看板を穴が開くまで書きかえる/暮田真名

シリーズ・現代川柳と短文NEO/231

 クリニックの看板は動物だらけだ。耳鼻科のそれを見れば、まず間違いなくぞうである。なにせやつらは耳がでかいし、鼻も長い。耳鼻科向きの動物だ。そこにきりんが現れる。たしかに耳鼻科はぞうのひとり勝ちだったが、耳鼻咽喉科ならきりんにも勝ち目が生まれる。もしぞうが耳がでかくて鼻が長くてのどが長かったらぞうのひとり勝ちが続くが、もはやほとんどばけものだ。

【きょうの現代川柳】
看板を穴が開くまで書きかえる
/暮田真名

▼出典



いいなと思ったら応援しよう!