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☆【ウィキペディア】2024/10/20PM ちえりあ (札幌市生涯学習総合センター)での「絵本deペディア かとうまふみ先生編」

「ウィキペディア日本語版では絵本関連の記事があまり充実していないな」と感じたのは今年の春頃です。

WikiGapの提唱にもあったように、ウィキペディアの編集者は男性が8割以上だと言われています。
もしかすると男性の割合が多いせいで、絵本関連は書き手が少ないのかも、と仮説を立てたわけです。

ご縁がつながって5月には真珠まりこ先生をスペシャルゲストに迎えて記念すべき第一回目の「絵本とウィキペディア」のイベントが開催されました。
この時は真珠まりこ先生の既存のウィキペディアの記事を充実させるというものでした。

真珠まりこ先生とお友達になれたので、SNSなどでもつながることができました。すると『もったいないばあさん』20周年で全国を飛び回っているさなかに、北海道のかとうまふみ先生との交流を目にしました。

今回の北海道巡業では、2泊3日でできるだけイベントを詰め込むということを決めていましたが、イベント内容が似通ったものであると、当然違いが判らず参加したい人を混乱させてしまいます。
そこで、絵本、かとうまふみ先生の記事を作る、というしっかりしたポイントをフォーカスしてこのイベントを企画したのです。

上記の真珠先生のイベントのnoteにも書いたことを再掲します。
児童書関連のウィキペディア記事が充実すると:

  • 作家の作品一覧が出版社単位でなくリスト化できる

  • 海外の賞などの記事も作成できるので、評価節の記述が増やせる

  • 検索で上位に出てくるウィキペディアの記事があることによって、アクセスしやすい情報源となる

  • 児童書・出版に対する活性化の一助になる

  • 海外作品にも目が向く

などの効果が期待できると思っています。

イベント

このイベントはかとうまふみ先生のウィキペディアの記事を新規で作る、という体裁であるものの、私としては上記のような「絵本関連はウィキペディアでは弱いんだよという事実を広く知ってほしい」、「ウィキペディアに対する理解を深め、興味を持ってほしい」という目的を持っています。

ですので、前半はお話から入ります。

現実的には、出版業界の紙媒体の流通量や総売り上げは減少傾向にあります。ただ、児童書というくくりを見れば、増加傾向にあるようです。

これも個人の勝手な想像ですが、堅牢性の面でも、手触りの面でも、製品を所有したいという意識の面でも、おそらく電子書籍的なものと児童書の相性はほかのジャンルの書籍と比較してあまり良くないのではないかと。

装丁が豪華な本や、写真集、画集、所有していることそのものが楽しい書籍は、シェアを落とすことはないように思います。

そんな気持ちを込めて、それならば絵本情報にアクセスできる場所は充実しているほうがいいだろうという話をしました。

絵本ナビはとても充実したサイトです。ただ、営利企業ですので株主にはメディアや出版社がいます。それで偏りが生じるかどうかはわかりません。

かとうまふみ先生のように40冊以上の作品に携わっているクリエイターさんの記事がウィキペディアにあると、特に著名人による評価節があると、情報としてとても役立つように思います。

今回は、テレビの料理番組のように、ある程度体裁を整えた記事をあらかじめ作っておきました。
参加される方が何か一つでも調べて編集してという経験をしてくださればいいのです。その編集に自分は参加しているんだという体験が大事です。

インタビューを交えながら

このイベントではかとうまふみ先生が来場してくださっています。
またウィキペディアの記事で「存命人物」が対象の場合、とてもセンシティヴに記述を考えていこうということになっていることもお話しました。

この場でご本人がお話しいただいたことはほかにソースがなければ記述はできませんし、今まで既に公開し、出典を添えて書けるような情報をご本人に確認しながら、載せたくない情報であるならばこのイベントでは積極的に載せないようにする配慮もできます。

もちろん、ウィキペディアは誰にでも編集ができるので、のちのち誰かが書いてしまうこともありますが、イベントで共有されたご本人の意思や想いを上手に反映して編集していくことも可能です。

例えば、SixTONESの髙地優吾さんは2024年3月から、生年を積極的に公開しないことを希望されています。つまり年齢非公開としているわけです。

Web上には髙地優吾さんの年齢を示す情報はいくらでもありますが、ウィキペディアではご本人が積極的に公開を希望していないのなら、と自制が効いています。

ご参加いただいた方で、その部分が印象に残った方がnoteを書いてくださっています。

そんなことも踏まえながら、かとうまふみ先生の生い立ちからインタビューしました。どこで生まれて、いつ北海道に引っ越して、学校はどこで、絵本作家を志したのはいつで、何がきっかけで・・・というようなことを伺いながらホワイトボードに書いていきます。

その上で、ここは記事に書きましょう/ここは絵本作家としての先生にとってさほど重要ではないかも、のように、書くことを整理していきます。
そして、用意された資料やWebを駆使して、それらの情報を文章にし、出典を付けます。

プロフィール以外の情報は「受賞歴」と「評価」「作品」を設けました。
作品に関しては、単行本化されていないもの、翻訳されているものなどを含め、出版社や発売日について参加者の方々に調べていただきました。
NDLに記載しているものをリスト化したため、絵本ナビに表示される数よりも、作品数は多くなりました。

リリース

時間の都合で、編集体験そのものとしては物足りなかったかもしれませんが、明らかに書きかけのものをリリースしてしまうと、ウィキペディアに対して良い状態ではないということになるので、ある程度のところで編集タイムを切り上げ、参加者の方々の編集を反映し、記事をアップしました。

完成品はこちらっ

作品リストは発売日順にしました。
ひとりの作家がリリースした作品が年代順になっていれば「あ、これは読み落としている」と読者にわかりやすいでしょう。ISBNがあるものは付記してあるので、実際の購入につながりやすいでしょう。

これを書いている時点で、11月には長崎で「絵本deペディア」の予定がすでに入っています。

各地の作家さんや作品などの情報がアクセスしやすく形になっていくことは、未来のこどもたちに喜んでもらえることかもしれません。


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