カブばかり食べていたら痩せてしまった件についての補足とか
数日前にこんなことを書き込んだら、色んな人からご意見を頂戴し、中には有益なカブレシピなども含まれていて、大変ありがたく感じているわけですが(リプライが多すぎて反応できず、すみません)
ただ、上記を持って「カブを食べれば痩せる!」などという結論に至るなど、少々需要のされ方に気になるところがあるので、一部補足させてください。
食べるだけで痩せる食品など……ない!
まず、ここは周知しておきたいのですが、別にカブに脂肪燃焼効果とかカロリー破壊効果とかがあるわけではありません(少なくとも私の知る限りは)。
なのでスーパーに行ってカブを買ってきて、夕食に1品増やしても、対して意味はないと思います。今回私がカロリー不足に陥ったのは、カブばかり食べて他のものを食べなかったからです。
で、これは別にカブでなくても他のものでも起こります。今回色々と調べてみたのですが、大根や白菜はカブよりもさらにカロリーが低いですし、キノコやコンニャクといった食材でも同様のことは可能です。
一体どういう状態だったのか?
「というか、なんでお前はカブばっか食べてたんだよ!」と思う方も多いでしょうから、説明させてください。実は私、市民農園を借りているんですが、そこで予想外にカブが大量にできてしまったんです。
ホーマックで適当に買ってきた大球カブなんて品種の種だったんですけど、これがまたデカい。
実際リアルに見た人がみんな「でっっっっか!!!!」って口走ったぐらいにはでかい。何だこのサイズ、ルーンファクトリーか?
一応、引っ越してすぐだったので、挨拶がてら近所にカブを配って処分しようと思ったんですけど(ルーンファクトリーか?)、隣近所や向かいに2つずつ配っても、まだまだ余っている。市民農園を借りるときに、営利で栽培してはいけません。という契約をしているので、売るわけにもいかず。おまけに雪が降ると畑が凍って掘り出せなくなるのでその前に収穫しなければなりません。ということで、なんとかカブを消費しようと、塩麹につけてみたり、ポトフにしてみたり、自家製ベーコンと合わせてみたり、味噌汁にしてみたり……といろんなレシピを試していました。
何しろサイズがサイズですから、半分にした状態でも鍋にいれたらそれだけでほとんど鍋がいっぱいになってしまいます。そんな状態で蓋をして、出汁を入れて煮て柔らかくなったところをひたすら食べる。というのをここ一週間ぐらい続けていたんですね。
最初はご飯も炊いていたのですが、終盤になると面倒くさくなり、朝、鍋に火を入れて温めたものをどんぶりいっぱい食べて朝食に。夕食もそのままカブを腹いっぱいに詰め込んでおしまい。なんてスタイルになっていったんですが、これが間違いの元でした。
予想外にカロリーがない!
私が勘違いしていたのがそもそもの原因なんですが、なんとカブは私の認識より遥かにカロリーが少ないんですね。100gあたり、20kcalぐらいしかないんです。鍋いっぱいのカブを食べても、せいぜい2、3kg。一度に鍋半分、1kg食べたとしてもたったの200kcal、カロリーメイト2本分です。
一日に必要なカロリーは体格によっても違うんですが、日本医師会のサイトによると、だいたい成人男性は2200kcalぐらいは必要な計算です。
カブだけでこのカロリーを取ろうとすると11kg必要になります。流石にこの量を食べるのは現実的ではない……。カブだけで生命を維持することは不可能と言っても良いでしょう。
カブといえば世界史に出てきたノーフォーク農法が有名ですけど、どうもあの農法で作っていたカブは家畜の餌用だったようで、やはり人間を養えるだけの力はなかったようです。
なお、同じ土の中にできる野菜でも、じゃがいもは100gあたり76kcalと、三倍以上の効率があります。こっちの場合ですと2.8kg。三食に分ければなんとか食べれる量ですね。なんとなく、カブとじゃがいもは地面の下にできる同士、同じ枠組みに入っているような気がしていたんですが、これは単なる思い込みでした。
そんなわけで、毎食カブだけを腹に詰め込んでいた私は、気が付かないうちにカロリー不足状態になっていたのでした。
そもそも元の体重が少ない
このことは書いておかないと行けないと思うんですが、実は私は生まれつき異様に体重が少なく、今までの人生で50キロを上回ったことがありません。当然身長も低く、子どものような見た目をしています。ただ、女性の平均身長よりは少し高いので、ちょっと体格の良い女の人みたいな感じでしょうか。
体質とか、食の好みとか、生活スタイルとかが影響しているんでしょうけれども、ここまで体重が少ないと、やはり健康的にも不安になってくるもの。「年を取ると代謝が落ちて太るから大丈夫だよ」なんてことを言われたこともあるんですけど、これがまた全然増えません。
寿命的にも標準体重が最も良いということは知られているわけですから、よしここは筋トレして体重を増やすか!と数年前から筋トレを始め、50キロ近く(49.8あたりまで来たはずです)までウェイトを増やしてきたわけですが、それが急に数キロ減ったので、ちょっとこれはヤバい状態です。なお、体脂肪率は一桁以下なので、減るとしたら筋肉。つまり、カロリー不足により気が付かないうちに全身の筋肉が破壊されている可能性が高い。
もっとも、体重計の故障の可能性もありますので、そうだったら良いのにな……と淡い希望も抱いているのですが、カロリーを計算してみると明らかに不足しているので、エネルギー保存の法則により明らかに私の体重は減っていると思われます。レベルドレインってこんな気持ち。
しかし数週間でそんな数kgのオーダーで体重が変わるのかよ?とも思うんですが、普通に生きていくのに必要な2200kcalって、脂肪にしたら244gなんですね。つまり4日分のカロリーで脂肪1kgは消費してしまう計算になります。実際、脂肪組織には水が含まれるので、もう少し増えますし、脂肪ではなくて筋肉が破壊された場合は、脂肪よりエネルギー密度が低いのでより消費します。私の場合は、昼食は会社で食べてましたし、カブだってカロリーゼロではないのでこんな極端ではないのですが、仮にコンニャクなどのほとんどカロリーがないものばかりを食べ続けて擬似的な絶食をした場合は、これくらいのペースで体重は落ちていく計算になります。(運動すればもっと早く減ります)
これは何かに応用できないのか?
ということで、危うく餓死しかけるところだったわけですが、ここでやはり気になるのが、この現象はなにかに応用できないのか?ということです。
私個人としてはダイエットに対しては思い入れがなく(今までの人生でまったく縁がなかったので当たり前ですが)むしろ標準体重以下を目指すダイエットによる健康被害なんて話をよく聞くので、「そんな無理してダイエットする必要なんてどこにもないんだ!」と言いたくもなるわけです。しかし、例えば同僚とか知人とかにも三桁クラスの巨漢体型がいるわけでして、流石に少し痩せたほうが健康に良いのでは……?なんてことも思うわけです。
体質は人それぞれなので、私のように太る才能がないものもいれば、その逆ですぐにカロリーを溜め込んでしまうタイプの人だっているわけです。そういう人がこの現象をうまく応用して標準体型まで戻すことは可能なのでしょうか?
例えばサンドウィッチマン伊達さんとかが、うまいこと標準体型まで落とせたら、我々は末永くサンドウィッチマンの勇姿をテレビで見ることができ、結果として社会的な利益にもなるのではないでしょうか?
低カロリーのもので胃を埋めてしまう作戦
今回私に起こったのは、「腹いっぱい食べても必須カロリーを摂取できない」レベルのものばかりを大量に食べたのが原因でした。別にカロリーを破壊する効果があるわけでも脂肪を燃焼する効果があるわけでもない。「無」で胃を満たしたために、ご飯とか肉とかが入るスペースがなくなったわけです。
調べてみると、カブよりさらにカロリーの低いものは存在します。例えば、大根、それから白菜、セロリー、コンニャクなんかもそうですね。こういう素材でかさ増ししたものをお腹いっぱい食べる。そう、逆転の発想です。食事の量を減らすのではなく、もうこれ以上入らないぐらいに詰め込む。
例えばキムチ鍋。鍋いっぱいの白菜に味付け程度の肉を添えて一気に食べる。ご飯の量も最小にして、ひたすら食べる食べる。鍋1杯分のキムチ鍋を平らげれば、どんな人間だってそれ以上他のものが入るとは思えません。胃のスペース的に。
大根飯だって、例えばご飯と大根が半々であれば、理論上、ご飯のカロリーを半減させることができるはずです。
こうすれば必然的にカロリー摂取量を抑えられるのではないでしょうか?
なーんて、ことを考えたんですが、なんか危険な気もします。胃を満杯にするのが癖になったら、それがデフォルトになってさらにドカ食いがすすむのでは?な気もします。ここは医師など専門家の意見を聞くのが良いでしょう。私はダイエットの専門家でもなんでもないどころか、むしろダイエットエアプ勢ですから。
運動よりも食事制限が効果ありそう
今回調べていて実感したんですけど、人間の身体ってものすごく効率が良いんですね。例えばおにぎり一個(180kcal)で人間は1時間程度歩けるようです。ポテチ(一袋336kcal)なんて食べてしまった日には、それを消費するためには数時間の運動が必要になります。ぶっちゃけそんなの仕事しながらなんて無理ですよね。
だから、運動で消費しようというのはよほど時間がなければ難しいと思われます。となると、やはりカロリーの入口、食事を絞ったほうが良いのではないでしょうか。
ただ、筋肉をつけるとそのまま消費カロリーが上がっていきますので、絶対筋トレはするべきだと思います。筋トレ自体でカロリーを消費するのではなく、筋トレして基礎代謝を上げ、長期にわたってカロリーを消費するパッシブスキルを身につける!これが良さそうです。
食事だけで必須カロリーを取るのは意外と難しい?
カロリーのことが気になって色々と調べていたんですが、自分の食生活を見直した時に、逆に一日の必須カロリー、2200カロリーを取るのは意外と難しいのでは?という気になってきました。
例えば私は朝は弱いので、バナナ一本か、シリアルぐらいで済ませてしまいます。300kcalもあれば良い方です。寝坊したときは食べずに会社に行くことも多いです。昼食ですが、いつも仕出しのお弁当です。すき家の牛丼が700kcal程度なので、それぐらいと見ておきましょうか。
となると、晩ごはんで1200kcalも取らなくてはいけません。で、晩ごはんはお米を一合炊いて食べているんですけど(この量は糖質的にはかなり問題があり、あまり良くないそうです)、一合のお米のカロリーって500kcal程度なんですね。カブや芋に比べると遥かに効率は良いのですが、一食一合というかなり多めな量のご飯を食べても、まだすき家の牛丼1杯分ぐらいのカロリーをとらないと一日に必要なカロリーを摂取できません。
・お米一合+とんかつ でも 500+440で940kcal、不足です。
・お米一合+サンマ一匹 だと、500+280で780kcal、不足です
・お米一合+豚バラ肉200g だと、500+700で1200kcal これでやっとカロリー達成です。(でも豚バラ肉200はかなりすごい量です)
うーん、となると、太っている人は一体どこでカロリーを得ているんでしょう? 流石に毎日焼き肉を食べているわけでもないですし……私が思うに、コカ・コーラとかポテトチップス、チョコレートやグミなどの間食が結構影響しているのではないでしょうか?清涼飲料水の砂糖ってすごいですし。
考えてみれば私はそんなに間食をしません。飲み物も麦茶みたいに薄めたコーヒーを砂糖も入れずにそのまま飲んだりしています。(ドリップバッグを少しでも有効活用しようというセコい飲み方です)まずは、間食をやめて、飲み物を麦茶とかのノンシュガーに切り替えてみても、効果があるかもしれません。
思い込みなのか、それともカブの力なのか
最後になりますが、今回不思議だったのは、体重計に乗るまで異常に気が付かなかったことです。考えてみればかなり疲れていましたし、思い返すと不調な部分は多かったんですけど、例えば耐え難い空腹感に襲われるとかそういうことはありませんでした。
以前じゃがいもだけをどんぶり一杯食べた時は、しばらくして無性にお腹が減り、調べてみるとじゃがいもはお米の半分ぐらいのカロリー密度しかないということがわかったことがありました。つまり体が少ないカロリーに対して空腹感でアラートを鳴らしていたわけです。その時は、人間の体ってうまくできているもんだなぁ!と感心したわけですが、今回はそれがありませんでした。
一つには、私が「カブにはカロリーがあるのだろう」という思い込みをしていたために、自己催眠というか自己暗示にかかって空腹感を覚えなかったのかもしれません。(単純な肉体だな!)またはカブには実は体のカロリーをチェックする部分に作用する謎の成分が含まれいて、空腹感をバグらせるのかもしれません。はたまた仕事のストレスで空腹感を感じなくなっていたのか……。
もし、空腹感をバグらせるのであれば、これはなかなかおもしろい応用ができそうです。この記事を読んだ皆さんも、お暇でしたら今度カブを買ってきて、腹いっぱいに食べて、空腹感がどの程度来るのか……などを確かめてみると面白いんじゃないかなと思います。
ということで、以上、報告でした。無理なダイエットに気をつけて健康的な食生活を送っていきましょう。