はなびらのひとつひとつが救急車/栫伸太郎

シリーズ・現代川柳と短文NEO/113

 花びらを1枚1枚むしり取りながら、好き、きらい、好き。やがて最後にはすっかり花びらを失った花が残るわけだが、このとき、丸裸になった花ではなく、周囲に散らばった花びらのほうに目を向けると、どれが「好き」でどれが「きらい」だったか、もうわからなくなっている。

【きょうの現代川柳】
はなびらのひとつひとつが救急車
/栫伸太郎

▼出典



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?