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#251 自分たちは何屋か?組織のアイデンティティを見つける 24/10/4

こんにちは。
今日は、自分や企業のアイデンティティを考えます。

中期経営計画を更新するたびに自社の特徴を、強みや強みの源泉、ケイパビリティなどアイデンティティを見直します。あるいは、個人としても定期的にキャリアを考えるタイミングで、自分の個性、アイデンティティは何か、を考えるシーンがあります。企業組織であれ、個人であれ、その個性、アイデンティティを、「自分は何屋なのか?」と表現することがあります。

たとえば、企業としてのコア事業・サービスが、ITシステムの企画・開発などエンジニアリングサービスだったとします。その場合、従業員の多くはITエンジニアでしょうから、大多数の人にとって、レイヤー1の「何屋」は、ITエンジニア、企業としてはIT屋と認識されます。

一方、バックオフィスのようなエンジニアリングサービスに直接的に携わっていない従業員は、自分が何屋か、と問われると、ちょっと迷子になってしまう人も少なくないと考えます。

実際に、自社の主たるサービスを提供する職種に位置していない従業員からキャリア相談時にその悩みを打ち明けられることもあります。それでもバックオフィス部門に所属する従業員の場合は、経営企画、財務・経理、営業・マーケティング、広報、調達、情報システム、法務、総務、人事など、職域で何屋を捉えることは難しくありません。

さて、「何屋」で悩ましいのは、たとえば新卒で入社した従業員がエンジニア部門に所属しながらも、たとえば川下工程の評価・テストや、運用・保守の経験など一部分にしか仕事をしていない場合があげられます。

人事部門のわたしからみたら、当然のことですから、悩む必要はまったくないと考えます。しかしながら、当の本人は、キャリア形成に焦っていることもあり、そうではありません。
「自分はテストをするために」、
「分析やレポートを作成するために」、
エンジニアになったのではない、などと自分のアイデンティティを見失い、迷子になることが少なくありません。

このような相談の際に、わたしが提示することの1つは、差分に自覚的になることです。何の差分かというと、その従業員のありたい自分と、その従業員が所属する組織の強みやケイパビリティとの差分です。つまり、自分と組織のアイデンティティの差分です。

たとえば、今現在自分は運用エンジニアだったとします。数年内にはSEにはなっていたい。ゆくゆくはITコンサルタントを志向しているとします。

一方、所属部門は主たる提供サービスはシステム開発(による生産性向上)だったとします。運用・保守サービスは一義的にはサブ的ポジションであるように見える、とします。

しなしながら、実は、運用・保守の部門から企画・開発チームに、ユーザの声を届けることによって、システムが提供するサービスやユーザ体験を向上させ続けることを狙っていたとします。いわゆるDevOpsです。

そうすると、現在の運用エンジニアの自分は何屋か、将来のSEとしてエンジニアリングサービスを提供することとの接続が少し進みます。

たとえば、現在の自分は、ユーザ体験の向上を提供する「カスタマーサクセス屋(エンジニア)」と位置づけることもできます。自部門の主たる顧客提供価値は、システム開発の中でも、ユーザへのデリバリから利活用のオンボーディングまでに強いエンジニアリングサービスだったとします。

このように捉えると、今の自分のアイデンティティと、所属組織のアイデンティティの解像度が少し上がるのではないでしょうか。それによって、差分を捉えることができ、その差分をどのようにキャッチアップしていくことができるか、道筋が見えてくるのではないか、と考えます。

このように「自分は何屋か?」を捉えることで、キャリアアイデンティティのもやもやを少し解消できるのではないか、と考えます。

さて、みなさんは、自分のアイデンティティにどのように自覚的になるようにされていらっしゃいますか。
それでは、また。

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