泣くな、男だろというアレ(ロジカルシンキング#2)
ロジカルシンキングにおける演繹法(三段論法)のABCの例を一つ考えてみましょう。
A(大前提・常識・価値観)
B(事実・起こっていること)
C(結論・言えること)
「泣くな、男だろ」という言葉はもはや現代では理解されない言葉になってきていると思いますが、論理の構造としてはどうなっているんでしょうか?
「泣くな、男だろ」の論理構成
A(大前提):泣くのは「女々しい」行為である
B(事実):男が泣いている
C(結論):男が泣くのは良くない、やめるべき
A(大前提)に書いた部分は原文では入ってこないため、前提として抜け落ちているという訳ですね。
Aは論理の土台となりますが、それが広く受け入れられていることや、科学的に証明されていることであれば、その強度は強いものになります。(逆も然り)
ただし、Aという土台も時代の変化などを経た価値観の変化があると、反論が徐々に生まれてきます。
つまり、以下のような反論です。
A’「泣くのは女々しくない。男だって時に泣いていいと思う」
A’’「実際に男泣きという言葉もあり、感動的なものとして扱われている」
この反論があると、さきほどの論理構成が成立しているかどうか疑わしくなってきますね。実際のディベート競技などでは、このようにして一つ一つ、論理構成とそれを支えるポイントの検証・反証をしていくことになります。
いかがでしょうか。一見、なんの変哲もない文章も、論理構成を追っていくと色々な気づきがあると思います。
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