繋がり、チーム感をより持ってもらえてるのではないかと思ってます

・個人としても、自分が何気なくやっている行動で、意外と評価されてるポイントがわかったりして、これは続ければいいのか、と勉強になります

定量的な効果も

自分のチームでは毎月心理的安全性に関する定量アンケートを匿名でとっているのですが上昇傾向にあります。この強みをFBの仕組み以外にも、いろんな打ち手を打っているので、どれが効いているのかわかりませんが、チーム感や一体感が失われる感じは今のところなく、人数が増えるたびに強いチームなっている感じがしていたりします

組織開発的な観点でいうと、有名な成功の循環モデルの中の「関係の質の深まり」を高めるためのエクササイズだと解釈いただくと良いかと思います。

参考: https://www.humanvalue.co.jp/keywords/theory-of-success/

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最後に: "みんなでもっと励ましってやれ"

最近「6月の勝利の歌を忘れない」という2002年サッカーW杯のドキュメンタリー動画を最近見返す機会がありました。若かりし頃の川口能活が、日本代表の紅白戦相手としてボコボコにやられる大学生チームに、人数合わせのキーパーとして参戦してるのですが、最後尾からげきを飛ばしているシーンが、非常印象に残っています <動画の39分あたりから>

まず、日本代表にチャンスを作られまくる大学生にゲキを飛ばします。最初はわりと厳しめに要求をするんですが...

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苦しさに寄り添い...

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チームに対してこう言います

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"みんなでもっと励ましってやれ"

スタートアップって、ただでさえしんどい戦いをリスクをとって挑んでいるのだから、自分たちで奮い立たせせながらしんどい時を乗り切る空気づくりって大事だなぁと思いました。なんか最後は夏休みの感想文みたいな感じになってしまいましたが、頑張るMgrのお役に立てれば幸いです。

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