#214 課長は、リーダーフルなチームづくりをする 24/7/9
みなさん、こんにちは。
今日は、マネージメント職に従事する人のリーダーシップを考えます。
以前にもエントリーしているとおり、リーダーシップは役職者だけが発揮すればよいものではありません。チームでいえば、チーム全員が発揮していることが理想と考えています。
(実例を基に編集しています)
さて考えるきっかけは、現在提供している新任の課長職向け研修内容のリファインする企画です。現在は、マネージメントやリーダーシップについて、基礎的な知識的理解と、それを体感的に咀嚼していくためのワークを織り交ぜた、やや座学的なよくある形式の提供をしています。かなり以前に建てつけた内容でもあり、時間の流れも反映してリフレッシュしたいと考えていました。
ところで話が少し逸れますが、この手の管理職向けの研修で私ができるだけ避けたいのは、一般論としての知識の共有です。
たとえばマネージメントとは?リーダーシップとは?を、教科書から取ってつけたように編集して研修テキストにする形式です。それであれば、書籍を1冊、あるいは安価に利用できるオンラインの教材などを使うことで十分と考えるからです。
さて、管理職の入り口である課長職に期待するいくつかの要件の中から、よりクリティカルな要素を何として抽出するか、を考えてみます。
いくつかのまとまりで考えると、顧客の創造と顧客の満足度追求(結果、業績の経済的向上)、メンバーの育成と従業員満足度追求、組織の生産性を向上すること、このあたりになると考えます。三方よしの考え方に即した外形になると考えます。
当社でも、これまでは、このようなフレームに則り、それぞれについてどのような意味があり、それぞれを成立させるためのスキル的な要素とその磨き方のコツを共有してきました。概念的理解とその実務スキルの学習方法のイメージです。自社の色づけはしているものの、どうしても教科書的で、お勉強な内容になってしまっているように問題意識を持ちます。
三方よし、3つの要件に戻り、その中から何を抽出し、課長向けのメッセージにするかを考えました。
それが「組織づくりとその生産性を上げ続ける」ことです。
3つの要件は、それぞれが互いに影響しあう関係性を持っていますから、上位互換のような上下はありません。どこを基点・起点にしても、上手く軌道に乗ると、相乗効果をもたらし、3つともがスパイラルアップしていく関係性と考えています。
組織づくりとは、「チームメンバー全員がリーダーシップを発揮している」です。これをわたしなりには、「リーダーフルな組織をつくる」とします。リーダーフル=Leader Fullです。全員が、場面場面でリーダーシップを発揮していることを意味します。
このリーダーフルな組織をつくることに、課長は自分のリーダーシップを振り向け発揮すること、と考えます。なぜなら、もはや課長などマネージメントの立場の人が最も知っている、そしてそれをメンバーに指示・指導していくことで成立する仕事は縮小均衡していくからです。
これまでは成長の方向性が割と直線的で、変化のボラティリティが緩やかでした。ですから上意下達で、どれだけ速く、正確に、均一的に、効率的に同じものを生産・アウトプットできるか、が基準でした。
それが変化が速く、新しいことが次々と試行錯誤される環境下に変化しています。すると、課長・管理職が培ってきた知識と経験だけでは、通用しなくなる仕事がますます増えると想像されるます。
ですから、チーム全員のアイデアや意見を行きかわせることで、トライ&エラーをたくさんする中で、仕事の解をつくり進めることが、最も成果創出に影響を与える活動だと考えます。
大事なので繰り返します。
マネージメントとしては、リーダーフルな、全員がリーダーシップを発揮する組織を作り、運営し、最適化のメンテナンスをし続けることです。その組織づくりに、課長やミドルマネージャーは全力でリーダーシップを発揮することです。
そのためには、方法論・メソッドとして「組織開発」を学習することです。なぜなら、課長職は、現場の最前線と経営のインターフェースであるからです。
彼ら・彼女らが、「組織開発」をできるようになることが、顧客の創造、顧客の満足度度追及、メンバーの人材開発のセンターピンだと考えるからです。川が流れるごとく、つながっていくと考えるからです。
では、なぜ組織開発をセンターピンを課題の優先順位上位に持ってきたか、です。
まずそのチーム組織を健全な状態にする地盤の整備が必要だからです。地盤の整備とは、メンバー1人ひとりが、自分がリーダーシップを発揮する箇所を理解することです。チームメンバーの専門的な強みを理解しあうことです。新卒・中途・外国人、リモートと出社のハイブリッドワークなど、変数の多い複雑なチーム構成を受容することです。
これらのことを進めるには、組織開発を基点に、対応していくことが最適です。その組織開発を分解していくと、メンバー個々の受容と理解による成長支援があったり、キャリア自律を促す問いかけが合ったり、ここの人材開発が構成されます。
長くなりましたので、ここまでで一度終えますが、マネージメント職、とりわけ課長職の職責上、どこにセンターピンを立てるかといえば、ここです。
「(全員がリーダーシップを発揮する)リーダーフルな組織をつくる」
それは、業績が高まり、従業員のワークエンゲージメントが高まり、顧客が喜ぶ、につながるからです。
さて、みなさんはマネージメント職の役割のどこにセンターピンを立てますか。
それでは、また。