私の朝
冬の朝の空気はとても新鮮で
その新しい酸素で満ち溢れている空気を
すべて肺へと送り込むように
めいいっぱい吸ってみる。
まるで
一面誰も踏み込んでいない新雪のような。
そしてその雪の上に
ゆっくりと足跡をつけていくように、
私は布団から身を起こす。
冷たい水で顔を撫で、
眠気を追いやって
今日の自分と鏡の前で対面する。
台所に立ちまず一番にすることは
お湯を沸かすこと。
その間に歯磨き
そして朝ごはんとお弁当の準備。
あと石油ストーブに火をつけるのも忘れずに。
レバーを下げてライターで火をつける。
ぼうっと立ち上がる炎も
どこかやるせなさがあって、
炎もねぼすけさんだなぁ
と、考えてみたり。
朝は静かなようで慌ただしい。
今日のお弁当は
鮭
卵焼き
ポテトサラダ
ひとくちコロッケ
ほうれん草の胡麻和え
白米の上にはちいさなカリカリ梅
昨日の残りのポトフも熱々に温めて
スープジャーへと注ぐ。
作り置きのポテトサラダが今日の朝ごはんの分でなくなってしまった。
時間は知らぬ間に過ぎてゆく。
テレビでニュースを観ながらの朝ごはんも
程々に、私は着替える。
冬の出勤時の服装は
襟シャツの上にシンプルなニット
細身のパンツ
という型になりがちだ。
っと、そんなことを考えている時間はない。
バッグ
コート
マフラー
そして家の鍵
こうして私は今日も
慌ただしい朝の街へと踏み込んでゆく。
溶け込んでゆく。