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#75 人事施策は寿命とやめ方を決めておく 24/2/9

みなさん、こんにちは。
人材マネジメントの仕掛けとその運用の寿命を考えてみます。

考えるきっかけは、HRの民主化が進み、課長層に人事機能の多くが寄ってきていることを以前に取り上げました。
https://note.com/racco610/n/n6506f41d49a8

人材マネジメントに関わる施策は、現在の人材不足時代には一層に、1度取り入れるとなかなか止める選択ができません。人事プロセスに組み込まれ、仕組みとなり、運用することがあたりまえになるからです。
ですから、意図的にそのポートフォリオを入れ替えることを人事部門自らが見直さないと、雪だるま式に増え続けます。
その結果、人事部門もさることながら、ラインの課長層にそのしわ寄せが行きます。そして、長期的に運用ができない、あるいはその中身が形骸化して運用を続ける人事施策になってしまうと危惧します。

ちょうどわたしたちの人事部門も、来年度の計画をするにあたり、ここ数年に固定的になってきた運用施策のポートフォリオを見直すことに着手しています。その中でいくつか感じることを考察してみます。

その前に言葉のニュアンスと位相を整理します(あくまでもわたしの定義です)。
左に行くほど、長期かつ大きなPDCAとします。

人事制度>人材マネジメントとその仕組み・仕掛け>人事プロセス>(各プロセスの)人事運用>人事施策とその運用

なお、人材マネジメントは、ここではざっくりと、採用・入社>配置・異動>育成>評価>退職、の従業員ライフサイクルと考えます。

人事施策ポートフォリオの見直しに戻ります。
まず一番に感じたことは、施策には寿命、賞味期限があることです。

施策との言葉どおり、導入時には短期の時間軸で得たい成果の明確な目的があります。その目的を果たした時点で一度足を止める決断をして然りと感じます。
止められないのは、副次的な効果もいくつか生まれるからです。
その施策がターゲットした成果以上に、自分たち人事部門にも役に立つからと、ついつい欲が出てしまいます。具合がいいから、手離すことが惜しくなります。
さらに、今以上に改善して、より良く運用できるイメージを持ててしまうことが継続に拍車をかけます。
色々なことが分かってくるから、それを実現するのは正しいこと、と錯覚してしまうのでしょう。やればやるほど役に立つ、果実が得られそうな手応えを持ててしまうのです。
逆を言えば、当社の目的からすると、余計なことをしてしまう構図です。
要するにサンクコストです。

それから、施策を始める際に、やめ方を決めていないことです。
新規事業では、撤退基準を決めますが、概念的にはそれと同義の、やめ方を決めておくことだと学びました。

これは、今得られている効果、役に立つ実感を失うことです。失う効用を考え、数え出すと決断が鈍ります。
ですから、実施する前に、施策のやめ方を決めておくことが、導入時の生産的プロセスとなると考えます。
やめ方を決めずに走ってしまったら、半期もしくは1年に1回は、捨てる決断プロセスを設けること。

終わりになりますが最後にまとめです。
助けを求めている、対策を必要としている人やプロセスの課題に対して施策を提供する。
目的に合った人やプロセスの課題に対して施策を提供する。
これが原理原則です。

反対に、必要としていない課題に、なし崩し的に提供し続けてしまうことは、生産性を下げます。言わば、お節介です。

この2つのの気づきから、最後の学びを得ることができました。

みなさんの会社の人事施策は、いかがですか。
それでは、また。

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