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Emriverで見る、山の大切さと手入れの必要性①

2024年11月21日
京都大学防災研究所 水資源環境研究センターセンター長 田中賢治 先生をお招きして、山の大切さと、山の手入れの必要性についてのワークショップを行いました。

田中先生との出会いは、10月の京都大学宇治のオープンキャンパスにてでした。
実験装置Emriverでの公開授業が素晴らしかったので、「感動しましたー!子どもたちも食いついてましたね!」と感想をお伝えし、「このような授業は他でも拝見する機会はありませんか?」とおたずねしたところ、ご厚意で宇治田原にもお越しくださることになったのでした。

そんな、厚かましいお願いをしたりもする、熱い心のヤギノリがレポートします。

まずは、田中先生から、水の循環についての説明をうかがい、その後さっそくEmriverでの実験に!
この装置Emriverは、⇧の写真でいうと、左の方が少し高く、右に傾斜しているので、水を流すと、左から右に流れていきます。
右下に見える白いバケツには水が入っていて、電気の力で水を吸い上げ、ホースから出せるようになっています。
そして、流れてきた水はまた、白いバケツに回収されるという仕組みになっていました。

電気の力を太陽、白いバケツを海とすると、
この卓球台くらいの空間の中に、
地球上の水循環のドラマが凝縮されているようにも思えました。

山の手入れの大切さについての実験

⇧の写真の二つの容器にはそれぞれ砂が詰まっています。
そして、黄色の矢印がしめす面には数カ所穴が開いています。
二つのうちの片方には穴の開いたビニールがかぶせてあります。
もう片方には、何もかぶせてありません。

Q1.「さて、これらに雨を降らせるとどうなるでしょうか?」

 ・・・シンキングタイム・・・

 チクタクチクタク チーン
(効果音のセレクトが、ちょっと昭和なヤギノリ💦)

ビニールがかぶっている方には水が染み込まず、
表面をつたって雨がすぐに流れてしまいました。
一方で、ビニールがかぶっていない方は、
砂に水が染み込み、雨が降りやんでもしばらくの間
矢印の示す面から、ぽたぽた水が出てきましたー。

「えーそんなん、当たり前やないかい!」と思われた皆さん!
では、
Q2「この二つの容器はそれぞれ何を表しているでしょう?」
というクイズには答えられるでしょうか?

 ・・・シンキングタイム 再び・・・

 チクタクチクタク チーン
 (昭和な効果音も再び💦)

➡ビニールありの方は、手入れのされていない山の様子を表しています。

山(森)の手入れがされていないと、木々の葉が茂りすぎて、地面に日の光が入らず暗くなり、下層植生(森林において上木に対する下木(低木)及び草本類からなる植物集団のこと※)が生えません。
すると、表面をビニールで覆われたみたいに表土がかたくなって、水がしみこみにくくなるのだそうです。

➡ビニールなしの方は、手入れがされている山の様子を表しています。

手入れがされている山(森)では、地面に日の光が入るので、下層植生が生えます。
下層植生はふかふかの土のもととなり、雨水がよくしみこむ表土になります。
そして、水を含んだスポンジのように、山は雨が止んだ後も、ゆっくりと水を出していってくれます。

➡この実験でわかること

山の手入れがされていないと、カチカチの土になってしまいます。
すると、雨が降ったとき水が一気に流れ出てしまいます。
一方で手入れがされている山は、スポンジのように、雨がやんでも少しずつ水を出してくれる。
このことが、よくわかりました。

一見地味で、結果を想定しやすい実験でしたが、
山がどういう状態だといいのか?
ということが、めっちゃ理解できました。

(クイズの答えを考えてくださった読者の皆様にも感謝です🥰)

・・・とはいえ子どもたちにとっては、
やっぱり地味だったのか、
この時は、地形好きの彼以外は遠巻きに眺めているだけでした。

そこで、田中先生が出してこられたのは
ジャジャーン!!!

このあと、
子どもたちもわんさか集まる、めっちゃ楽しい実験に!!!

そこで、本日のラストクイズです。
Q3.田中先生は何を出してこられたのでしょうか?

 ・・・シンキングタイム・・・

  チクタクチクタク・・・

昭和な効果音のまま、②につづく

※下層植生についての説明は、花巻市の用語解説を引用させていただきました。



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