自信が確信に変わった瞬間
息子(3歳)が私に向かって叫ぶ。
「おしっこ!」
私は急いでトイレに走り、子ども用の補助便座をおく。
トイレの前で「はやく、はやく」と言いながら、ジタバタしている息子のズボンとパンツを脱がす。
そして抱きかかえ、そのまま便座にダイブ。
スッキリすると「(おしっこ)でたー!」と息子が叫ぶ。
私はトイレに再び戻り、我が物顔で便座に座っている息子をおろし手を洗ってやる。
息子が私に向かってつぶやく。
「疲れた、もう歩けない」
公園で遊んだ帰りや、買い物に行った時の息子の常套句。
めいいっぱい疲れた演技をしながら地面に座り一言。
「おんぶ」
14kgにもなる息子を私はおぶってやる。
おぶられた息子は息を吹き返し、あっちに行けだのこっち行けだの、私の背中越しに指図してくる。
他にも「お腹すいた!」、「お風呂!」、「ユーチューブ!」などと、常日頃から自分の欲望を私に言ってくる。
それも命令口調で。
もしかしたら息子は、私のことを下僕のように思っているのかもしれない。
前々からそう感じていた、ある日曜日の朝。
買い物に行く前、息子と妻と3人で家の近くの公園によった。
小一時間ほど遊び、私が「そろそろ買い物に行こう」そう言うと、妻の「はい」とは逆に、「いや」と息子は言う。
私が「また今度遊ぼう」そう言うと、息子は「もっと遊びたい、お買い物に行かない」とごねる。
食材の買い出しなど行っても楽しくないか、ごねる息子の気持ちもわからなくもない。
そこで私は、息子にこう提案した。
「カッカ(妻)だけお買い物に行って、トット(私)と2人で公園で遊んで待っていようか?」
すると息子は、考えるそぶりをみせることなくこう答えた。
「カッカと2人で公園で遊んでるから、トットがお買い物行ってこい!」
息子にとって私は下僕。
自信が確信に変わった。