
西洋占星術とジョーティッシュ(インド占星術)の違いについて
今回は二つの占星術の違いについて簡単にご紹介します。
この記事において、どちらの占星術が優れているといった優劣をつけたいわけではないこと、私自身ジョーティッシュ(インド占星術)の知識しかないので、その観点からの話ということをあらかじめご承知おきくださいませ。
♦︎インド占星術についておさらい
↑こちらの記事でもサクッとまとめていますが、
ジョーティッシュは生まれた時の東の空にどんな星座があったかを基準にその時の天体図を分析して導く占星術です。
その期限は5000年以の古代インドに遡ります。
古来より伝承されてきたインド伝統思想であるVeda(ヴェーダ)の一部門である、天文学の大元であるジョーティッシュですが、そもそも、Vedaとはシュルティ(天啓聖典)といって、古来の賢者(リシ)と呼ばれる聖人たちが自身の深い瞑想を通して大宇宙から受け取った啓示をダウンロードした"普遍的真理"と呼ばれるものです。
Vedaにはもそもこの世界はどのようにして創られたのか、宇宙とは一体なにで、私たちは人間とはなんなのか。生命とは・・といった世界の構造について述べられていることから、【宇宙の取り扱い説明書】とも呼ばれています。
その取説を読み解くための補助教材みたいな感じにあたるのが「ヴェーダンガ」と呼ばれる補助学。
この補助学は6つの部門に分けられたのですが、その一部門が天文学であり、それをジョーティッシュと言っています。
つまりジョーティッシュは宇宙の構造について記されている真理であるVedaを読み解くため、活用するために必要なものなのですね〜。
古来の人々は今よりさらに天体の動きを緻密に計算し読み取り、あらゆる宗教儀式や日々の暮らしに活かしてきました。
現代のように望遠鏡も優れた自動計算システムもない中で、ここまで緻密な事実が発見され、膨大なデータが今日まで残ってきているという事実に私はロマンを感じます笑
さて話がそれましたが、以上のことから、ジョーティッシュ(インド占星術)の根底には、Vedaに基づくあらゆる哲学的思想(カルマ宿命や輪廻転生など)が据えられていることが重要ポイントです。
さらに、ナクシャトラと呼ばれるインド固有の月の星宿と、ギリシャ古典占星術が長い時間をかけて融合してできたもの、ともされています。
また、「ダシャー」という人生カレンダーがあります。
これは、どの時期に、どのような惑星の影響をどの程度受けるのか。またその時期はどのように過ごすのが良いのか。といった生まれてから死ぬまで(正しくは前世も後世も含まれるが)の人生のあらゆる流れが読み解けるのもジョーティッシュの特徴の一つでもあります。
♦︎西洋占星術との違い
まず、私たちが普段認識している「私〇〇座」というのは、西洋占星術的観点から述べる太陽星座のことを示していることがほとんどです。
例えば私の場合、4月生まれなので、何座?と聞かれたら「牡羊座」と答えます。
テレビの週間占いなどの星座もほとんとの人はこの "太陽星座" をイメージしていることでしょう。
一方、ジョーティッシュであなた何座?(ラシーと言います)と聞かれた場合、基準になるのは "月星座"です。
これは生まれた時の月がどの星座の位置にいたか。
よく言われるのが、太陽星座は自身の表面で、月星座はマインドを司るため内面。
これは共通点でしょう。
では私の場合ジョーティッシュで太陽星座は牡羊座かというと、実はそうではありません。
西洋占星術との大きな違いはここにあります。
♦︎使用している方式の違い
そもそも西洋占星術とジョーティッシュでは採用している方式が違います。
西洋占星術:トロピカル方式
インド占星術:サイデリアル方式
具体的な違いを見ていきましょう。
どちらの占星術も地球から見て惑星や星座がどの位置にどのように動いているかを関連づけながら見ていくものですが、そもそも論。
地球は地軸が常に約23.4度傾いた状態で自転している地球の歳差運動によって、"春分点"というのは毎年僅かながら移動しています。
西洋占星術のトロピカル方式はある恒星を春分点として定めてそれを加味して分析。
インド占星術のサイデリアル方式はこの歳差運動、西洋占星術が定めた恒星とのずれ(アヤナムシャと言います)を考慮して分析しているのが両者の決定的な違いです。
※歳差運動:地球の自転軸が一定の傾き(約23.4℃)を保ちながら、地軸が指す方向(北極星)を変えていく運動のこと。
歳差運動による地球の地軸のずれ(地軸が指す方向の変動)は72年に1°ずつ。つまり約2万6千年で一周する計算です🌏

本来であれば春分点は毎年わずかながら変わってきているため、その変化を考慮していることから、一般的にインド占星術の正確さが謳われているのです。
わかりやすい例がこちら。
よく"〇〇座の満月"、"〇〇座の新月"と言ったりしますよね。
水星が〇〇座に入りました〜!みたいな。
あれらの情報として出てくるのは基本的に西洋占星術視点です。
ある恒星を春分点と定めて、そこをスタートポイントとし、今どの惑星がどの星座にいるのかというのを示しています。
先日2025年初の新月は1/29ごろに迎えました。
西洋占星術では "水瓶座の新月" と言われていましたが、インド占星術では「山羊座」で起こった新月でした。
つまり一つ分星座がずれているということですね。
宇宙360°を12星座で割って考えるので、一つの星座につき、30°。
地軸の傾きによる両者のずれ(アヤナムシャ)もわずかながら毎年広がってきますので、今では1星座分も変わってきているということなんですね。
日本の旧暦に当たるのが比較的このインド占星術の考えに近しいと言われていますが、それもそのはず。
もともとこのインド発祥の占星術を「宿曜術」として日本に持ち込んだのは空海ですが、日本の伝統的な考えや暮らしの知恵はインド発祥のものが多いからです。
広大な宇宙の中に浮かぶ小さな星地球に暮らす私たちですから、その中での両者の違いがどれだけの意味を持ち、私たちに影響しているのかは正直わかりません。
だから西洋占星術が決して間違っているとは全く思いませんが、
現に自転している地球が歳差運動をおこなっているという事実を踏まえたインド占星術における星占いや惑星の動きを意識してみると、さらにしっくりする点や出来事も多いかもしれません。。。!
その他、「分割図(16のチャート)」と呼ばれる各項目を細分化したチャートや「人生カレンダー(ダシャーシステム)」と呼ばれる、生まれてから死ぬまでの"時"を踏まえた惑星の影響を分析するチャートもあるのがインド占星術の特徴といえます。
さらにジョーティッシュでは"月"の存在を重視します。
月が表すのはその人の精神面などの内面。思考や心。
外側に起こる事象だけでなく内面の分析を行うことで、一見いいことばかり起こっているように見える人が実はとても不安や不満を覚えている所以や、
マインドの傾向、その人にとっての満足とは?またその度合い、といったところも読み解くことが可能です◎
今人生の岐路に立っている方、進路を迷われている方、この先将来が不安な方、何か不調を抱えている方・・・・
私の知らない私がきっとまだまだあると思います。
光は知識、暗闇は無知です。
「光の知識」であるジョーティッシュで人生が灯され始めることを願って止みません。
♦︎ジョーティッシュセッションご予約はこちら
直接InstagramのDMか下記ページよりご予約ください。
※場合によってはご紹介などで既に予約枠が埋まっている場合もあります、その際日程については個別にご相談させてください。
いいなと思ったら応援しよう!
