街とその不確かな壁 壁とそとの世界
昨日読んだ後の何とも言えない読了感
感じたことを自分の中に書き出してみる
壁の外の世界…喜怒哀楽の全てが混在する世界
壁の中の世界…争いや悲しみもないが、それに伴う感情表現や愛情表現も存在しない世界
今いる世界は喜怒哀楽の全てが存在するが、そのかわり人と人の感情によってストレスや争いが起こる事で予定調和といかない事が起こりうる
自分の感情を消して、ただ淡々と自分の役割をこなし質素だが誰かに心をえぐられるような思いもしない、日々のルーティーンを毎日同じようにこなしていく世界、それが壁の中の世界
いまの自分がじゃあどちらに住みたいのか?
と言われたら、やはり、私はどんな悲しみがあったとしても壁の外の世界で生きたい。
100%の願いが叶わなくても、心の動きを大事にして喜びも悲しみも存在する世界に生きていきたい。
若い時はこの前作である、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の壁の中の世界の意味がわからなかった。
だけど、大人になった今では壁の中の世界で生きていきたい、人に心を揺さぶられることをしたくない。という感情をもった人がいる、それが誰の心の中にも少なからず存在する。
そんな事を思った。
きっと若いころの自分にはそんな事は考えもしなかったから。
私は壁の外を望むけど、きっと時に壁の中に逃げ出したくなる瞬間も持ち合わせているのだと思う。
言葉だけでは、この読了感を表すことは難しいけれど、ただの小説ではなくこの本と一緒に大人になった私は何とも言えない感情が湧いてきた小説でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?