#286 点と点を線でつなぐ人材育成デザインのヒント 25/1/1
こんにちは。
今日は、人材育成を考えます。
(実例を基に編集しています)
人材育成に関しては言うまでもなく、有象無象に、五万と、そのノウハウや方法論が玉石混交にあります。そんな中で、過去のわたし自身が担っていた配置施策を振り返ったタイミングがあり、そこから少し新しいインスピレーションを得たので整理してみます。
配置施策を回すうえで、当時考えていたことです。
その従業員の発達課題は、どんな環境に身を置くと、その適切な壁を乗り越えられるか、でした。
環境要素の1つは、その発達課題の育成支援が得意な課長は誰か、です。人による支援軸が1つです。
もう1つは、その発達課題を乗り越える壁として、ちょうどよい具合(頻度と難易度)の業務遂行機会が存在しているか、です。経験機会による支援軸が2点目です。
1つ目を見ていきます。育成支援を担う課長にも得手不得手があります。それは、仕事の仕方やスキルと言ったHOW部分においてもですし、性格的な相性、パーソナリティ面においても、です。同時に、その課長の発達課題、主に人材育成スキルやピープルマネージメント、と観点もあります。ですから、この組み合わせを、できるだけ最適な形で提供できると、その人材育成の成功精度は最大に得られると考えます。
2つ目を見ていきます。発達課題に向き合わざるを得ない業務自体があるかどうかです。たとえば、課題解決提案の経験を積んで、良い提案とはどんなことか、を学んでほしいとします。すると、当然ながら顧客フロントに立って、問題発見~問題定義、課題設定、解決策立案、それらを顧客との折衝する機会が、そこそこの頻度で、そして股が裂けない程度の難易度で存在していることが必要です。頻度がさほどなかったり、ちょっと考えればわかってしまうような問題解決だと、発達課題ノクリアには至りません。その適度な機会を見通しておく目利きが要ります。
そして、その機会の存在と、そこに直面して発達課題をクリアできる適切な山であることを、従業員当人に共有し、共通認識を持っておくことです。
その人軸による支援と、経験機会軸による環境提供の2つの支援が整えられていることで、はじめて発達課題の乗り越える可能性をデザインすることができます。いわば、現在の発達課題から、向こう岸の置き石にジャンプする、そのためのかけ橋を作るようにイメージです。
別の言い方をすれば、発達課題の現在地の点と、それをクリアできる経験機会の点を、線で結ぶことです。コネクティング・ザ・ドッツ、点と点を線で結ぶ、です。
このデザインをすること、できるだけ解像度高くデザインすること、これが人材育成の方法論ではないか、と考えます。
その解像度を上げるには、やはり日常の仕事場面で、メンバーと課長が対話的なコミュニケーションパスを確保できているか、が大きく影響します。そのメンバーが抱える暗黙知や課題は何か、どんな方向に可能性が開くと考えられるのか、です。
それでは、また。