「実は僕、人間じゃないんだ」 彼の声は、おどけた素振りをしていたけれど少し震えているようにも聞こえた。 晴れた日にはいつもこの窓枠に腰掛け、外の事をしらない私にいろんな話を聞かせてくれた。 時々たくさんの果実を持ってきては、おいしいからと私に食べさせた。 見えないけれど、彼の大げさな身振りが私に運んでくる風が好きだった。 眉尻を下げて堪えるような私の笑顔が面白いと、私が笑うと彼も大笑いしていた。 2人でいる時はいつも笑い声がたえなかった。 でも最近、なんだか彼の様子がお