Q.ワクチンのインセンティブのために打つ人ってやばいと思いませんか!?
ご質問ありがとうございます。
ワクチンの賛成・反対はそれぞれの考え方によるのでその人なりのスタンスがあり、それは人の勝手だと思います。
その上でこちらのご質問。いろいろ物事を考える上で私が大事だなと考えていることを伝えるのにちょうどいいと思いましたので取り上げます。
私がいろいろ物事を考える上で大事だな、と思うこと。
それは「分解」です。
今回の場合、「ワクチンをインセンティブのために打つ人」が実際にはどういうケースが考えられるかということの場合分けです。
インセンティブはいろいろものがありますですが、ここではドーナツ1つもらえるということにしておきましょう。
アメリカでは実際にワクチン接種を済ますと、クリスピークリームのドーナツを1日1つもらうことができます。
おそらくですが、ご質問者様の考えではこの"ワクチンをインセンティブのために打つ人"というのは、こんなケースを想像しているのではないでしょうか?
ワクチン接種をしないと心に固く決心していたのに、接種をするとドーナツが1つもらえるからという理由でワクチン接種をする。→つまり大事な選択をたったドーナツ1つで変えてしまうような考えがコロコロ変わる人。→やばい。
こんな感じの思考回路を辿ったのではないかと思います。
このパターンでいくと、その人はもしかしたら"やばい"のかもしれません。
しかし、もっと多くのパターンを洗い出してみると現実的にありえるパターンもありそうです。
今回はそれを考えてみたいと思います。
1点、
「ワクチンのインセンティブのために打つ人」とすると、インセンティブを目的にするニュアンスが強いので、今回は「インセンティブの影響でワクチンを打つ人」とさせていただきます。
「インセンティブの影響でワクチンを打つ人」
ワクチン接種していない人を3パターンに分類します。
①ワクチン接種しようと思っている人。しかしなにかしらの事情で接種ができていない。忙しい、面倒くさいなど
②ワクチン接種してもしなくてもどちらでもいいと思っている人。無関心
③ワクチン接種しないでおこうと思っている人。こわいなど
①の場合、ドーナツがもらえるならなんとか時間作って接種しにいってもいいな、と思う人がいてもおかしくありません。もともと打とうと思っていたのですから。この場合はインセンティブが背中を押す役割を担ってくれます。
②の場合、どっちでもいいなと思っていた人もドーナツがもらえるなら接種しにいってもいいな、と思う人がいてもおかしくありません。ドーナツもらえるかもらえないかどちらを選ぶ?そりゃあもらえるを選ぶかな。と。
③の場合、理由によっては打つかもしれませんし、理由によってはどんなインセンティブがあっても打たない人もでてきます。このケースで理由が強固な場合、ちょっとしたインセンティブによって接種するようになるといろいろ大丈夫かな?と思ってしまいそうですね。
なお、アメリカではインセンティブによって現在ワクチン接種をしていない人がワクチン接種する効果はあるとされていますが、それでも接種していない人の中で1割程度はどんなインセンティブを用意しても受けないと言われています。
特にトランプ大統領のワープ・スピード作戦でワクチン開発を急速に進めた経緯があるために、トランプ氏を応援していた共和党支持者は現在バイデン氏への反発のために反ワクチンのスタンスの人も多い状況です。
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今回①、②、③のパターンに分けて考えました。
パターン分けはセンスが問われるところですが、一つ技術があります。
MECE(ミーシー)というものです。ミーシーとは”もれなくダブりなく”分類することです。
今回は、ワクチンを接種していない人のなかで①打とうと思っていた人、②どっちでもいいと思っていた人、③打たないでおこうと思っていた人という分類をしています。
この場合分けを中途半端にしてしまうと考慮漏れが発生したり、重複して考えてしまうことが発生をするので、きちんともれなくダブりなく分類することが大事です。
さらに考えを深めていくためには、③の中で理由をさらにブレークダウンしていくといいでしょう。
世の中にはいろんな考えがありますが、自分でしっかりと考えて信念を持ちたいものですね。情報が多いからこそ、しっかりと自分のフィルターを通して結論を導きたいものです。