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#119 企画部門はアンヘルプフル・ヘルプな仕事に用心する【1/2】24/3/24

みなさん、こんにちは。
今日は、自分たちが取り組んでいる活動は、本当に必要な人に届けているか、を考えてみます。

人事部門をはじめ、間接部門は、法改正対応など全社視点でやらなくてはならない場合や、あるいはライン事業部門のために、との目線から、○○の取り組み、対策を進めたい、と提案し採択を得ていきます。

そのときに、ときに提案、交渉が続いていくと、なぜか自分たちが主語になっていくことがあります。当初の目的に即したとき、主体・客体の主客が逆転していないか注意し、立ち止まることも必要だと感じるシーンもしばしばあります。

わたしの所属する人事部門も、毎期毎期、来期はこんなことに取り組みたい、現場や事業幹部のニーズにフィットしているか、など提案折衝し、進めていきます。なにか問題が起きているときは、事業幹部から「これこれの対策を一緒に企画・実行支援まで一緒にやってほしい」と依頼も受けます。その場合は、ニーズがあるので、自分たちのキャパシティ次第で入り方、パワーのかけ方にグラデーションをつけるのみで、ことはスムーズです。

一方、急務な問題があるわけではないフェーズ、あるいは事業運営が順調、この場合95%は業績ですが、それが前年から着実に成長している、あるいは予算計画をおよそ達成できているときには、取り組みを合意することは難しい局面があります。よく言うところの、「ものごとが上手くいっているときには、人は変えたがらない」だと考えます。

この局面であっても、人事や経営企画のような100%バックオフィス・管理部門ではなく、事業推進機能をもつ企画部門の視点からメタ認知してみると、事業全体や時間軸を長くとってみると、「今、これの手を打ち始めたほうがよい」と感じることがあります。

ゆえに「こういうことやりませんか?進めたいのですがいかがですか?」と提案し、合意形成プロセスを進めます。そして、この合意を得ることがとてもハードルが高く、企画部門は悩まされます。


いくつかの乗り越える障壁があると考えます。

まず、企画部門、いったん人事部門とします。
人事部門が問題だ、と感じていることを共有し、問題だと思ってもらう、前提条件を揃えるステップが第1段階です。

ここでは、いくつかの情報を整理する必要があります。
まず中期経営計画など少し時間軸の長くとったときの、ありたい状態や実現していたいことから、逆算することです。

事業部門幹部の興味・関心の優先度は、業績達成や成長率です。業績目標の達成を伴った事業サービスの成長です。言い換えると、量的な経済価値の向上と、質的なサービスの向上です。

この点に理解を示した上での企画部門の立ち回りでないと、まったく聞く耳を持ってもらえない、と思ったほうが良いと経験上も理屈上も確信しています。

そして、多くの企画部門スタッフは、どうしても自分たちや施策が主語になり、事業部門幹部の視座では考えていないような提案や折衝をしてしまいがちです。それゆえに、大半の人はこの壁を乗り越えられず、意気消沈します。

この事業幹部の視座を理解するには、彼ら彼女らが出しているメッセージをできるだけ隈なく押さえることです。

たとえば、その事業単位の中期的な計画、期初や期末に総括している企業もあるでしょうから、その資料とプレゼンテーションを押さえておくことです。それから、会議のようなオフィシャル、カジュアルな打ちあわせやオフィス等で日常的に発言している言葉、それらも重要なインフォメーションになります。

最後に、ここまでできれば言うことなしは、その人のビジネス人格が大事にしていることは何か、を掴んでおくことです。頻度高く、その責任者と直接の接点を持てていればベストです。しかし、企画スタッフ全員が明確な用件もなくその場を持つことは、責任者のスケジュール上も、企画スタッフのメンタリティ側面上も、なかなか難しいと考えます。

なお、ここまでの論は、これまでの旧来のやり方、昭和モデル、ステレオタイプ、同質的な人で構成される組織に由来するものです。これから、ダイバーシティが進んでいくと、やり方の転換が求められることは言うまでもありません。それでもなお、多くの日本的文化の企業では、上記に示したような点は現実解としてまだ適応していく必要があると考えての考察です。

長くなりましたので、次回にも続けます。
みなさんの会社では、いかがでしょうか。
それでは、また。

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