#感想note 「里親家庭で生活するあなたへ」里子と実子のためのQ&A 山本真知子さん(出版日 2020/7/2)
今回よりRACのメンバーで、いろんな里親や養子縁組、家族のカタチに関する本の感想noteを書いていきたいと思います。
その想いの裏側に
最初に少しだけ「なぜ感想note」を書くのかを説明します。
私達の想いとしては
里親や社会的養護に関心を持った人が、誰でもサクッと読み始められる本にアクセスできる状態にしたい
堅苦しい本も多いが、その中のワンポイント持ち帰り部分や感想をイラストで図解し、ぜひ関心を持ってくれる人を増やしたい
同じような題名でも、年度が変われば児童福祉法や社会の様子も変わり、政治や人の動きが変わってくるので年度の変化を紐解きたい
の3つがあります。(今までTwitterでもシェアしてきましたがどうしても流れていってしまうと再度読めない人が多く・・・)その結果、今回よりnoteにしていくことにさせていただきました。
今回は初回の1回目です。どうぞよろしくおねがいします。
第1回目の本
今回ご紹介するのはこちら、
「里親家庭で生活するあなたへ」里子と実子のためのQ&A 山本真知子さん(出版日 2020/7/2)です。
里親家庭で生活する子ども全てを対象に書いてくれています。
著者 山本真知子さんの紹介
山本さんは大妻女子大学 人間関係学部 人間福祉学科 准教授をされています。
なんとご自身が「里親家庭の実子」です。(かなりレア!)
おそらく「里親家庭には実子がいない」と思っている人も多いかと思いますがもともと里親は「子どもがいない人向けの制度」ではありません。ただ、実質的にそういう側面もあり、実子の声は無いものとされてきました。
今まで見逃されてきたアドボケイト・研究分野に光を当ててくださっています。
本の紹介では、
里子さんも社会的養護の中のマイノリティと言われますが、里親家庭にいる実子は本当にごく僅かです。
親は里親になる覚悟をもって始めたかも知れませんが、実子さんは違います。そこでの葛藤や、子ども同士だからこその違和感にどう対応したらいいのか?について質問形式で書いてくれてくださっています。
特に心に残った部分
「実子さん向けのQ&A」では、
「友達に弟ができたの?だれ?と聞かれてどう説明していいかわかりません」というような質問がありました。
実際には、この質問文章だけで答えるのは難しくて、
によって回答は変わるでしょう。
でもこの本は「○○はどうでしょうか?」と丁寧に噛み砕いて、選択肢を複数書いてくれます。
加えて、子どもが読める本にしてあるので、容易な言葉を選んでくれています。
きっと自分が頭の中を整理しきれなかった質問や、そんなことを聞いてもいいのか?と思う質問もあります。(例えば、実子が「里子と折り合いがつかないので内心は家から出ていって欲しい!」と思うのは悪いことでは?と思う子どもはたくさんいるでしょう。)
でもみんな誰もが思うこと。
自然な感情として湧き上がってくる疑問を、そのまま「里親家庭であるから実子はこうであるべき」で進んでいくと、その後実子も里子も、そして里親さんも「もっと前に知っていれば…」と悔やむ結果になります。
子どもだから、我慢することはないこと。
里親を選んだことや、里親研修を受けたのはあなたの親であってあなたではないこと。
そこでのもやもやも共有することが次の不調を減らし、家族の温かみを知れる人が一人でも増えることを信じて、この本を読んでいきました。
「はじめに」より…絶対の正解はないから。一人ひとり考え方は違う。
この本は子どもたちへの説明にももちろん使えますが、大人が忘れてしまった子どものときに感じていた気持ち/思いを思い出せる本でもあります。
初心に帰りたい時、なんでだろう?と思うときにも、手にとって読みたい本棚と思いました。
次回の本のお知らせ
第2弾は、
アドボカシーってなに?施設訪問アドボカシーのはじめかた
をご紹介します。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の日程について
この本の紹介noteは、2週間に1度を予定しています。
次回は5月2日の予定ですのでお楽しみに。