輪唱のように寝るのが遅くなる①/栫伸太郎

シリーズ・現代川柳と短文NEO/191

 輪唱をした日はなぜか寝るのが遅くなってしまう。他者が歌ったパートを繰り返したり、あるいは自分の歌ったパートを他者に繰り返されたりをえんえん続けているうち、ふだんは意識していなかった身体の一箇所が溶けてくる。いくらかは溶け落ちてしまい、できるだけ拾い集めようと思うのだが、まだ繰り返したり繰り返されたりは終わりそうにないし、きっとしばらくは終わらない。

【きょうの現代川柳】
輪唱のように寝るのが遅くなる
/栫伸太郎

▼出典



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