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ラジオ制作の流儀

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【ラジオ制作の流儀(8)】新番組の流儀

【ラジオ制作の流儀(8)】新番組の流儀

3月に入って、そろそろ春から始まる新番組の収録も始まっている頃。
今回は、この新番組を録り始めるまでに「やっておいたほうがいいこと」「気をつけておいたほうがいいこと」を書いてみます。

「第1回目」というものはない

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【ラジオの流儀・番外編】 〜 6日間で新番組を作る流儀

【ラジオの流儀・番外編】 〜 6日間で新番組を作る流儀

 毎年、この季節になると、たったの6日間で新番組をゼロから立ち上げたことを思い出す。類いまれなる経験だったので、この機会に書き残しておくことにする。

 クリスマスの特番の企画を進めていた頃、編成のスタッフから、キャスティングについて相談された。「ある企業で来年からの新番組の企画を考えていて、その番組に出演する予定のある女性タレントを特番で使ってほしい。テレビでは生放送の経験も豊富だけど、今までラ

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【ラジオ制作の流儀(7)】ラジオ制作スタッフの「役割」の流儀 〜ディレクター編〜

【ラジオ制作の流儀(7)】ラジオ制作スタッフの「役割」の流儀 〜ディレクター編〜

テレビ番組では3桁の人数がスタッフとなってひとつの番組をつくっているのも珍しくないですが、ラジオ番組はひじょうに少人数でつくられていることが多いです。
アメリカのラジオ局、日本の一部のラジオ局、コミュニティ FM などでは、DJ(パーソナリティー)が自ら選曲して喋りながらミキサーや CD プレイヤーなども担当する、完全なワンマンスタイルのところも珍しくありません。

僕自身は喋ることは専門外なので

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【ラジオ制作の流儀(1)】準備がとにかく大切

【ラジオ制作の流儀(1)】準備がとにかく大切

多くの場合、ラジオは「なまもの」です。たとえ録音番組であっても、ラジオドラマであっても、そのスタジオの空気、間、インプロビゼーション(即興性)、瞬発力、様々な「なまもの」の要素で、そのラジオ番組の世界が創りあげられています。

だからこそ、声を大にして言いたいのは、「とにかく準備が大切」ということ。

その場の勢いだけで面白いトークをしてくれるプロフェッショナルの DJ も、もちろんたくさん存在し

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【ラジオ制作の流儀(2)】台本の流儀

【ラジオ制作の流儀(2)】台本の流儀

第1回でもちょっと触れたけど、台本の書き方にも「流儀」があります。
実際によく、ラジオ現場に見られる台本はこんな感じ。

番組によって、台本のかたちもそれぞれです。
「リスナーに伝える」ための要素がちゃんと書かれていれば、台本の書き方もフリースタイルです。
中には、Excel で台本を書いてる人もいたりします。

なぜ、ハコ形にしてるの?でも、僕が同じような台本を作るとしたら、たとえばこんな感じに

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【ラジオ制作の流儀(3)】放送事故を起こさないための流儀

【ラジオ制作の流儀(3)】放送事故を起こさないための流儀

放送番組につきものなのが「放送事故」。
別にアイドルが変顔しようが、泉谷しげるさんがスタジオに「乱入」しようが、別にそんなことは放送事故ではりません。(ちなみに「乱入」という言葉は、ほんらい複数の人間が起こす行動について使われるものなので、この使い方は日本語としては正確ではありません)

今回は、自分が体験した放送事故の経験も交えつつ、「放送事故を起こさないための流儀」を考えてみます。

放送事故

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【ラジオ制作の流儀(4)】言葉選びの流儀

【ラジオ制作の流儀(4)】言葉選びの流儀

ラジオに限らず、放送、新聞、雑誌などで、非常によく使われる「常套句」というものがあります。

ニュースなどでも「〜に注目が集まる」「〜の批判を呼びそうだ」「〜国民の不安は募るばかりである」みたいに、記者やライターの “主張” を何故か一般論のように丸投げしたりするパターンは非常に多いことに気付かされます。

ラジオでも、この数十年で、それまで無限にバリエーションがあったはずの様々な言葉が、いつのま

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【ラジオ制作の流儀(5)】初めてマイクに向かうときの流儀

【ラジオ制作の流儀(5)】初めてマイクに向かうときの流儀

長い間ラジオの仕事をしていると、「ラジオでしゃべるのは初めてです」という方にもよく出会うようになります。「テレビにも何度も出ているけれど、ラジオはゲストでしか出たことがない」というタレントから「ラジオは聴いたこともない」という素人まで、本当に様々な人たちが日々、マイクの前に座ります。

特に「初めてラジオのパーソナリティーを担当する」という方には、スタジオに入ったとき、僕はいつも、身振り手振りを交

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【ラジオ制作の流儀(6)】スタジオを使わないラジオ番組の編集とミックスの流儀

【ラジオ制作の流儀(6)】スタジオを使わないラジオ番組の編集とミックスの流儀

今の時代、収録こそ放送局のスタジオや外部の収録スタジオで行なうものの、その後の作業である編集、ミックス、完パケまでを Pro Tools や Adobe Audition などで完結させることが増えています。
特にコロナ禍以降、リモートで収録して、そのままパソコンで編集〜完パケ……と、収録さえもスタジオを使わない機会も増えてきています。
誰もが手軽に編集〜完パケまでの環境を用意できる時代になったぶ

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