隣人は液体窒素かもしれず/暮田真名

シリーズ・現代川柳と短文NEO/118

 一昨年に九十四歳の誕生日を迎えてから、ぬくもりを失った現代社会に警鐘を鳴らすことをはじめた。隣人の顔も知らない冷凍都市では少年犯罪が増加するのも当然である。わたしがこどもの時分は、近所で味噌の貸し借りをしたり、銭湯で互いの勤め先の内部情報を交換してインサイダー取引の材料にしたり、ぬくもりある交流がそこかしこにあった。むかしはよかったなあ。

【きょうの現代川柳】
隣人は液体窒素かもしれず
/暮田真名

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