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#17 会話のズレはローコンテクストな対話で防止する 23/12/13

みなさん、こんにちは。
今日は、コミュニケーションのズレ、について考えます。

コミュニケーションを語ろうとすると、たくさんの切り口があります。そして、いつの時代も、どんな業界・職種であっても不変・普遍のテーマです。

一方、ビジネスパーソンをはじめ個人も、恒常的にコミュニケーション力を磨きたいニーズを持つ人が多いです。もはや社会通念的な強迫観念とも言えるかもしれません。ビジネスパーソンの背景に絞ると、仕事場面において、関係者間やお互いの理解がズレていたことが原因で仕事が手戻りします。こんなことを解消したい顕在・潜在意識が働いているのだと考えます。

(ここからは実際の事例を参考にデフォルメしています)
ここで、2つの仕事場面の例を見てみます。
まず、1つめは、上長とメンバーの会話です。

メンバーAさん
「課長、先日指示された報告書です。言われたデータ分析も資料に入れました」

課長Zさん
「あれ?□□ではなくて△のデータを分析してほしかったのだけど(伝わってなかった?)」

多くの方が一度は経験したり、あるいは今も職場で見かける、「あるある」だと想像します。

次に、採用面接の一コマを例に取り上げてみます。

応募者Bさん
「エンタープライズ向けのCRM、SFAのソリューション提案と導入支援を行い、年間〇〇万円の売上と、合計X社に導入実績をつくりました」

面接官Yさん
「大手企業向けにソリューション提案し、導入・実装までをカバーされていたのですね(当社のお客様向けにも対応できそうだ。提案から導入までハンズオンでできるのはいいな。実績もあるし)」

こちらも、採用面接をされる方は、よくある会話と頷いてもらえるのではないでしょうか。

このようにビジネスコミュニケーションでは、限られた時間内で、業務の指示、面接の相互理解、顧客課題のヒアリングなど、対話・会話を成立することが求められます。

しかし、この時間制約の条件こそが、コミュニケーションのズレや不足を助長する一義的な要因ではないかと、わたしは考えます。

では、なぜ、例のような対話が問題なのでしょうか。そして、どのように対処すると、その問題=コミュニケーションのズレを小さくできるのか、考えてみます。

まず、なぜ問題だと考えるか、です。

手戻りが発生する、その仕事(課題やニーズ)の「旬」が過ぎるからです。「言った・言わない」の感情的対立が生じるからです。この発生確率が高くなってしまうからです。その結果、当初のゴール・目的を達成できない、達成できたとしても生産性が悪い、これがコミュニケーションのズレ(例の会話)を問題とする理由です。

では、どのようにしてズレや認識不足が生まれにくくできるのか考えます。

私が経験上も推奨する方法論は、具体や各論の粒度に落とすことです。具体・各論にするとは、機械の部品単位(モジュール)にまで分解するイメージです。最小単位にまでその事象や言葉の意味を要素分解することです。別の言い方をすれば、ローコンテクストにする、です。

さて、どのようにローコンテクストな会話ができるのか、方法論です。
・言語コミュニケーション世界で言う、5W1H、6W2Hで話す。
・たとえば?で典型例を用いる。
(人物ならバイネームや行動・行為。あるいはONE PIECEだと誰?桃太郎だと?の比喩)
・日常の場面や寓話(レンガ積み職人)など、仕事とは異なる場面で言うと?に喩える。
・感覚的なことは、点数やスコアなど定量に置き換えてみる(10点満点で何点?5点が7点になるにはどんな差分がある?)

こんな具合だと考えます。ローコンテクストに要素分解すると、使っている言葉の、それぞれが考えている意味合いの解像度が高まります。すると、「分かったような気になる」を自己制御する可能性を高めます。具体・各論での会話を取り入れることで、ズレの対策、防止につながる理由です。

これが、コミュニケーション力を上げる=ズレを防ぐ方法論の1つです。
逆に、ビッグワードを使っていたら、それは警報です。分かった気にならず、コミュニケーション上手を志向していきたいと考えます。

最後になりますが、おまけ(と言いながら、けっこう重要)を2つです。
具体、各論で会話する。複数名が参加する会議等で、ローコンテクスト手法で確認する。それは、他の参加者の理解を促す、他の参加者を置いてきぼりにしない効果も絶大です。

もう1つは、ローコンテクストにするスキルを身につけることは、多様な、ダイバーシティが進む環境では、強力な武器になります。なぜなら、コンテクスト=空気、を読めない相手がいる前提ですし、1つの解像度とその伝え方では多様に対応できないから、シンプルな理由です。

みなさんの会社では、ビッグワードをできるだけ使わないコミュニケーションにどんな工夫をされていらっしゃいますか。
それでは、また。

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