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【#ポケモンUSUM】ときはなたれしフーパ統一のパーティ構築における考察

目次
1.執筆の経緯
2.フーパの入手方法
3.ときはなたれしフーパの種族値
4.性格の選択
5.インターネット大会におけるデータ
6.天敵
7.型の紹介
8.編集後記


1.執筆の経緯

 私は普段、悪統一をたしなみ、アブソルやバンギラス、ゴロンダなど、ほとんどのあくタイプのポケモンを育成している。そんな私がなぜ種族統一の記事を執筆するに至ったか、その理由は2018年5月末にウルトラスーパーハイパーチャレンジ(以下、USHチャレンジ)とういうインターネット大会にて、ときはなたれしフーパ(以下、解放フーパ)統一で参戦したことにある。これまで種族統一をしてこなかった私にとってはとても新鮮な大会であった。ポケモンや道具の重複が可能な今大会では私と同じく種族統一にて参戦しているプレイヤーも散見された。後にTwitterからの情報によると、200ほどのアカウントが種族統一で参戦していたことを知った。幻のポケモンも使用可能となる今大会ではもちろんフーパも使用可能であった。フーパはランダムフリーでもあまりポケモンであり、使っているプレイヤーを見る機会は少ない。フーパの育成論の投稿も少なく、育成の指針も立てづらい。種族統一でないにしてもデータが少なすぎるポケモン、それがフーパなのである。
 本稿では、解放フーパの基本的な情報を整理し、育成や種族統一としてのパーティ構築の足掛かりとしたい。


2.フーパの入手方法

 フーパとは、ポケットモンスターⅩ・Yで登場した619番目のポケモンである。登場時のフーパはフォルムチェンジはなかったが、その後ポケットモンスターオメガルビー・アルファサファイアにて通常のフーパが「いましめられしフーパ」、いましめのツボを使うことにより「ときはなたれしフーパ」へとフォルムチェンジが可能であることが発表された。
 フーパの入手機会は今までに2回あった。その2回は以下のものである。

①映画館での配信
期間 2015/7/18 ~ 2015/9/30
対象 ポケモン・ザ・ムービー XY 光輪の超魔神 フーパ
おや えいがかん
IDNo.  07185
レベル 50
ボール プレシャスボール

②キャンペーンによる配信
期間 2017/12/1 ~ 2018/4/30
対象 ウルトラ!ゼンリョク!幻のポケモンをもらおう
おや ゼンリョク
IDNo.  171201
レベル 15
ボール プレシャスボール

2018年6月現在、フーパの入手方法は存在しないため、次の配布機会が期待される。また、上記以外の入手経路で入手したフーパは存在しないため非正規産であることを注意したい。
追記:2020年10月22日現在もフーパの入手法は上記のものしかない。


3.ときはなたれしフーパの種族値

HP  80 ////////
攻撃 160 ////////////////
防御  60 //////
特攻 170 /////////////////
特防 130 /////////////
素早  80 ////////

 攻撃、特攻、特防が高いが、防御が低い。攻撃と防御の差が著しいため、"イカサマ"が致命傷になりかねないことは念頭に置いておきたい。攻撃と特攻は高いが、習得する技の威力が高くないため、いまいち火力が足りない印象はあるものの、タイプ一致技にてゴリ押しができる。素早さは並であるため、こだわりスカーフで実数値をあげるか、"トリックルーム"を使うために下げることも考えられる。


4.性格の選択

上げる能力

攻撃
物理技はそれなりに技を覚えられる。固有技である"いじげんラッシュ"は物理技であるため、ダメージを重視するなら攻撃を上げておきたい。また、苦手なフェアリータイプ対策として"ダストシュート"を覚えることは特筆すべきであろう。

防御
全能力が平均より高いものが多い中、防御は著しく低い。攻撃が高く防御が低い解放フーパにとっては、一致"イカサマ"やいのちのたまを持った状態の"イカサマ"ですら致死量に価する。また、先制技の多くは物理技が多いため、対策を怠ると容易に戦闘不能となる。

特攻
物理技に対し特殊技はあまり多くはない。火力が高い技は"サイコキネシス"であるが、固有技である"いじげんホール"も捨てがたい。ともあれ、威力が低いので、明確な仮想敵を定め、サブウェポンを採用するためにも特攻を上げることも必要になってくる。

特防
HPが並であるため、特防を上げないといまいち耐久に難がある。だが、HDに特化するとメガサーナイトの"ハイパーボイス"も耐えるようになるため、反撃のチャンスが生まれやすくなる。不一致の"マジカルシャイン"を受けつつじゃくてんほけんを発動することも可能。

素早さ
決して早くはなく、そして遅すぎることもない素早さ。補正込みでこだわりスカーフを持たせないと最速130族を抜くことはできない。3色パンチで4倍弱点を狙うためにこだわりスカーフを持たせるためにも最速の解放フーパは可用性が高いと言える。
下げる能力

攻撃
攻撃技が特殊技のみの場合は選択肢に入る。この場合、フェアリータイプへの有効打となるダストシュートを採用しないことがほとんどなため、それを打開する策がなくなる。"めざめるパワー"の厳選が必要か。

防御
もともと低い能力値なので捨てるのもあり。しかし、種族統一だとその穴を埋めるための1体が欲しくなる。"いじげんラッシュ"を使用し、相手の物理技を気にしないというなら防御を下げても構わない。

特攻
物理技より特殊技の方が範囲が狭いので下げてもいいのだが、解放フーパにとっては特攻が一番高い能力であり、活かしにくい能力でもある。特殊技を採用しないなら特攻を下げてもよい。

特防
高い能力である特防をあえて捨てて他の能力に回すのも無理ではない。ただ、HPがあまり高いとは言えないため、特防の高さはフーパの防御能力の特徴と言っても過言ではない。特防を捨ててまで明確にやりたいことを意識する必要がある。

素早さ
並の素早さなので、下げても構わない。"トリックルーム"が使用できるため、そこからの展開に期待できる。ただ、安定して"トリックルーム"するにはきあいのタスキがどうしても欲しくなる。
無補正
解放フーパが無補正である必要があるとしたら、素早さと火力を下げずに防御を最低限底上げしたい場合が想定される。しかし、火力に欠けたりどうしても上を取りたい相手の上を取れなかったりと、課題は増える。


5.インターネット大会におけるデータ

USHチャレンジは幻のポケモンが出場できる数少ないチャンスとなる。もちろんフーパも出場可能であり、PGLにデータが掲載されている。掲載データがフーパ統一によるデータなのかは不明であるが、ここでは一般的にフーパに持たせる技や性格、道具について列記していく。

覚えている技

マスターカテゴリ
1 いじげんラッシュ 77.3%
2 いじげんホール 43.2%
3 ダストシュート 29.5%
4 サイコキネシス 25.0%
5 トリックルーム 22.7%
6 しねんのずつき 20.5%
7 れいとうパンチ 20.5%
8 あくのはどう 18.2%
9 きあいだま 15.9%
10 ほのおのパンチ 15.9%

ジュニアカテゴリ
1 いじげんラッシュ 100.0%
2 サイコキネシス 100.0%
3 じごくづき 50.0%
4 ダストシュート 50.0%
5 なげつける 50.0%
6 みちづれ 50.0%
性格

マスターカテゴリ
1 いじっぱり 18.2%
2 ようき 15.9%
3 ゆうかん 15.9%
4 せっかち 13.6%
5 れいせい 9.1%
6 ひかえめ 9.1%
7 むじゃき 4.5%
8 おくびょう 4.5%
9 しんちょう 2.3%
10 なまいき 2.3%

ジュニアカテゴリ
1 すなお 50.0%
2 ゆうかん 50.0%
持ち物

マスターカテゴリ
1 こだわりスカーフ 22.7%
2 きあいのタスキ 13.6%
3 オボンのみ 13.6%
4 アクZ 9.1%
5 いのちのたま 9.1%
6 くろいてっきゅう 6.8%
7 エスパーZ 4.5%
8 とつげきチョッキ 4.5%
9 こだわりハチマキ 4.5%
10 ロゼルのみ 2.3%

ジュニアカテゴリ
1 くろいてっきゅう 50.0%
2 きあいのタスキ 50.0%


6.天敵

解放フーパが苦手とするポケモンの特徴には以下のものがある。
・攻撃が高い
・物理の連続技がある
・虫技がある
・"イカサマ"を覚えている

以上の特徴を踏まえて、代表的な苦手なポケモンを列挙する。
・へラクロス
・エテボース
・パルシェン
・ハッサム
・クチート


7.型の紹介

①おとなしい@じゃくてんほけん型

いじげんラッシュ
いじげんホール
ドレインパンチ
スキルスワップ

 HDに極振りすることによりカプ・テテフの"ムーンフォース"を耐え、じゃくてんほけんを発動させ相手の道具を奪うことが可能。特殊アタッカーに強く出ることができ、もともと防御が低いため"いじげんラッシュ"を連発して防御が下がることも気にならない。物理アタッカーと対面した場合は後続でカバーするように心がけたい。じゃくてんほけんを消費した後、特性マジシャンの効果でカプ・テテフからこだわりスカーフを奪い取る場面がいくつかあった。しかし、素早さに努力値を振っていないため、こだわりスカーフの補正込でもカプ・テテフの上を取れない場面も発生した。このような事態を防ぐため、最低限の素早さの調整は必要だと感じた。解放フーパの素早さは補正なし無振りだとちょうど100である。対して・カプ・テテフは最速161であるため、解放フーパの素早さを108まで上げておくとこだわりスカーフを奪った後に上を取ることができるようになる。一撃でカプ・テテフを倒しきれないときは、この調整が必要になるかもしれない。
②せっかち@こだわりスカーフ型

いじげんラッシュ
サイコキネシス
ダストシュート
れいとうパンチ

素早や80のフーパは252振り特化したら実数値145になる。そこにこだわりスカーフを持たせたら217まで伸びる。ここまで素早さを高めたらほとんどのポケモンより早く動けるので、そこから高火力一致技とフェアリー対策の"ダストシュート"、レックウザに対する"れいとうパンチ"を覚えさせた。フーパは努力値を割かなくても攻撃、特攻ともにとても高いので、スカーフ最速両刀型の技構成となった。初手の様子見の"まもる"も、"いじげんラッシュ"を持つフーパの前ではまったく意味をなさずそのまま相手のポケモンをなぎ倒していった。ただ、きあいのタスキで当然のように止まるのでそこは他の型でリカバリーしたい。
当初はかそくを持つバシャーモも苦手としていた。威力を優先するため"サイコキネシス"を採用していたが"いじげんホール"なら"まもる"貫通して一撃で倒せるため、実はフーパの方が圧倒的に有利であるということに大会後に気づいた。後に開催されたウルトラファイナルでは、その反省から"サイコキネシス"を"いじげんホール"に変更して臨むこととなる。
③ひかえめ@こだわりメガネ型

いじげんホール
きあいだま
エナジーボール
10まんボルト

高い特攻を更に伸ばしたこだわりメガネ型。メガネまで考慮した特攻は最大で実数値366となる。主な役割はみずタイプとひこうタイプへの牽制。特防も高いためカイオーガへ強く出ることができる。イベルタルに対しても打点はあるのだが、"イカサマ"や"とんほかえり"に弱く何もできないことの方が多かった。イベルタルに攻撃を当てる場合はどうしても"トリックルーム"のサポートが必要。"きあいだま"の命中は信用できるものではないが、それでも防御が高すぎるはがねタイプには信じて撃つしかなかった。
④ゆうかん@きあいのタスキ型

いじげんラッシュ
サイコキネシス
ドレインパンチ
トリックルーム

素早さが微妙なフーパはこだわりスカーフによる最速と同様に"トリックルーム"によるサポートが必須であると感じる。HPはあまり高くなく防御も低いので物理攻撃で倒されやすく、自由に動きづらい。そこを4ターン限定とはいえ、"トリックルーム"で行動順を調整するのは必要不可欠である。ただ、今回のフーパ統一はこの"トリックルーム"にも頼りすぎているため、行動できなかったときは既に詰み状態となる。特に"ねこだまし"やひるみ技、スキルリンクを持つパルシェンやメガヘラクロスの連続技は対策が難しい。
かそくバシャーモを意識するなら、この型も"サイコキネシス"ではなく"いじげんホール"の方がいい。
⑤のんき@ホノオZ型

ほのおのパンチ
いじげんホール
ダストシュート
ワンダールーム

今回の隠し玉。むし・はがねタイプ対策の"ほのおのパンチ"に、防御と特防を入れ替える"ワンダールーム"を覚えさせた。防御に特化し、相手の物理攻撃を一回耐えて"ワンダールーム"を発動し後続のフーパに繋ぐという流れを考えた。…のたが、実際はワンダールームほぼ使うことはなかった。ホノオZも使う機会は無いわけではなかったが、それよりあくかエスパーの一致高火力Z技の方が有意義な気がした。ゲノセクトの相手をするにも、例えば4倍弱点となるほのおタイプの技を入れていてとしても動けなければ意味はなく、まったく相手をすることができなかった。
もともと防御がとても低いフーパだが、特化すれば並の物理耐久は手に入ることがわかったのが一番の収穫だった。
⑥なまいき@とつげきチョッキ型

いじげんラッシュ
いじげんホール
ドレインパンチ
エナジーボール

もともと高い特防をさらに高めつつ物理・特殊どちらも攻撃できるようにした両刀アタッカー。あく、エスパー、かくとうの3タイプでほとんどのポケモンに対して等倍のダメージを入れることができる。"ワンダールーム"が発動していれば、高い特防を高い防御に変えることができるためそれにも期待していた。しかし、前述の通り"ワンダールーム"はほぼ使われなかったので机上論で終わってしまった。特殊攻撃に対しても全然平気…ということはなく、HPが高くはないためそれなりの割合のダメージを受ける。とはいえ、雨影響下のカイオーガのみず技を耐えてくれるのは本当にえらい。


8.編集後記

この記事を発掘して編集している今現在、剣盾のダウンロードコンテンツ『冠の雪原』が配信されるまさに前日である。『鎧の孤島』までにフーパは登場しなかったが、果たしてガラル地方に登場する日は来るのだろうか。私としては是非とも来てほしいところだ。
解放フーパは攻撃、特攻、特防は高いが防御がとても低い歪なステータスをしている。加えて、タイプ一致のあく技とエスパー技の威力もそれほど高くはない。実際に解放フーパを使ってみて攻撃性能があと一歩足りないことを実感する。特性のマジシャンも相手依存だったり、消費するもちものを持たせないと発動させられないなど、扱いが難しい。USUMまではメガストーンやZクリスタルがあることも向かい風だ。
とはいえ、USUMまでで攻撃の技範囲はそこそこ広く、変化技も多彩でさすがまぼろしのポケモンといったところ。
剣盾に登場した場合、ダイマックスで耐久を擬似的に底上げし、高火力のダイマックス技を放てるようになれば、うまくフーパの弱点を補ってくれると思う。特に、じゃくてんほけんを発動しつつダイマックス技、そして相手の道具を奪えるのなら相手にとって中々に厄介なポケモンとして立ちはだかるだろう。もともと6.5mもあるフーパがダイマックスしたらどれくらい大きくなるのだろうか。
USHチャレンジの後にもう一度同じようなレギュレーションの大会、『ウルトラファイナル』も開催された。惜しむらくは当時PGLで掲載されていたフーパのデータを記録していなかったことだ。既にPGLは役目を終えてしまったので、あの大会のデータは今となっては知ることはできない。デジタルによる記録もアナログとして、あるいはバックアップとしてどこかに残したほうがいいということで教訓とする。パーティ自体はまだ崩しておらず当時のままなので、時間があったらそこだけまとめたい。

長くなりましたが、以上がときはなたれしフーパ統一の考察になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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