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器用貧乏を武器に変える

こんにちは、PeopleTech事業を展開するアトラエの川上(@_YukiKawakami)です。今は、組織力向上プラットフォームWevoxのカスタマーサクセスと事業開発を担っています。

周りを見渡すといつも「自分は器用貧乏だな〜」と思いながらも、自分なりに貢献範囲を少しでも広げようともがき続けた結果、気づけば3年半の月日が経過していました。

新卒で入社して以降、iOSのエンジニア・採用のリード・カスタマーサクセス・事業開発と多様な役割を担う機会をいただき、いわゆる何でも屋なキャリアになってきているのかと思います。

このnoteでは、そんな何でも屋気質の強い器用貧乏な僕が普段考えている思考プロセスを振り返ってまとめることで、自分自身やメンバーに器用貧乏な方がいるあなたに、何らかのきづきをプレゼントできれば幸いです。

器用貧乏はあくまで特性である

「器用貧乏」という言葉には、スペシャリストとジェネラリストの2つの概念があることによって、当人を苦しめてしまっている可能性があると考えています。

2つの概念はあくまで結果指標である

世の中のジェネラリストは、結果としてジェネラリストになっているだけでしかなく、彼らと比較をしても自分のレベルの低さに悩まされるだけです。これはスペシャリストやジェネラリストという概念があくまで結果指標であり、器用貧乏と比較する対象としては適切ではないことが理由だと考えています。

スキルを持っていようがいまいが、新たに自身のスキルを獲得することのハードルの低さが故に、「自身のスキルを前提としない目標達成への遂行を考える」というプロセスの傾向こそ、器用貧乏の現れなのではと思います。

そんな彼らは、今自分のできることを見つめて、その分かりづらさに悩まされることが多いですが、組織においてその柔軟性と広い視点は、適切に活用すれば大きな武器となります。

しかし現実は、器用貧乏はジョブディスクリプションとの相性が悪く、転職でも社内での自己成長においてもいつも悩んでいるように感じます。(少なくとも私は悩みます😕)

器用貧乏のマッチングは「なんとかできるでしょ」と思えるかどうかで決まる

私もですが、やれることよりもやるべきことに目が向きがちな結果、まるでポケモンのメタモンのように自身の役割やスキルを変化・獲得してきたことで、わかりやすさ・一貫性のある役割やスキルが生まれづらくなります。

結果として、器用貧乏はいつも、「自身の手元に残るスキルや役割がわかりづらい」といった事象に悩まされているのです。

しかし、これらに優劣はなく、あくまで特性の一つです。

そんな優れた特性を最大限活かしたパフォーマンスを出すためには、3つの理解が重要であると自身の経験をもとに考えています。

3つの理解

正しい理解があってはじめて、正しい行動が生まれる

1. 自分自身の理解

自分という資源を理解しなければ、それを活かして成果を出すことはできません。特に、器用貧乏な人はハード面(スキルやキャリア)が可変であるという前提を受け入れることが重要です。

時間という資源をはじめとして、資源の総量は年齢やライフステージで変化しますが、失ってはじめて「自分は何者なのか」「自分にできることは何か」を考え始めることが多い印象を持ちます。

我々には、分かりやすいスキルやキャリアが残りづらいからこそ、見えづらいモノに一貫性やこだわりを持つ強みがあります。自分の内面を深く理解し、自身を活かした成果を出す過程で、自身が持っている資源を「資本」に変換し確立することが大事です。(このnoteでは"クライミングスタイル"が該当する)

2. ゲームルールの理解

組織で成果を出すには、自身が戦っているフィールドのゲームルールを理解することが重要です。特に器用貧乏にとっては、この理解があることがレバレッジを効かせる因子となり得ます。

各レイヤーで絵を整理し、上位レイヤーから順番に降ろすことの徹底

前提として、会社→チーム→個人の順で「ゲームルール」を理解する必要があります。特にゲームルールの中で抑えるべきなのは、以下3点だと考えています。

  • 勝利条件: 各レイヤーにおけるゴール条件や目的 etc

  • リソース: すでに生まれている行動、持ちうる裁量と資源 etc

  • システム: マーケットの環境、必要とされる行動 etc

これらを理解することにアンテナを貼り続けることができれば、あとは個人レイヤーで戦うルールを常に選択・アップデートすることができるようになります。

引くべきレバーを見定め、「どうやってこのレバーを引くのか?」と達成方法を思考することだけにフォーカスできるようになることは、自身ができることに固執しない器用貧乏な人にとっては必要不可欠なプロセスです。

3. 接続方法の理解

自分自身とゲームルールのそれぞれを理解するだけでは物足りず、その環境下で成果を出せる自分らしい方法を見つける必要があると考えています。私は、成果を出すための自分らしい方法を「クライミングスタイル」と呼んでいます。

クライミングスタイルが異なる人を模倣しても成果が出づらい

これはアトラエでもあった事例ですが、「守破離の守をつくるためにまずはTTP(徹底的にパクる)だ!」と入社歴が長いメンバーの成果を出すスタイルや方法を真似してみたところ、全然上手くハマらないということがありました。

形式知になっていない暗黙知が存在することや、他人のスタイルを模倣しているときに自身のスタイルをアンラーンし切れていない等、複数の要因があると思いますが、オンボーディングの過程にて、守と言いつつも実態としては「離の押し付け」になっている可能性があるのではと考えました。

Wevoxのカスタマーサクセスでのクライミングスタイル簡易ver例

例えば上記はWevoxのカスタマーサクセスのクライミングスタイルを簡易verとしてマトリクスに落としたものです。

私は、経営や組織全体をマクロな視点で捉え、理想を実現するためにどうすべきかをお客様と共に考えるスタイルを持っています。このマトリクスでは、私は「パワー系サクセス」に分類されると思います。

ただし、これはあくまで簡易的な整理です。重要なのは、持っているスキルだけでなく、ゲームルールに合わせた自分の活かし方や得意な成果の出し方(クライミングスタイル)を自覚し、確立し、磨き上げるプロセスを繰り返すことだと考えています。このプロセスを通じて、どんなゲームルールの中でも成果を出せるようになるのではないでしょうか。

特に器用貧乏な人にとっては、自分の思考パターンやスタイルの深い理解があることで、最短で最大の成果を出すために必要な知識やスキルが明確になります。これこそが、器用貧乏を本当の武器へと変える鍵だと考えています。

おわりに

組織づくりには、一人ひとりの可能性を最大限活かすこと・伸ばすことができる採用や人材開発が密接に関わっていると思い、今回は自分自身の経験を経て「器用貧乏を武器に変える方法」というテーマで書いてみました。

私自身、器用貧乏の本質的な強みは、「多くの選択肢を持ちながらも、やるべきことに集中できる能力」にあると思っています。

しかし、そのためには今までの戦闘で得てきた小さなCAN(できること)にしがみつかず、本当に必要な行動を選び抜く勇気を持つことが重要です。

できることよりもやるべきことを、チームを勝たせるために知恵を絞っていたら、結果として自身の存在価値は増大しているはず。そう信じて、自分も自身の強みや特性を活かして、なんとか貢献範囲を広げようとしています。

これからも、仮にアトラエの誰もまだ見えていない「やるべきこと」であったとしても、自身の器用貧乏という武器を使って、ビジョン実現のためにチームと一緒に突破していこうと思います。

今回はセルフマネジメントや人材開発のテーマでしたが、他のメンバーからも多くの実践知が出ています。是非とも、 #組織づくりの実践知をウォッチしていただけると嬉しいです。

そんなアトラエでは、採用も積極的に行なっています。年末年始のキャリアの内省をする際に、アトラエの組織と事業へのこだわりやたくらみを是非聞いてみてください!(カジュアルにお話しましょう👀)

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