「Facebookで何度も見たのは、一般の人々にとって良いこととFacebookにとって良いことの間に利害の対立があったこと」
2021年10月4日のニューヨーク株式市場の終値は、ナスダックの大幅下落が目立つ展開でした。
GAFAMの全てが2%以上の下落。その中でも特にフェイスブックは4.89%の暴落となりました。
また、4日にはフェイスブック社が運営するフェイスブック、インスタグラム、ワッツアップなどへアクセスできなくなる障害が世界規模で発生しました。
その前日の3日。
元フェイスブック社員のフランシス・ホーゲン氏がアメリカCBSの長寿ドキュメンタリー番組「60 Minutes」へ出演。
フェイスブックはユーザー保護などに関する不都合な調査結果を隠していたとして、内部告発に至った経緯を語りました。
「Facebookで何度も見たのは、一般の人々にとって良いこととFacebookにとって良いことの間に利害の対立があったことだった」
「そしてFacebookは、何度も何度も、より多くのお金を稼ぐなど、自分の利益のために最適化することを選択しました。」
「フェイスブックは安全よりも利益を優先している」。
このことが嫌気され大きく売られる展開となりました。
ホーゲン氏が持ち出した資料では、インスタグラムが未成年の少女たちに悪影響を及ぼしていたことを把握していたことも示しています。
また、フェイスブックがプラットフォーム上のヘイトスピーチに対応したケースはわずか3%~5%。暴力と煽動に関するコンテンツへの対応はわずか1%にも満たないとなっています。
センセーショナルでショッキングなニュースです。
フェイスブック、ピンチ。
それでは今後はどうなるか?
元フェイスブック社員のホーゲン氏は5日議会の公聴会で証言を行う予定になっています。まずはその内容に注目が集まります。
フェイスブックも上場企業として当然のように利益の最大化を目指します。
その中で、業績にとって良いことと社会にとって良いことの間に利害の対立があるのであれば、フェイスブックは非常に厳しい立場です。
「消費者の健康を犠牲にし、利益を生むたばこメーカーに近いのではないか」という指摘もあります。
目先は風当たりが強まっていくでしょう。
しかし、
中長期的にはフェイスブックがアルゴリズムを見直したりコンテンツ規制などで問題の解決に動いていくでしょう。
長い目で見れば、業績に与える影響は大きくはないはずです。長い目で見れば。