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#3 感覚の違いに気づく「糸」/GEC 1on1

2023.04.19
2023年前期に留学生のチューターをしています。留学生と1on1で学んだ記録をしていきます。
今回は邦画(ほうが)から日本のことを知ろう!と映画を探しました。菅田将暉や小松奈々を知っていて興味を持ってくれたことから、映画「糸」を視聴(しちょう)しました。

映画から広がる話題

映画視聴後に、それぞれの感想や気になった点をシェアしました。

日本の元号

映画の中では平成(へいせい)の30年間が漣(れん)と葵(あおい)の人生として描かれています。時代が平成から令和(れいわ)に変わるところが映画のクライマックスにもなっていたことから、日本特有(とくゆう)の”元号”の文化について話題になりました。

元号(げんごう)
日本で用いられる年号(ねんごう)のことを指します。日本の天皇陛下(てんのうへいか)が即位(そくい、天皇陛下になる)した年を基準に、その年を元年(がんねん)として年号を定めます。その後の年はその元号に従って表記(ひょうき)します。

元号は、日本に昔からあるものです。最初の元号は、645年(飛鳥時代[あすか])に発表された「大化」(たいか)であり、それ以降、歴代(れきだい、人と人が交代しながら続いている)の天皇の即位をきっかけに、元号が変えられてきました。ただし、元号が現在のように一貫して(いっかん、同じ仕組みで)使用されるようになったのは、明治(めいじ)時代に入ってからです。明治時代には、西洋式の年号に変更された「明治」が採用され、それ以降も昭和、平成、そして現在は令和と続いています。

天皇陛下
神として考えられ、宗教的(しゅうきょうてき)に信じる対象にもされていた時代もありますが、第二次世界大戦(World war Ⅱ)後は、日本の象徴的(しょうちょうてき、シンボル)な存在とされています。

ChatGPTを参照

元号毎(ごと)に時代を区切るという感覚は、日本の独特な文化ですが、セレモニーやカウントダウン、花火などのシーンから”元号”という文化を大切にしていることが伝わりました。

東日本大震災

利子(二階堂ふみ)が震災(しんさい)後に心の病気になってしまったことから話題になりました。震災をきっかけに被災地(ひさいち、災害があった地域)となった東北(とうほく)だけではなく、日本全国で防災(ぼうさい、災害の影響を小さくする)意識が広がるなど、社会が変化するきっかけになりました。
私のおおくまWalkersとして福島県大熊町(ふくしまけん おおくままち)を訪れた経験も話して、震災の影響が現在も続いていて、それでもその地で新しいことを始めようとしている人たちが活躍していることを伝えることができました。

きづき

留学生のきづき

内容は難しかったけど、大体理解できた。日本語は知らない単語が出てきたところは難しかった。映像で内容は理解できた。漣(菅田将暉)と葵(小松奈々)のラブストーリーだと思っていたのに他の人と結婚してショックだった…。東京で葵が橋の下にいて、漣が橋の上にいるのにお互いのことに気づかないシーンが印象的だった。
映画終盤の「あの子の母親、亡くなっちゃったんだよ」。というセリフの意味が分からなくて、なぜこの場面でこのセリフを言うのか疑問だった。

石井のきづき
字幕なしでもリスニングや映像で映画の概要が掴めているのがすごいと思いました。私も洋画を字幕なしで見てリスニングの練習をすることがありますが、今回のように映画を観終わった後にどんなところが印象的だったかを話してみることで、映画の理解が深まると感じました。
「あの子の母親、亡くなっちゃったんだよ」。というセリフは、確かに言われてみればなぜこの場面で出てくる言葉なのか疑問にかんじるなと共感しました。一方で、映画を観ている間にはすごく大切な場面だと思って観ていてあまり違和感を感じることが無かったので、感覚に違いがあることにも気づきました。私なりには、この映画の主題である「糸」は、人と人のつながりが、繋がったり途切れ(とぎれ)たり、ねじれたりしながら続いて行くというところにあるので、糸のねじれを行動で表現しているところと解釈しました。
意識していなければ逃してしまうようなシーンでしたが、分からなかった、と感想を聞いたことで考察を深めることができました。


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