シェア
ロカ
2022年8月27日 16:08
「さあ、じきに来るぞ」 翼を無くしたペガサスがぼくに言った。ぼくは窓を開けて乾いた静寂に包まれた空を見上げた。そこには何もなくて、それだけが全てだった。 頭蓋骨に響く「あらゆる憎しみをエネルギーに!」という声が、何らかの予感とともに心を通り過ぎていく。煙草を吸っても苦いだけだったけど、それでも吸っていないよりはマシだった。 窓を閉めてそこにもたれかかった。ペガサスはあくまで己のプライド