半チャーハンの地下鉄のとこ/栫伸太郎
シリーズ・現代川柳と短文NEO/278
むろん正確に1人前の半分の量を計って作るわけではないだろう。しかしあの半チャーハンはどう考えても多かった。腹が重い。まさか半分の半ではないのか。待てよ、半という字は¥に似ている。そういえばチャーハン1人前が700円なのに半チャーハンは500円だった。やはり謎を解くカギか。それに半という字は羊にも似ているじゃないか。よし、ことしの干支は羊にしよう。羊ではなく未か。未という字は忍者が塀をよじ登るためにむこうがわに投げる縄の先端についている金属のカギみたいな部分に似ている気がする。おれがこれから乗る地下鉄は運転手がいねむりをして大惨事になる気がする。
【きょうの現代川柳】
半チャーハンの地下鉄のとこ
/栫伸太郎
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