雨の日の私
朝に目が覚めて、いや、夜中寝付く頃から雨が降り出してきたと気付いていた。
ベッドの中で私は「朝まで降ってくれているといいな」と少しの願いを込めながら眠りに落ちる。
私は雨が降ると「何も頑張らなくていい」「ただ、そこにいてもいい」という妙な感覚に囚われるのだ。特に、何か病んでいるという言い方をする様なストレス状態があったり、失恋の慰安期間というわけでもない。
何となく、雨は今の私をそのまま許してくれるような、そんな気がするのである。
朝、雨の音を聞きながら、どんよりした曇り空の鈍い光の中静かに目がさめる。
庭の濡れる木々と紫陽花を見つめながら私は少し微笑みながら呟く。
「雨だ」
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