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【エッセイ】調子にのった狸の末路
私がサンディエゴへ引っ越す数日前、狸がサンディエゴからニューヨークに迎えに来てくれた。
というのも、猫の梅は飛行機に乗ったことがなかったので、それが不安だった私が狸に同行してもらうようお願いしたのだ。
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無事にセキュリティーチェックポイントを通過した私たちは、時間に余裕があるのをいい事に 「Let's get some drinks!」と、アル中丸出しで目的ゲート近くのバーに立ち寄った。
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狸は空港ではいつもブラッディ・マリーをオーダーするようで、私も真似して同じ物をオーダーした。
今回のブラッディ・マリーは辛口だ。
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二人でずびずびブラッディ・マリーを飲んでいると、狸がグラスの中に入っているハバネロをむしゃむしゃと食べ始めた。
驚いた私だが、「私のにもハバネロ入ってる」とボソッと言うと、狸は私のハバネロも欲しいと言い出したので、それを分け与えた。
相変わらず平気そうな顔でむしゃむしゃと食べている。
彼が幸せならそれで良い。
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その後飛行機に搭乗した私たちだが、案の定狸は腹痛に見舞われた。
私は長年住んだニューヨークへの思い出に浸ることもできず、そのままその地を後にしたのだった。