「なんで港区女子にならなかったの?」
パートナー曰く、私は化粧して態度を変えれば港区女子に見えるらしい。たいていの女子はそうだと思うけど。
ドラマを全く見ないので「港区女子」と言われてもあまりピンとこないが、キラキラ媚媚した女子と認識している。
パートナー曰く、港区女子は必ずしも金持ちにたかっているだけではなく、自身も優秀で成功していたりするらしい。
彼は小学生のときから私立に通う、いわゆる「おぼっちゃん」であり、周りの女子はいわゆる港区女子なのだそう。私のことは「敢えて」選んだらしい。
さて、「なぜ港区女子にならなかったの」と無垢に質問してくる彼にどう答えたものか。
キャピキャピした女子が苦手とか、リベラルだからとか、いろいろ考えたけど、多分あれだ。旅が好きだからだ。
大学生のときから長期休みごとに一人旅に出た。青春18切符で各地をめぐり、海外にも随分行った。1年間東欧に滞在した際はロストバゲージに遭い、Tシャツ2枚を交互に着ながら夏を過ごした。
貧乏学生だったので、現地のフリマで50円とかの服を買い、周りのヨーロッパ人はあまり化粧をしないので私も常にすっぴん。1年間髪も切っていない。若かったし、貧乏だったとはいえ、いろいろなものをそぎ落とした生活をしていた。
1年以上の東欧滞在を終えて帰国するときは、リュックサック一つ。物への執着が完全に無くなっていた。(ロストバゲージしていたのでスーツケースを持っていなかったのもある)
貧乏学生を卒業後も、この身軽さは加速する。
快適な旅のため、レーシック手術と全身脱毛をした。これで液体と刃物を持っていく必要がないから、飛行機の預け荷物がなくなる。決してモテようというモチベーションではない。
バイクの免許を取って、公共交通機関では行けない場所や時間を求めて、もっと自由で気ままな旅をするようになった。
こうしてどんどん港区女子のようなきらびやかなパーティー生活からは遠ざかっていった。
今思えば、大学生のときになんでもいいからサークルに入って、イケメンたちと合宿などに行っていれば、港区女子に近づいていたかもしれない。
港区女子は経験していないのでどちらが良いとは言えないが、20代は1回だけ。全力で楽しめばなんでもいいと思う。
アラフォーの今は、化粧品が必要になり、液体無しで飛行機に乗るのは無理。やはり20代のような旅は20代だけのものだ。