超音波の最大の効果を引き出す設定方法
この記事は、同業者向けに超マニアックなUST-770とEU-910超音波の最新治療術を説明します。この1台で外傷がほぼ治ることを科学的に証明することができます。
令和1年7月30日に、伊藤超音波メーカーのセミナーに参加いたしました。整骨院においてはこの超音波治療というのは、外傷治療をするうえでは必須のツールと言えます。
そこで今回のセミナーにおいて超音波をどの様に効果的に使うかを聞いてまいりましたので、読んでみてください。
超音波治療器の効能・効果
〇超音波マッサージで、急性期の炎症を軽減する
〇温熱作用で筋肉の柔軟性を高める集中的治療
この二つの効果が挙げられ、この効果を出すために次の事を機器はやってります。
超音波治療器は一秒間に数万回の振動で生体に摩擦を発生させ、温熱作用を生み出し深部筋まで温めることが出来ます。これを立体加温と言います。
またこの振動がマッサージ作用を生み出しケガ直後の炎症・老廃物を除去します。これをミクロマッサージと言い、捻挫の急性期に役立ちますます。
さらに設定方法次第では、治療機の効果的な設定方法を組み合わせることで、3割から4割は早期治癒を見込めます。
機械の設定方法
1秒間に数万回の振動というので熱を作っているということを「DUTY」で表示しており、DUTY20%であれば20%摩擦を起こして80%は休んでいます。
したがってDUTY20%であれば熱が出にくいので急性期には良いとされています。逆に組織を温めて緩めたいところなどは、DUTYを50%から100%で行うと良いとされています。
皮膚表層からの深さ
「周波数」1MHzと3MHzで表示します。
プローブ端子では皮膚表層からの深さを変えることができ、ターゲットの組織に対して切り替えて使うことができます。
各周波数の違いを見ると、1MHzでは1cmで温度が39度に上がると一定の温度を保っています。
1MHzは深部まで到達でき、1wで10分照射すると、1cmの深さの温度が39度台に上がり、4cmでも38.88に温度が保てます。
このことから、腰部殿筋部などの深層筋にアプローチしたり、硬くなった筋などをほぐす役割を果たします。
3MHzでは2cmを過ぎると温度が下がり始めます。
つまり3MHzでは深く入らないことから、炎症のある所や、深く照射したい所の下準備として少し充てておくと、その後の1MHzが非常に早くから到達しやすくなります。コンビネーション治療で臀部などを行うときに有効かと思います。
超音波治療の使い分け
設定モードが3つあり、端子で分けられます。
① 温熱モード(DUTY50%~100%)⇒ 筋緊張軽減に高い即効性 ハイパワー 1.0W
② 音圧モード(DUTY20%以下) ⇒ 急性期の発痛物質、炎症除去 ミドルパワー 0.5W
③ 低出力パルス超音波(LIPUS) ⇒ 骨折治癒、オペ総部などの癒着軽減 ローパワー
①と②はプローブ端子で行い、③のLIPUS端子と併用することで、外傷の3~4割は治療期間の短縮を担うことが出来ます。
LIPUSを患部に直接充てて、その周辺だったり裏側だったりをプローブで①又は②で行うコンビネーションの使い方は非常に有効とされています。
足関節捻挫の場合
腫脹がある場合は、先に熱感をアイシングしておき(※現在の医学論文ではアイシングしてもしなくても良いとなっていますが、個人的にはした方が良いです)
①LIPUSを患部にあて10~20分
②プローブで3MHzの出力0.5w、DUTY50%で3~5分照射
かなりの腫脹を軽減できます。内出血班も薄れてくるのが見てわかるでしょう。その後の治療として下腿が疲労したような痛みが出てきたときには
①LIPUSを患部に10~20分
②プローブで1MHzのの出力1.0w、DUTY100%で5分、前脛骨筋側や腓骨筋側を照射してみると良いでしょう。
LIPUSが無く、プローブ端子のSとLの場合
L端子で3MHz・0.5w・DUTY20~50%(損傷程度で変えてください)3~5分でも構いません。
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