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【Instagramで地域の輪を作る】ヒアリングVol.1-ナガノスペース[地域ブランド実践ゼミ SHIN-WANTER]

ヒアリングにご協力いただいた方
ナガノスペース さん


信州大学の「地域ブランド実践ゼミ」では、「松本エリアの『ウィンターシーズンの観光』活性化」のために観光コンテンツの開発に取り組んでいます。

このゼミのテーマオーナーはアルピコグループです。アルピコグループは、長野県を中心に運輸、流通、レジャー・サービスなどの幅広い事業を展開しています。

 ゼミでは、「若者」「学び」「インバウンド」「ノーマイカー」の観点で、4つのグループに分かれコンテンツを開発しています。
 
松本への若年層の観光客の呼び込みを課題とするSHIN-WANTERでは、現在Instagramで松本の“おもしろい”を発見できる投稿をしています。
そこで、Instagramの情報発信をより効果的に行うために、長野県の伊那谷地域のグルメ・おでかけ情報を発信されているナガノスペースさんにヒアリングをさせていただきました。


【新たな視点が人を惹きつける】伊那発SNSを活用した情報発信

Q ナガノスペースさんは、2022年4月からInstagramを通じたグルメやおでかけなどの情報発信を始められて、2023年1月現在、フォロワー1.2万人の支持を受けています。
ここまで、多くの方から求められる存在になった経緯を教えてください。

もともとフォロワーを増やすことを目的としていたわけではなく、趣味のような活動として始めました。SNS上での伊那のお店の紹介という、今まで伊那になかった媒体だったからこそ、多くの方に見ていただけていると感じています。
 
2022年4月に主婦のメンバーが活動を始めて、1か月間でフォロワーが1000人になりました。最初の頃は毎日投稿していましたね。6月には掲載依頼もいただくようになり、その後さらに活動を本格化させて、7月にはフォロワー8000人にまで拡大しました。
 
地域で愛される昔ながらのお店から、最近できたおしゃれなカフェまで様々なお店の紹介をしていますが、特に、おしゃれなカフェなど人気のお店を投稿したことがフォロワーの増えたきっかけになりました。 


【ターゲット目線】欲しい情報が手に入る場所をつくる

Q ナガノスペースさんはどのような方に向けて情報発信をしていますか。
 
ターゲットは20~30代の長野県在住の女性がメインです。小さな子供がいる方も多いので、子供連れで行ける場所や、気軽におしゃべりできる場所などはポイントとして載せていますね。
 
また、伊那市、塩尻市など、市の単位で位置情報を掲載しているのも、長野県内の人に向けた分かりやすさを考えているからです。フォロワーの中でどの層に届けるかを意識して投稿内容を工夫しています。
 
アカウントを運営していく中で目的は変化するので、今のフォロワーに対してどのように発信するかを大事にしています。
 
Q 確かに、ナガノスペースさんの投稿はお店の場所やメニュー、雰囲気などが書かれてい   て分かりやすいです。では、投稿する際に工夫されていることについて教えてください。
 
最初の一文でどんなお店かを伝えるようにしています。また、読み手側からどんな情報があればお店に興味を持つかを考えて、メニュー、雰囲気、個室の有無、子供に優しいなどターゲットが必要とする情報を書いています。初めて見る方にも分かりやすいことが基準になります。
 
写真はスマホで撮った写真も、おいしそうと言っていただけたりして。食べ歩きを面白く載せるために、グルメアカウントの伊那版というイメージで、写真の見やすさは意識しています。さらに、投稿回数を重ねる中で試行錯誤しながら情報の取捨選択をしています。
 
メンバー間でTikTokやInstagramの面白い動画を送り合うことが習慣になっていて、リール投稿に活かしています。取材の際に動画にするために動いてみることもありますよ。
 
Q Instagramでの飲食店の情報発信は数多くありますが、ナガノスペースさんはどのよう に差別化を図りましたか。

SHIN-WANTERでも信大生やその友達を起点にしていきたいと考えているので、どのように差別化するか検討しています。
 
他のアカウントでは写真がとてもきれいなものもありますが、私たちはターゲットを意識していることもあり、子供と行きやすい場所や安い場所にフォーカスして差別化しています。
 
信大生向け、ということであれば信大生が検索して行きたくなるようなところをイメージするとよさそうですね。勉強ができる場所や大人数で泊まれる場所、若者が行きやすい居酒屋もいいかもしれないですね。
 
Q ナガノスペースさんは、グルメ、お出かけ情報を発信されていますが雰囲気の異なる様々なお店を取材されていますよね。取材先はどのように決めていますか。
 
自分たちが行きたいお店や、フォロワーの方から教えていただいたお店、取材の依頼をいただいたお店に行っています。4人それぞれの趣味が出ているので、いろいろな方向の情報を発信していますね。


【輪を作る】ナガノスペースが生み出す地域のつながり

Q ナガノスペースさんの活動により、フォロワーの方には今までSNSの情報があまりなかった伊那谷のお店の情報が届き、お店側にも多くの方に情報が届くという双方にメリットのある仕組みが出来ていると思います。そのような関係性の作り方を教えてください。
 
飲食店の中に輪があり、以前から通っていたお店からその友達の店へと繋がりができて掲載しています。農家さんの情報も載せていますが、それも人づてに広がっていますね。伊那では口コミの力が大きいので、あのお店が良かった!という話題が情報の媒体になっています。それをSNSでも見られるようにしているのがナガノスペース、ということですね。人との繋がりを大切にしながら活動しています。
 
また、取材に行く際には事前に連絡をすることもあります。そうすることでナガノスペースのInstagramも見てもらえるようにしています。
 
フォロワーの反応も大切にしていて、頂いたDMに返信することで口コミ感覚でやりとりできるようにしています。Instagramのアンケート機能も活用しています。取材先を決める時にも参考にしていて、アンケートをもとに取材に行くと、フォロワーからも喜んでもらえますね。
 
Q 大学卒業後、長野県伊那市にUターンしたメンバーを中心に共同運営されているとのことですが、Uターンされたきっかけを教えてください。
信大生は7割が県外出身の学生です。そこで、大学生活を通して松本に魅力を感じ、卒業後も関係人口として繋がり続けてほしいと願っているのでそのヒントとして気になりました。
 
ナガノスペースは、専業主婦や就職で伊那に戻ってきた人など、メンバー4人で活動しています。私自身も東京で働こうと思っていましたが、やはり伊那は温かく、安心感のある地域なので、その地域性を求めて戻ってきました。
松本と繋がり続けるきっかけも、きっとおしゃれな場所を求めてくるのではなくて、地域との繋がりや松本ならではの温かさになるのでは、と思います。


【ターゲットに寄り添う】蓄積した情報を再構成する

Q 活動を始められてから9か月になりますが、実施してみて見つかった課題について教えてください。
 
お金の面や、仕事と両立しながら取材に行き運営を継続していくことには課題があります。ただ、既にいろいろなお店に行っているのでフォロワーの層に合わせてそれぞれに向けたまとめ集が作れるようになってきています。
 
Q 私たちの仮説についての率直な感想をお聞かせください!
 
観光アカウントとして観光情報を押し出していくと良さそうですね。ナガノスペースは伊那に来て下さる方向けに情報発信していますが、同じようにターゲットに向けた情報にできると良さそうですね。松本城まわりの若者向けのお店を特集してみたりとか。カフェの人と仲良くなることが近道だと思います。定番観光地と初心者向けのお酒ツアー、フルーツツアーを組み合わせるのも面白そうですね。
 
特に信大生が取り組んでいる、ということなので松本にいる人しか伝えられない情報を重視するといいと思います。
 

【おわりに】きづき


情報を届けるターゲットが求めていることに向き合って、その人たちに届くように作ることが大切になることを学びました。私たち自身がターゲットとしている信大生なので、送り手と受け手の双方の視点に立ってコンテンツを作っていきたいと思います。
さらに、情報発信から観光にどのように結び付けていくかを考えていきたいと思います。

【SHIN-WANTERって?】

まつもとの「おもしろい」を発信する"SHIN-WANTER"
「信州大学生による信州の新発見」がコンセプトです。

SHIN
州大学生」の「信」 | 「州」の「信」 | 「発見」の「新」
WANTER
 WINTER(冬) | WANDER(歩き回る) | WANT(欲しい)+er(人)

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