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#125 事業の好調期にこそ、人事は備え仕込みをする 24/3/30

みなさん、こんにちは。
今日は、人事部門は、いざ、に備えておくことを整理してみます。
人事は運用が9割、のマインドセットにも通じます。

わたしの所属する企業は、ありがたいことにリーマンショックの最中もそれ以降も、健全かつ微増以上の成長率でおよそ毎期伸長することができています。目標(予算)設定自体はもっと高い要求数字なこともありますから、目標達成ができなかったことはもちろんあります。

さて、一般にも言われるとおり、上手くいっているときには人や組織は変わりにくい、と言われます。現状維持バイアスです。あるいは組織慣性の法則が働いている状態です。今の事業運営が順調で、脅かされるクリティカルな危機リスクがなければ、変わるインセンティブを持ちづらいのは、自分に置き換えても自明です。

では、こうした時期には、人事をはじめ企画部門はどのように構えておくか、です。10数年の時間の中で経験則として得たことがこれから述べることです。

前提条件の背景は、変わるインセンティブが持ちづらい状況下とします。

まず、現在運用している仕組みや活動を持続的に改善、スパイラルアップすることには取り組みます。このスパイラルアップを企画し提案することを通じて、ちょっとずつ変化を問い続けます。

ですから、今は変わらないよね、と諦めたり、空気を読むことではなことがまず初期設定です。

実は、この既存の仕組みや取り組みに少しずつ変化を加えていくことも、中期的な時間軸で見れば、複利のようにジワジワと効いてきます。ですから、スパイラルアップ作戦は地味におすすめです。

次に、今は変えにくいな、と感じるフェーズであっても、節目節目に「こっちに舵(施策を指す)を切りませんか?」的な提案をぶつけてみます。これも何回か積み重ね、言い続けることが、人事部門の見ている景色やライン当事者には見えづらい課題を共有していくことにつながるからです。

経験則的には、上半期下半期の各1回は取り組んでいることの報告とともに、課題提示をセットで行なうことが良いと考えています。その効果は、例えば事業責任者たちの問題意識をフェアウェイにキープしておくことが可能です。

もう1つの効果は、事業ラインと同じように課題解決に取り組んでいると手触り感を持ってもらうことです。それによって信頼も積みあがるのではないか、と考えます。いざ勝負の提案時、これらのことはボディブローのように効いてくると経験則的に感じています。

3つ目のマインドセットに、乗らないものは乗らない、と潔く距離と時間を置くことも一手です。
人は順調なときは、今やっていることが正しい、と思ってしまう生き物です。ですから、ある意味の第三者たるわたしたち人事がいくら課題と思ったとして、思うようには進みません。どうにもこうにもならない状況を「そんなものだ」と受け容れつつ、悶々と葛藤することに耐えておくことだと考えます。ネガティブケーパビリティを持つ、です。

その時点では、相手の事業責任者からすれば、余計なおせっかいなわけですから、無理に「やるべきだ」などと正論を振りかざしてもしようがありません。2つ目の提案自体は行ないながら、機が熟すのを座して待ちます。

その間に、粛々と、その解決したいことに向けて、できることを仕込んで置き、裏側でファクトを積み上げておくこと、小さな仮説検証を回しておくことです。準備をしておくことだと考えます。

このような、表層的には一見矛盾するようなマインドセットで、実は懐深くその状況を受け入れ、刀を研いでおくことでしょうか。

さてみなさんは、なかなか自分たちの提案や解決策が進まないとき、どのように構えていますか。
それでは、また。


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