夕方のテレビのニュースの見出しで驚いた。
「大谷が、鋭い当たりを飛ばしました」
それだけだった。野球が「鋭い当たりかどうかを競うスポーツ」だったらいいが、たしかそうではない。となると、ルールとはちがう部分が観客や視聴者を惹きつけているのだろうか。彼らは「鋭い当たりかどうか」を知りたがっている。
ここで野球白帯のわたしでもさすがに思い出すのが、大谷がバッターとしてだけでなくピッチャーとしても活躍していることだ。バッターにおける「鋭い当たり」と同じ価値のニュースとは、ピッチャーにおいてなんにあたるのだろう。
「大谷が、変化球を鋭く曲げました」
「大谷が、手につける白い粉をすごくつけました」
野球がよくわからないので正解もわからない。あるのかな、正解。とりあえずいまわたしにわかるのは、「二刀流」と言うにしてはバッターのほうだけがかなり侍っぽすぎることだ。
(鋭い当たり/Ohtani-san)