第60回 中日新聞杯/第17回 カペラS/第76回 阪神ジュベナイルFのみどころ
今週末は、時間の都合上、3重賞のみどころをまとめて金曜日に投稿させていただきます。どうかご了承くださいませ。
土曜中京11R 中日新聞杯
当研究所的にここは、例年まったく当たる気がしないレースの上位にランクインするわけですが、今年もご多分に漏れず超難解な一戦となりました。
なかなか正解にたどりつけない理由は、GⅢのハンデ戦でただでさえ混戦となりがちな中、多頭数競馬ならでは紛れが頻発するからなのですけれど、その基準に当てはめるのならば、今年も一筋縄では収まらない可能性が非常に高いのかな、と。
また、逃げ候補となる2頭の鞍上が因縁の組合せでもあり、道中の並びやペースが非常に読みづらくもありますので、仮に参戦するにしても、「当たったらラッキー」くらいの軽い気持ちで臨むことを当研究所としてはおススメしておきます。
中心には、②マテンロウレオを推します。
この馬は、もともと中京コースが得意な馬で、そこに来て絶好枠を引けましたからね。
どの馬を狙うにしても一定のリスクがあるのなら、この馬の一発に賭ける手は十分にあるのではないでしょうか。この鞍上なら、インにこだわるレースをしてきそうですし。
2番手は、⑩ロードデルレイ。
この馬はまだまだ上を狙える好素材ですので、人気でも評価を大きく下げるのは難しいな、と。
ぶっちゃけ枠の並びは微妙ですし、西村淳Jと手が合うタイプとも思えませんが、その分を差し引いても、ここではそれなりの確率で勝負圏内に絡んでくるとみるのが妥当でしょう。
3番手は、③キングズパレス。
この馬にとって、レース条件はピタリの印象ですし、枠的にも脚を溜めやすいいいところを引けたのではないでしょうか。
あとは、この乗り難しい馬を鞍上がどこまでコントロールできるかで、もしもスムーズなレースができるようであれば、少なくとも馬券圏内争いには絡んでくる気がしています。
4番手は、⑨コスモキュランダ。
この馬に中京コースが合うイメージはありませんが、ここに入ればさすがに地力は上位でしょうし、横山武Jに乗り替わって新味が出そうな点に期待してみる手はあるでしょう。
ただ、人気と好走期待値のバランスがいいという印象はありませんので、評価としてはこの位置まで。そう判断しました。
その他、デシエルトは、単騎逃げに持ち込めれば勝つところまで期待できますが、ベリーヴィーナスよりも外の枠を引いてしまったのが、、、
過去に因縁のあるこの2人のジョッキーによる先行争いになると想定するならば、おそらく藤懸Jが簡単にハナを譲ることはなさそうですし……
クルゼイロドスルは、必ず重賞で通用する馬であると考えますが、この距離はさすがに少し長い気がします。やはりベストはマイルで、千八までが守備範囲と考えるのが妥当な見解なのかな、と。
日曜中山11R カペラステークス
ここは、国内では数少ない千二のダート重賞ということもあり、GⅢの別定戦にしては今年も楽しみなメンバーが揃いました。
激しい先行争いを制するのはどの馬になるのか、上げ潮に乗る3歳馬が歴戦の古馬相手にどこまで通用するのか、など、言い出したら枚挙にいとまがないくらいみどころが盛りだくさん。
来年のサウジ、ドバイ、ブリダーズカップなどを視野に入れている馬も複数いるでしょうから、変に立ち回り重視のレースにはなってほしくない。そう願っています。
ということで、中心には⑥ガビーズシスターを推します。
この馬は、とにかくレースセンスがいいので、どんな展開になっても中山ダート千二で崩れるイメージが湧いてきません。
相手強化となる分、ここが試金石のレースにはなりますが、この馬のスピードと器用さをもってすれば、仮に負けても大崩れするようなことはないのではないか、と。
2番手は、⑭サンライズアムール。
この馬の前走は、相手関係はともかく59kgを背負っての完勝劇でしたので、走破時計が平凡な点を考慮するにしても、それなりの評価をしておくべきと考えます。
また、枠の並びも理想的で、好位の外目をスムーズに追走できそうなイメージが湧いてきますので、置きどころとしてはこのあたりが妥当なところかな、と。
3番手は、②インユアパレス。
この馬にとっての課題は、やはりスタート。
前走はうまく出ましたけど、ゲートの不安が完全に解消したとまでは言い切れず、このメンバー相手に明確に出遅れたら厳しいというのは当然あるでしょう。
とは言え、脚を溜めて差すレースができる点はやはり魅力ですし、一戦ごとに成長を見せるこの馬の上昇度を加味するならば、極端に軽視するのは危険かな、と。
4番手は、⑨クロジシジョー。
この馬は、千二の距離なら常に堅実な脚を使ってきますからね。
正直、相手は強いですし、外々を回される形になったら厳しいですけど、立ち回りがハマれば馬券圏内争いも十分と考えます。
その他、チカッパは、ここでも十分に通用する馬だと思いますが、前2走があまりにもスムーズに捌けていたことと、58kgの斤量面を考慮するならば、今回は掲示板の下あたりが妥当な位置になってしまうのではないか、と。
テイエムトッキュウは、中山コースだと一気にパフォーマンスアップするタイプだけに、ここもチャンスのある一頭には違いありません。ただし、枠の並びと鞍上の性格を考えると、ここは中途半端なレースになる公算が高いと考えますので、ならば思い切って消す手があってもいいのかな、と。
インビンシブルパパは、さすがにここに入ると楽な先行にはならないでしょうから、レース条件はピッタリでも、積極的に拾うイメージは湧いてきませんでした。
日曜京都11R 阪神ジュベナイルフィリーズ
今年は抜けた実力馬が見当たらず、ここ数年と比べレースレベルが下がることは避けられそうにありません。
また、例年よりもスムーズに先行したい馬が揃って展開がやや読みづらいですし、さらに外国馬の参戦もあるという状況下においては、ある程度の決め打ちをしないとどうにもならない。そんな感覚は持っています。
ただし、各馬のパフォーマンスを冷静に比較してみると、今回の組合せで力を出し切れそうな馬を何頭かあぶり出すことはできそうですので、最後は自らの直感を信じてレースシミュレーションを組めばいいのかな、と。
展開面では、内からテリオスララ、ジューンエオス、モズナナスター、ミストレス、ミーントゥビーあたりが逃げ候補になるでしょうか。
ただし、モズナナスターとミストレスは同厩でまず競り合うことはありませんし、テリオスララ、ジューンエオス、ミーントゥビーにしても、これまでおとなしめの逃げを打ってきたタイプでもありますので、どの馬が行くにしても、さすがに超ハイペースになるようなことはなさそうにも思えます。
とは言え、2歳戦だけにやはりペースは読みづらく、先行争いを前に見ながら運べる馬に有利な展開になるとみるのが自然。そんな気がしないでもありません。
なお、メイデイレディは差し脚を生かす競馬で好走してきていますので、この馬が展開面に大きな影響を与えることはほぼないでしょう。
ということで、中心には①ビップデイジーを推します。
この馬、淀みのないペースで流れたデビュー戦では、中団やや後方から長く脚を使っての差し切り、初戦とは打って変わってドスローからの上がり勝負となった前走では、外を回る距離ロスがあった中でも抜群の切れ味を発揮しての差し切りと、流れを問わず力を発揮できる点が魅力に映ります。
目立つ課題としては、ここまで速い持ち時計がないこと。ただこの点に関しても、前走時の相手関係などを踏まえれば致命傷になるとまでは思えませんので、突き抜けるところまで行くかはともかく、この馬が高い確率で上位争いを演じてくれることを期待しています。
2番手は、⑨ショウナンザナドゥ。
この馬はスパッと切れる脚がないだけに、スローペースに合わせる形での外々からの正攻法では、まったく持ち味が生きないと思うのですよね。
その点、前走はこの馬にとって最悪の形のレースとなってしまいましたが、それでも僅差の3着と格好をつけてきた点は評価に値するでしょう。
その意味で言うと、今回は前半から出して行く競馬をしてほしいところで、直線の入口で早や先頭に立っているくらいの積極的なレースを仕掛ければ、おのずと結果はついてくるのかな、と。
ここ最近、どうにも信頼感に乏しい鞍上ではありますが、ここは強気な騎乗スタイルが久々にハマりそうな予感もしますし。
3番手は、⑬コートアリシアン。
この馬の前走は、出遅れて引っ掛かってと常識的には惨敗してもおかしくない競馬でしたので、相手関係云々は大した問題ではなく、むしろ直線だけの競馬で突き抜けてしまったデビュー戦の内容を思い出す手ではないか、と。
もちろん、京都への長距離輸送、パドックでの落ち着き、ゲート内の駐立と課題は少なくありませんが、勝つ確率だけならこの馬が一番ではないかというくらいの素質馬ではありますので、不安要素はあってもこの位置には置いておかないとダメ。そう判断しました。
4番手は、⑫アルマヴェローチェ。
この馬の前走は、馬場の悪い内から差す形での2着と大きな進境を見せましたし、スプリント色が強い母方の血統背景を踏まえると、マイルのGⅠでも牝馬同士の戦いなら大きく見劣ることはないのではないでしょうか。
問題は、札幌とは異なる京都のコース形態でどんな走りを見せるかですが、それほど癖のあるタイプにも見えませんので、ベストかどうかはともかくそれなりの走りは見せられるのではないか、と。
その他、ブラウンラチェットは、過去2戦がともにドスローからの切れ味勝負を制した格好で、ペースが流れた時にどうなのかは完全に未知数。イメージ的には、消耗戦になったらショウナンザナドゥのほうに分があると見ていますので、関西への長距離輸送がある点も含めて考えた時に、消して勝負してみる手があってもいいのではないか、と。
ランフォーヴァウは、前走が1勝クラス戦並の低レベル戦でしたし、勝ちっぷりからマイルの距離がギリギリという印象もありましたので、ここは静観してもいいのだろうと判断しました。
その他、名前を挙げなかった馬にも馬券圏内のチャンスは十分にありそうですので、最終判断は直前のトラックバイアスとパドックの状態を確かめてからにしたほうがいいかもしれないですね。
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