パニック障害Ⅸ意識障害
19時頃。
ますます呼吸が苦しくなって来た。
じっとしていても動悸が激しくて、吸ったり吐いたりする力も弱くなっていく。
ゆっくり呼吸することに集中してみるけど、少ししか吸えない、少ししか吐けないから、呼吸数が増えてしまい体力が奪われる。
身体全体の倦怠感が激しくなる。
重過ぎる。だる過ぎる。
身体の中に大量の砂が埋まっていって、それが徐々に固まっていくような感覚がある。
身体の中に何かが這うような不快感がある。
身体がこわばって思うように動かない。
身体の一部を動かそうとするけど、その一部が自分のものでは無いようで動かせない。
20時頃。
吐き気が強くなって来た。
何も食べていないのに何かが喉の奥に上がってくる。
内臓を押さえつけられているようで息が出来ない。
不安感が強烈に襲う。
身体が何かに支配されているような感覚になる。
自分の身体が違う何かになってしまうような、自分が自分では無くなるような意識を感じる。
脳と身体が分離するかのような。
自分には見えない何かを止めることが出来ない感覚がある。
ベランダから飛び降りてしまいそうな衝動がある。
大きな声で叫び出してしまいそうな自分がいる。
刃物で身体を刺してしまうかもしれない自分を感じる。
おかしい、絶対におかしい。
だけど、止められそうにない。
止めること、出来ない気がする。
怖い。自分が怖い。
不穏な意識に落ち着かなくなる。
得体の知れない恐怖感に占領されて気が狂いそうだった。
死ぬんだ私、、、
このまま死ぬんだ、、、
こうやって私は死んで行くんだ、、、
原因も分からずに
理由も残せずに
誰にも謝ってない
誰にも感謝しきれてない
なのに、、、
付けっぱなしの電気も
床に置いたままの洋服も
袋から出したままの薬の山も
めくることの無い来月のカレンダーも
好きで揃えた家具も食器も
書類も写真も想い出も全部
消し去ることなくそのままで、、、
最悪だ
最低だ