#194 企画の定着・浸透は横並び意識を利用する 24/6/7
みなさん、こんにちは。
今日は、企画や施策を浸透していく方法を考えてみます。
(実例を基に編集しています)
企画部門の仕事では、事業横断的に広域にわたって、企画や施策を展開することがあります。私の所属する採用部門では、複数の組織部門の求人を担当しています。ざっとビジネスユニットの部門単位で10を超えるくらいです。そのすべてに共通的に、いくつかの仕掛けを横ぐしに展開しています。
たとえば、面接のあり方を取り上げてみます。
当社は、企業規模的にも、採用マーケットにおいても、一軍企業でもなければ、マーケティングでいうところの第一想起群でもありません。競争優位なポジションニングが確保されてはいません。
ですから、面接の場を通じて、特長を出すことで応募者がアトラクションを感じてくれることを狙った面接を行なうように設計しています。これを10を超える部門共通に、その方法を展開しています。
コンセプトは、応募者にとって気づきのある時間にする、です。そのためのキーアクションは、傾聴とフィードバックです。
目新しいことではありませんが、これが面接官の、採用担当の、指先の神経系統にまで行き渡るよう、今もブラッシュアップして改善を続けています。
面接時間は傾聴する、とアクションを出されれば、面接官各位はそれぞれに実行してくれます。それぞれなりに、傾聴を理解していますし、ある程度できる、と思っている人もいます。それはありがたいことです。
しかし、その品質を高い水準に持っていき、それを維持する標準化のために、共通的な方法やマインドセット、具体的な行動例を示しながら、スパイラルアップの改善を継続します。
たとえばマインドセットの部分です。一般的に傾聴するとは、よく「相手をリスペクトする」と言われます。リスペクトは直訳すると尊敬です。尊敬と言われると少し構えてしまい、相手との距離感が生まれます。
ですから、当社(当事業)なりの解釈として、
「あなたはそういう思いをもっているのですね。こんな風に思っているのですね。その経験が自分のキャリアにとても影響を与えているのですね」
を99%受容した上で、
「そんな考えを持っているあなた(の経験やキャリア)に対して、私はこう思いますよ」
と、こちらの共感を示したり、フィードバックを提供すること、を相手をリスペクトする、の意味として変換解釈しています。
この例のように、課題解決策を末端、神経系統まで行き渡らせようとするときに、1つは上記のような解像度をできるだけメッシュにして、対策にすることです。
もう1つ有効な打ち手が、「横並びを意識させる」です。
横並び意識とは、どちらかと言えばネガティブな文脈で使われることが多いと考えます。そんな性質を持つ「横並び意識」を梃子の原理のように上手に使って、レバレッジを効かせることを企図します。
どういうことか、です。
上位役職者になればなるほど、実は、横を気にかけているものです。事業責任者層なら、ほかの事業責任者はどうしているのか、気にしています。
それは、孤独だからです。
役職なら役職で、同じ階層がたくさんいるうちは、気にしぃ度は相対的に低いです。それは、マジョリティの中に埋もれることができるからです。逆に事業責任者のように、少ない人口になると、目立ちます。ですから、良くも悪くも、横を気にするようになります。
たとえば、ベストプラクティスを欲しがるときに、
「ほかの事業の成功事例はないの?」や、
「ほかの企業はどのように取り組んでいるの?」、
と質問をされることはないでしょうか。それも、横並びを意識している証拠です。
現に、この面接のあり方1つをとっても、「ほかの部門は上手くいっているの?」「それってどのようなやり方を取り入れたから、できているの?」なんて質問をよく受けています。
「わたしたちからお伝えしていることは、同じですよ。それを実際に面接で実行してみてくれて、手ごたえを感じたり、やったことからセルフフィードバックや、採用部門からのフィードバックをもらうことで取り込んでいますよ」
そんな風にお答えしています。
このように、横並びを意識してもらうと、課題解決策の浸透やスパイラルアップは加速していく一助になります。
さて、みなさんは、企画や課題解決を進めていく際、どのようなTipsをお使いになられていますか。
それでは、また。