怖いもの知らずだけれど蓋がない/暮田真名

シリーズ・現代川柳と短文NEO/217

 蓋がないのは怖いことかもしれないが、蓋があっても怖いときは怖い。かつてガラス瓶に詰めたおしゃれなサラダ(ジャーサラダ)が流行ったことがある。当然、食中毒の温床だ。この場合、蓋があろうがなかろうが基本的に温床である。蓋に限った話ではなく、なにかひとつ対策を打ったという満足感や達成感は、真の恐怖を遠ざけるどころか、むしろ近づける。

【きょうの現代川柳】
怖いもの知らずだけれど蓋がない 
/暮田真名 

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