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ニューアカオを巡ってみた。

はじめに

昨日、滑り込みでStanding Ovation / 四肢の向かう先 を見たので、思ったことを書いてみる。
※アートに詳しくないただの大学院生の感想なので、それを踏まえた上でお読みください。

展示の基本情報

会場:ホテルニューアカオ(地図
期間:2021/11/16-2021/12/20
キュレーター:髙木遊
参加アーティスト:太田光海、渡邊慎二郎、小松千倫、多田恋一朗、中村壮志、松田将英、保良雄、八木幣二郎
料金:無料(紙のガイドブック500円)

展示の振り返り

ここからは写真とともに展示の内容を記していく。

この展示は、閉館したホテルニューアカオ内に点在する現代美術の作品を巡るものだが、そもそもホテル全体が巨大なインスタレーションになっていて、作品とそうでない部分が常に絡み合っているように見えた。ガイドブックに書かれた指示に沿って進んでいくという形式も、めんどくささ込みでとても楽しかった。

ガイドブック背表紙に記された文
一番最初に訪れるところ
水がないプール、椅子に座るのはちょっと気が引けた



今回見た中で一番お気に入りだったのは、松田将英さんの《Final Answer》だった。
贅沢の限りを尽くしたスイートルーム空間に置かれた(?)謎の作品群。せっかくの空間をごちゃごちゃさせるのも…という気もするが、それこそがこの作品の意図だと感じた。
例えば《#newmoon》は普段見えない新月を表すネオンオブジェクトだが、「閉館するまで気づけなかったニューアカオの魅力」を、新月と重ね合わせているようにも受け取れる。

メゾネットタイプの部屋、広すぎる
有料素材サイト(現在課金不可)
《#newmoon》(作品説明)、夜は光るらしい


…これを作った人は色々と話題のアーティストで、賛否両論あると思うが、熱海、ニューアカオという場所の魅力を引き出すのにはピッタリな作品ばかりだったと思う。まあ、ガイドブックには「意味はない」と記されているので、深読みしすぎかもしれない。

厳しい入場制限のおかげでホテル内はとても空いていて、完全に人がいない、がらんとしたような写真を撮ることもできた。Liminal Spaceっぽい。

なんとなく天井が低い気がした
レストラン手前の広い廊下


ホテルの中ではエレベーターで移動することになっていたので、エレベーターホール近くで到着音が絶えず鳴っていたのが少し怖かった。レストランホールでも作品の音が響き続けていて、ずっと"誰か"がいるような気がした。

レストランホールでの一枚


展示とは関係ない部分だと、裸のマネキンや飲みかけの飲み物、壊れた水道など、いろいろなものがホテルに取り残されていた。

バーカウンターの横の冷蔵庫、ドレッシングもある
結局これは何だったのかわかっていない
プールのロッカーは壊れていた


あと、どこから見ても海は綺麗だった。

今回撮った中で一番好きな写真
部屋から海がよく見える
よくSNSで見るところ、自分も撮っておいた


ずっと展示を回っていく中で、ニューアカオには熱海の持つ美しさと豪華絢爛さ、古臭さが凝縮されていて、少ししんどかった。90代の祖母も「泊まったことあるよ」と言っていたので、そうした長年の人々の思いが詰まった空間だからこそ苦しく感じたのかもしれない。

そして、自分も含めて、映えを求める人々が集う場所と化している現状も切なく感じた(すれ違う人の多数がスマホではないカメラを持っていたような気がする)。もう少しお金が自由に使えるようになったら、好きな物や場所へたくさん行こうと思った。無くなってしまう前に。

おわり

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