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イマジナリーフレンド

 小学生の頃からビョーキだったから、僕にはイマジナリーフレンドがたくさんいた。

 男、女、お兄さん、小さな子、賢い子、元気な子、異世界人、妖精だっていた。
 笑える? それでも、僕にとっては大事な友達たちだったのだ。

 彼らが空想上の友人であることは自覚していたけれど、それでも僕にとってはぜんぶ唯一無二の存在だった。一生の友達だと思っていた。

 僕は現実世界に友人が少なくて、ほんのり虐められたりしていたし、(精神科の主治医曰く)発達障害が原因で苦しいことがたくさんあったらしい。だから、そんな空想上の友人を創り出してしまったんだろう。

 解離性障害のいち症状だ、と言われた。
 苦しくて自分の中で感情や記憶、人格なんかを切り離してしまう病気だ。
 高校生まではこの病気がかなり酷くて、なかなか難儀していた。

 でも、通信制高校に入って社会との距離を置いた途端、解離性障害の症状が軽快していった。それに伴って、彼らとは会えなくなっていった。
 前は実在性と情緒を伴って話すことが出来たのに、いつしか自分だけで一人二役の会話劇をしているような、平板な感覚になってしまった。

 寂しかった。友達に会えなくなると寂しい。苦しかったときいつも支えてくれた友達がいない。

 最近、思い出してしまって上のようなnoteを書いた。この記事はフィクションだけど、彼ら(のうちのひとり)のことを思い描きながら書いた。寂しくてどうしようもなかった。

 また会いたい。全日制高校や中学校に通っていたときみたいに苦しんだら会えるだろうか。そんなことないか。

 まだ僕の精神のどこかで、幸せに生きてたらいいなあ。

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