アーケード街とはおもえないくらい/今田健太郎
シリーズ・現代川柳と短文NEO/161
人間とは思えないほどの○○、と形容するときの対象は、まずまちがいなく人間である。きょうはまず、これをあえて人間以外のものに使うことで、そのレトリックを味わってみよう。
①人間とは思えないほどのロールキャベツ
②人間とは思えないほどの電波塔
③人間とは思えないほどの政治家
さて、アーケード街である。雨の日、このアーケードが自分のめざす目的地まで続いていればいいのに、と思ったことはだれにでもある。しかしアーケードはやがてとぎれる。アーケード街と雨のぎりぎり境界線に立ち尽くし、どうしよう。そこに、横からすっと傘が差し出される。親切な人だ。顔を見ると、あの政治家である。
【きょうの現代川柳】
アーケード街とはおもえないくらい
/今田健太郎
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