世界共通のカーボンプライシングがうまくいってない話
COP26が閉幕した。気候変動に関して各国首脳が話し合う国際会議。
その中でひとつテーマとなるのが、”カーボンプライシング“
CO2に価格をつけて抑制していこうという動き。
闇雲にCO2を減らしましょう、減らしましょう。という方向だけではなくて、それに価格を付けて取引をすることで合理的・戦略的に削減していく方向を探るという取り組み。
つまりそれは、
市場メカニズムの導入。
どういうことか?
具体的には、
排出権の売買や炭素税を導入するなどが挙げられる。
CO2排出にコストが必要になれば抑えるような動きになっていくし、あるいはコストがかかってもなお作る方が総合的にメリットがあるという判断でもいい。
ただし、その場合は、ちゃんと製品に価格転嫁をするという仕組みだ。
CO2使ってるからちょっと高くなる。そうすることで他のエコ商品との競争力をトータルでみて平等に持っていけるのだ。
いずれにしても値段をつけることで、それが戦略的に考えられるようになるという仕組みの導入である。
これが失敗している。
なぜか?
国によって利害が一致しないから。
グローバリーゼーションが進んでいて、生産する新興国、消費する先進国という構図がある。
つまり
中国やインドなどの新興国はCO2排出が多いので、ここを減らさなければいけないと先進国は思っているが、中国やインドはなにも自分たちのためだけにCO2を排出しているわけではない。
アメリカやEUや日本に輸出するために生産活動をしているのだ。
新興国からすると「いやいや、君らが使うための製品を作ってCO2を出しているのに、それを下げろと言ってくるのはむちゃくちゃやで」という気持ちなのだ。なんで君らのために作ってるのに炭素税まで余分に払わないといけないだ。と。
そりゃあそうだ。この問題は一筋縄ではいなかいはずだ。
脱炭素は各国の経済情勢にダイレクトに影響を与えていくのでこれは今後も解決しないまま進んでいくだろうと思う。
では、また。