MISSING YEARS その30(最終回)~2022年の巻

「フニルネッサンスProject」の開始により、創作精神の新側面を迎えるまでに至る30年間の流行音楽を補填するシリーズ「Missing Years」も、遂に今回で最終回。開始前年に当たる2022年にフォーカスします。2020年以降の3年間を積極的に振り返るのはほんと辛いけれど、そんな時期じゃなきゃ出来ないあれこれもあり、また再開した新宿・無人島を中心にささやかながら表現の場を取り戻したことにも励まされました。何より、同時代音楽を見つめ直すことも、フニルネと向き合う上で大きなプラスになったことを忘れてはなりません。前年暮れのライヴが後押しとなり、web上での会合という形で表現の新段階に進むことができたのも大きかったです。
この年の5月20日、奇しくも我が誕生日に5人全員が集まったことが、Racco-1000のバンドとしての最後になりました。もう二度と戻ってこない輝きです。さすがにこの年の選曲の殆どは、リアルタイムで親しみまくった曲になりました。生きる手段として相応しいものを選んだおかげです。


「あいみょん以外の何でもないな…この頃になるとめちゃ聴いたイメージはないけど、すっかり安定に入ってきたというか、そこまで安定すると面白くなくなる感がある。ある時期からのスピッツみたいな。」


「あの耳タコ曲じゃなくてこっちが来たか。相変わらず剣道の技を思い出させるようなフレージングでいい気分にならないけど、ある程度お金かけられるようにはなってるんだな。あの曲の方はイントロがくつしたさんの『呼吸して…』の歌のそれに似てるというのが何よりも印象強い。タイトルがエロいから書かないけど。きゃれた世界とか言うな…」


「いよいよこのグループが来たか。めちゃ聴いた曲だけど、ちゃんとディ◯ニーにお金払ってそうだし、恵まれた感じが否めない。」


「この人も今まで流れてなかったのが意外。じっくり聴かせる路線も悪くないよね。Folder時代からめちゃ評価してた人もこっそり胸を張ってそう。」


「旧ジャニが世界展開ってことでちょっと胸熱になったな。坂本九、イースト以来のキャピトル契約だったし、これでサブスクにも積極的になるだろうな…と思ってたら、BBCがあんな方向へ持ってっちゃってね。自分は演る側を一切責めたくないから、未だモヤモヤするのだけど、そういうのを抜きにしても完成度高い曲だよね。いい意味で世界を見据えてる。英国のTravisにそこまで思い入れもないしね(汗)。」


「過去3年間流れてなかったこのグループが遂に来ましたね。この曲あたりまでは次に何を繰り出すか、気になり続けてたし、某ゲームでやった時はBPM300という表示に驚愕したりしてたな(汗)。ある意味、同時代J-popに同調せよと教えてくれたグループ。それもこれもロマンスの運命だったんだよ、本当の話(涙)。最初から最後までスリルだらけの1曲。かつ歌いやすい。最後のアレでさえも!」


「髭男のあとで聴くと実にオーガニックなグルーヴに聴こえる。こんなタイアップがあったのに気づかなかった…そっち方面にすっかり疎くなったな。テーマに準じて結構アヴァンギャルド。」


「久々にこのグループらしい抜けの良さを感じる曲。リズムトラックも簡素かつ効果的で耳を捉える。リアルタイムで耳に残りまくったな。」


「これもめちゃ聴いた、アンセムっぽい曲…でもタイアップ先に全然気付かなかった。こういう爽快感がある曲が続くといい感じだな。」


「大ヒット曲。これはスケールのでかいタイアップだったな。やはり、『曲を買う』がヒット作りの主な手段じゃなくなったのを感じるな。」


「ドライフラワーの人。従来通りだなという印象だけど、曲名付けに無意識さが滲み出てるのが否めないな。iriのSparkleと反対のケース。」


「音作りにシティポップ味が出てるのが逆効果というか、イメージにとらわれることを避けさせてる。お洒落な音に似合わない声だよな…。その反動から来たのが『はいよろこんで』なのかもしれないな(汗)。この人を福山の代わりとは言いたくないけどね。」


「女性ボーカルになるとちょっとシビアになるな…さユりも亡くなる2年前にこの境地まで来ちゃったのか。セブンティーンアイスの歌歌った人とか、他にも改めてコメントしたい人いっぱいいるけど、彼女のことを思うと胸が痛むよな。」


「よくわからないグループだけど、ドラマのタイアップがあったのか…簡素な音作りには好感が持てる。いい曲じゃないですか。」


「歌姫大集合でめちゃアゲアゲな曲。それぞれのイメージにとらわれなくていい感じで絡み合ってる。最後のサビ前のせめぎ合いとかなかなか面白い。こういう曲を歌って最大に特性が出たのがリトグリなんだよね。Vaundyも今までかかってなかったの意外だったな。この人の『不可抗力』のイントロを改めて聴いたら、無意識にフニルネの『故郷からはなれて』のイントロに影響を与えてることが解ってかなり震えた。無意識ってことにしとくよ、78年だから(汗)。」


「この人達も色々言われてるけど、個人的には悪くないグループだなと思う。SUPER BEAVERもだけど。かなり理想的な曲の繋がりになったな。小細工のないギターコード全開。曲が短いのもいいな。」


「この人達もまた色々言われてるな。この2曲のタイトルが続くのもまた今っぽいよね。むしろこういう音が溢れてる方がいい。何も考えてないような歌詞でも、押し付けがましくない曲調に乗れば別にいいじゃないかなと。女性が歌うとヤだけど。反面教師系とは思いたくないよこの手のバンドは。」


「大ヒット曲。久々にこの人達の妙なところが出てて印象に残りまくった。こういう歌詞の入り方は好きなのだけど。鍵盤類を敢えて控え目にしたサウンドもいいな。」


「まさか、3年連続でこの人の曲が流れるとは。アイデンティティ的に定着しづらいアーティスト名だけど、曲の印象は強いんだよね。セカオワと違って、歌詞がダイレクトに刺さるところは自分的にオブジェクションだけど。音を入れすぎのくせして。あっという間に19曲目…」


「さて、最後の最後にふさわしい曲が来るまで飛ばすことにします。いっぱい候補曲があるからね(と、10数曲飛ばす…そして出だしの1秒で)…これだ、これを最後にするのが一番相応しい。出るべくして出た歌い手、そして曲。フニルネやろうと思ったのも、彼女の出方にちょっと刺激を受けたからってのは多少ある。間奏のとこのさりげない発声とか、すごいどきどきする。AdoとUruの存在感ってほんと無視できない。
本当のことを言うと、STU48の『花は誰のもの?』が来て欲しかったのだけど、選曲さえされてないんだよね。有線では年間10位だったけど、ある意味ポストコロナの色を象徴した曲という気がする。そして、翌年以降聴こえ方がさらに変わった。」

「2022 JAPAN TOP HITS」から流れた曲は、この20曲でした。
①初恋が泣いている/あいみょん
②もう一度/Tani Yuuki
③Supercali/JO1
④燦燦/三浦大知
⑤JUST DANCE!/Travis Japan
⑥ミックスナッツ/Official髭男dism
⑦異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)/星野源
⑧SOUVENIR/BUMP OF CHICKEN
⑨無心拍数 (アオアシver.)/[Alexandros]
⑩M八七/米津玄師
⑪クリスマスイブ/優里
⑫惑う糸/菅田将暉
⑬花の塔/さユり
⑭Melody/8LOOM
⑮おもかげ (produced by Vaundy)/milet, Aimer & 幾田りら
⑯あぁ、もう。/Saucy Dog
⑰本当はね。/ヤングスキニー
⑱Habit/SEKAI NO OWARI
⑲色彩/yama
⑳新時代/Ado

というわけで、無事30年間、気まぐれに選ばれた600曲を完走しました。フニルネ開始に至るまでの創造面で空虚だった時代の空気を、これで補填できたのでしょうか。時期を見て、裏名曲選でもやろうかなと思ってもいるのですが。これで無事、このnote本来の目的、我が創作活動の総括に戻れれば本望なのです。今までお付き合いいただきありがとうございました!

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