第2回「こんシゴ」に呼んでいただいて、私に起こったこと。
去る10月30日、東京へ行って「こんシゴ」というイベントでお話させていただきました。3週間以上経って、やっと仕事も気持ちも落ち着いてきたので、その後感じたリアルなことなど書きたいと思います。
都内へ出向くのはおそらくコロナ禍以降初だったと思うので、東京の喧騒や新しい出会いに飲み込まれ、2、3日はくらくらとしておりました。なんせ、普段は京都で竹林に囲まれてひっそり暮らしているものですから・・・
でも、向かった先の会場の雰囲気。(あの貸し会議室行ったことあったな)受講生に囲まれるある男性の姿。繰り出されるマシンガントーク。
すごく懐かしく思い出していました。ある経営塾に通っていた頃のことを。
「こんシゴ」登壇のきっかけ
今回お声がけくださったのはやまけんさん。私が2016年から2017年にかけて通っていたホンモノ経営塾の代表を務めていた方でした。
英語コーチとして起業した当初の私は離婚したばかりということもあり、本当にがむしゃらで必死で、このホンモノ経営塾にかなり前のめりで参加しました。説明会に行って、即決だったと思います。
(ここで懐かしい写真、ドン。記録によると2017年5月20日でございました。この時確か彼はシルバーのシューズを履いていたと記憶しております。怖←)
やまけんさんもホンモノ経営塾の後、紆余曲折あって「短期で売り上げを上げ続けること」に疑問を感じ、(売り上げを上げることだってきっと彼には息を吸うようにできるのだと思うのですがw)
今は「長い時間がかかってもいいから自分だけにしかできないことをやっていく」という『天プロ』を主催していらっしゃるんですよね。
そんなやまけんさんが数年ぶりにメッセージをくれたものですから、経緯をあまり知らなかった私は飛び上がるほど驚きました。メッセージ二度見しました。なんならしばらく既読にすらできませんでした。
だって、ホンモノ経営塾のころ、ゴニョゴニョしてあまり行動ができていなかった私は、その後ろめたさから、やまけんさんを恐れていたからです笑
(やまけんさんがなぜ私に声をかけてくださったのかは、こちらの告知分を読んでいただけると、だいたいの理由がわかると思います。ていうか、これだけでも結構な読み応えあり。)
今の姿は「諦め」の結果である。
そんなホンモノ経営塾に気合たっぷりに入った私でしたが、当時はとても苦しい思いをしていたのでした。
先日の「こんシゴ」で(あ、言い忘れた・・・!)と思ったことのひとつに、私の現在の状態が「諦め」の結果である、ということがあります。
下の表で言うと、経営的に売り上げを上げるには左側の考え方が必要とされます。
(出典:やまけんさん)
いや、わかる。わかりますよね。頭ではわかってます。
だから起業した私はこの左側に沿おう、いや沿わなきゃダメだ、とずっと頑張っていました。
でも、それがどうしてもできなくて、なんて私はダメなやつなんだ・・・と、自分を責め続けていたのです。
コンサルさんの言うことはわかるんだけど、どうしても言われた通りにできない。でも苦しいから助言をもらいに行く→でもできない。結果自信を失っていく・・・。その繰り返しでした。
経営塾だけじゃなくて色んな講座も受けたしセッションやコンサル、色々やりました。でもどうしてもダメだ、てなった時、
だめだ、もう諦めよう・・・・!この際、真逆の方向でやってみよう・・!人の言うことに従わず、全て自分の好きなようにやってみよう・・・!!
の先に辿り着いたのが、今の形なんですよね。
だから、好き好んで今の形になったのでもないし、ただ単に他に行き場がなかったからこうなった、という諦めの結果なのです。
イベント直前にやまけんさんからメッセージでこの表が送られてきて
「右側にどれくらい当てはまります?」
と聞かれたのですが、もう今、私の考え方は右側に全振りしておりました。笑
自分じゃなきゃいけない理由がわからなかった
当時の仕事に情熱を持てなかったのは、その仕事をするのがなぜ自分じゃなきゃいけないのかが、自分でもわかっていなかったからだと思います。
自分よりも英語が上手な人なんて星の数ほどいるし、優秀な講師の方や教材、それに今は便利で安価なオンライン英会話まである。
今の世の中、英語を習得しようとしている人にはとても優しい時代だな、と思うと同時に、なぜそんな中、お客様が私を選ばなければいけないのか、がわからなかったんです。
だから「ポジショニング」「差別化」みたいな話になった時はとても苦しかった。
でも今になってよく考えたら、「英語を話せるようになりたい」というニーズに応えようとしてたら、そんな他と差別化できるような要素なんてないんですよね。
英語を話せるようになるためにやるべきことって、意外とシンプルなんです。でもそれを、自分だけの特色を打ち出そうとあれやこれやといろんな角度から言い回しを変えてみたり、新しい手法に見せてみたり、キャラを押し出してみたり。
その「無理矢理目新しいものに見せて自分を選ばせる」みたいな手法に、自分自身疲れちゃったのかもしれません。
自己理解は必要か??
このイベントの後、多くの方がアンケートやメッセージで温かい言葉をかけてくださったことは私にとって驚きでした。(めちゃくちゃ嬉しかったです、ありがとうございました)
イベントの途中、いや・・みなさんつまらなくないだろうか・・・こんな話で良いんだろうか・・・?
と始終心配していたからです。
それでもある一部の方に私のこれまでの経緯が刺さったと言うことは、それは恐らく
「本当にやりたいことが見つかっていない」
「やりたいことをするための変化が怖い」
ということなのではないかと思いました。
ご質問で「自己理解は必要ですか?」「自己理解をするために何をやってこられましたか?」というのをいただいたのですが、とっさに言葉が出てこなくてうまく答えられなかった気がしているのですが・・・
つまるところ、「これがやりたい!」と思う好きなことに辿り着くためにやっていたことと言えば「内省」これに尽きると思うのです。
もちろん、体当たり的に「これかも!」と思うことにチャレンジして「違った・・・」と思って辞めてということを私は沢山やってきましたので、とりあえず行動してみることもすごく大事だと思います。
でも、好きなことをやって充実する状態になるには
好きなことに出会わなければならないし
好きなことに出会うためには自分のことを知らないといけません。
なぜなら、「本当に」何が好きかを知らないと、
好きなことに出会ったと思っても実はそれが違うものだったり
実は出会っているのに気づいていないということが起こり得るからです。
私もこれだ!これじゃない!の繰り返しでした。
「好きなことの見つけ方」みたいのめちゃくちゃ読んだり検索したと思うし、好きなこと、やりたいこと、めちゃくちゃ探してきました。
じゃあ具体的に何をやっただろうと考えたらそれはもう、たくさんのことを・・・
イベント内で話したMBTIもそうですし、ストレングスファインダー、ポジティブ心理学のキャラクターストレングス、数秘術、占星術・・・
ヨガやアロマテラピー、ポジティブサイコロジーも、それを学んでどうにかしようと言うよりは、究極的には自分のためでした。
自分が何者かを知りたかったんです。
あとは、自分にひたすら問いかけること。問いを持つこと。
感情や感覚に敏感になること。
意思をもって選ぶこと・・・。
もうわかったぞと思っても、それこそ思い込みや勘違いや常識やらなんやらで自分は簡単に自分に嘘をつくので、もう自分のことわかりきった!てことは生きてるうちはないんじゃないかと思ってます。
(でも、これだ!これじゃない!とやってきた中にも実は通底しているものがあったりするので、それが何かを見つめてみると面白いかも)
あと、私の場合はざっくりと
・大きく考えて2016年の起業初期〜2021年の約5年間
・小さく考えて昨年全てのことを敢えてやめてみるって決意して〜2021年の数ヶ月間
が転換期だと捉えられると思います。
私は昨年からの小転換期の間、転換期にどのように対応すべきか?どのように乗り越えるべきか?という「トランジション理論」と言うものをひたすら実践していました。
自己理解のこと、トランジション理論のこと、色々あるのですが長くなりますのでまた機会を改めて・・・
さて、イベント内で話題になっていたMBTI、私は何年もずっと仲介者、INFPです。
イベント前に試しにやまけん氏にやっていただいたところ、絶対同じではないと思っていたのに、なんと同じタイプ、仲介者でした。
(ぜっったいに論理的思考タイプだと思っていたのに!!驚)
芸術や、自分を表現することに興味がある人は内向型なんじゃないか、という私の仮説がありまして、それについて9月くらいに書いた記事がこちらです。
この記事に共感してくださる方やイベントに参加された方からも続々と「自分も仲介者、内向型でした!」という報告をいただきましたので、もしかして、天プロは仲介者の希望なのでは・・・?
(なんだか口に手を当ててばかりだったような気がしますが、すいません。緊張とマスクのせいで窒息しそうだったんです。もごもご。)
イベント後、私に起こった恐ろしいこと
さて、当日イベントが終わって、懇親会。
沢山の方とお話ししました。入れ替わり立ち替わり私の前に来て、色々聞かれたりお話ししてくれました。それはとても楽しい時間でした。
新幹線に飛び乗って帰る途中にも、沢山の方から友達申請をいただきました。Facebookはもちろん、10月に始めたばかりのTwitterも、弱小Instagramも、何人もの方々がフォローしてくださいました。
私にとっては、プチバズ体験でした。特に何かの注目を浴びるということがない、ひっそりとした人生だったものですから(少なくともここ1、2年間は本当に引きこもっていたし)とてもありがたく、新鮮な気持ちでした。
そうすると、私も人間ですから、ちょっと「承認欲求が満たされて嬉しい」という気持ちになるんですよね。もちろん無意識にですけど。
すると、
なんかSNSに良いこと書かなきゃとか
この調子でTwitterのフォロワーさん増えるかしら?とか
すこしだけ認知があがったかも!
とか、思ってしまうわけなんですよね。本当に。別に意識してるつもりがなくても。(本当に・・・!人間ってやつは!!人間ってやつは・・・!!!)
その結果、私は2週間後くらいにリリースする予定だったクリスマス限定ノートのデザインを描かなきゃいけなかったわけなんですが、それが描けなくなりました。
1冊目はイベント前、1日でするするーっと描けたのに、もう1冊のデザインが、全く浮かんでこなくなってしまったのです。
私はイベントの中で、Room Euphoriaというブランドを立ち上げ、表現するということを始めたときに、3つ決めたことがある、と自分で言いました。
・人の言うこと(意見)を聞かないこと
・売れるかどうか気にしないこと
・市場調査をしないこと
でも、今回はめちゃ気にしちゃったんですね笑
認知を上げるチャンスが来てそっちに飛び込もうと思ったら、とたんに創作ができなくなるってどんだけ拷問やねんw
と思いましたよね。
そのことに関して、私はこの春にはすでに気づいて悟っていたっぽかったので、自分の書いたこの記事を読み返して反省いたしました。
やまけんさんにそのことを報告したところ
「いや、まだ1週間も経ってないんでスランプとは言えませんね笑」と言われましたがw
自分のことをこれまで「表現者」だなんて1ミクロンも思ったことのなかった人間にとって、こういうことひとつひとつが新鮮で残虐で掴みどころのないもののように思えて、結構恐怖なのです。
イベントではProcreateというアプリを使ってると言いましたが、今は練習も兼ねてAdobe frescoとIllustratorを主に使っております。
結論 : アートはほぼメンタル
それでわかったことがあるんです。
アート活動をずっと続けていこうと思うなら、自分の軸をしっかり持ち、ズラさずに強く持ち続けることが必要だ、と。
邪念や煩悩が隙間から入り込んだ途端、純粋に作り上げたものではなくなってしまうことが結構あると思うから。やまけんさんの論文『表現者シップ』も読んでいたしそんなことわかっていたけど、『わかる』のと『実感する』のとは違うんだな、と。
この間、ブラジリアン柔術の試合で優勝した知人が
『格闘技はほぼメンタルっすね!!』
と言ってて、あ、やはりそういう世界なのね…と思ったけど。きっとアートも同じです。自分との戦い。
お笑い芸人だって、無名だったのがいきなりM-1に出ちゃっていきなりブレイクしてその後うまくそれに乗ることができずにしゅるるるーって萎んでいっちゃう人、いるじゃないですか。
ブレイクしたから!もっと面白い漫才を!ウケを狙わなきゃ!面白いって思ってもらわなきゃ!と思いすぎて空回りしてしまったり
もっと面白いのちょうだい!という世間の期待に応えられず焦ってしまったり
自分たちが超面白いよねと思ってやってきたのを、「人から超面白いって言われたい」に変わっていってしまったりとか…
だから、結論、格闘技もお笑いもアートもメンタルです。
総合的に見て、今回「こんシゴ」に登壇させて頂いたことは、私にとってとても『良いこと』でした。普通に暮らしてたらなかなか得られない機会であったと思います。めちゃくちゃありがとうございました。
でもこの記事に書いたように、物事には良いことだけなんてことはなく、それが強烈なできごとであればあるほど影の部分も引き連れてきます。
注目を浴びた時、人気者になった時、ドンと売れた時に、どれだけ純粋な自分を保っていられるかどうか。どれだけ外界の声に惑わされず、自分のメンタルを上手くマネジメントできるかどうか。真ん中に戻って来れるかどうか。
世の中の売れているアーティストさんたち、本当に尊敬の念しか湧かないです。(BTSセンパイとか)
今回のイベントで私が一番学んだのは、そんなところでした。もちろんこれは、アートだけに限らず、どんなことをしていたとしても大切な考え方なのだと思います。
奢らず、謙虚に、自分らしさを何かに明け渡すことなく、丁寧に。
私は自分の好きなものを、自分のために作るところから始めた、という原点を忘れないようにしたい。
そんなわけで、またしばらくは京都の竹林に埋もれて自分の世界に篭ります。マジで来年は竹林のそばで『真ん中に戻るリトリート(仮)』でもやりたいくらいです。
アート型ビジネス1年生の旅は続く・・・
やまけんさん、また呼んでください。
(photo by きぬきぬさん)
(アッ....でも、やっぱりフォローは嬉しいので...良かったらよろしくお願いします)
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