はじめてゲームプログラミング 超厳選オススメ作品18選(+5)
2021年8月6日 22:30更新
オススメ作品を4本追加(+自作作品の紹介も1本追加)
2021年7月17日 22:00更新
オススメ作品を3本追加(+自作作品の紹介も1本追加)
任天堂の『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』で色々なゲームが沢山投稿されてるのに誰もキュレーションするヒトがおらずネットのそこら中に転がってるだけの状況になっててもったいない!
なので、『はじプロ』作品を漁りまくって200作品以上はプレイしており、かつ一応プロのゲームデザイナーである私が「これはみんなに遊んで欲しい!」って思えたおすすめゲームを紹介します。
選定の基準
「ちゃんと遊びとして『楽しい』『面白い』『ハラハラ』『ドキドキ』『達成感』といった心揺さぶる体験が得られているか」を最も重視します。
プログラミング技術が高いだけ、見た目が良いだけといったものは選外です。既存のゲームをただ再現しているだけの作品も選外です(オリジナル版を遊べばよいという判断です。ただし例外あり)
それでは、どうぞ。
くらやみ・うぉーく(G 006 393 FHW)
暗闇の世界を歩き回ってリンゴを集めつつゴールを目指す探索ゲーム。暗いけど怖くはないです。
とにかく完成度が高い! 真っ暗な中にちょっと光って見えるものがあって興味がそそられたり「壁の向こうにリンゴがあるのは分かるんだけどどうやって取るんだ?」ってなったり、ゲーム途中で目標が提示されて思わずそれを達成したくなったりと、プレイヤーのことをちゃんと考えて作られてる感じがすごく良かった。
暗闇のわりに全体的に漂う優しい雰囲気が魅力的で、クリア時の演出も丁寧で余韻があって素敵。コンプリートしても壮大なご褒美が待っているということはないのでそこは注意。
3つのリンゴ(G 008 T9P PP7)
3人を同時に操作して誰も死なせずにゴールを目指すアクションパズル。
前述の『くらやみ・うぉーく』同様、完成度がとても高い。特にレベルデザインが秀逸で「これをやった後はこういう状況になるだろう」などと製作者が計算してステージ設計がされているなーということがひしひしと伝わってくる。「ここで扉開けようとすると青がやられちゃうじゃん」などとしっかり絶妙にジレンマを味わえるのがとてもよい体験でした。
チェックポイントはないもののクリアまでは短めなのでほとんどイライラする前にクリアまで行けるのもちょうどいいバランス。
カブドローン(G 002 179 DTH)
カブで飛び回りながら謎を解くゲーム。
ゲーム発売すぐに公開された小さい作品。看板に最低限の操作方法が書かれているだけでそれ以上何の説明もないのだけど、周囲に置かれているオブジェクトを見るとなんとなく興味がそそられる作りになっており、そこから何をすれば良いのか推測して試してみる、という「自分の頭で考えさせる」という作りがとても任天堂らしさがあり、体験として楽しかった。
カブが葉っぱを使ってココココっと飛んで行く姿も可愛くてたのしい。
エースのとっくん(G 000 FC6 8TV)
リズム天国っぽいゲーム。単なる再現ではなく新しい体験になっているのがすごい。
ゲームの前後にちょっとした演出があったり、クリア後にちゃんと評価演出があったり、プレイ感の良さや譜面も含めてもう完全にリズム天国。リズ天本編の1ミニゲームとして入っててもなんら違和感のないくらいで、100点満点。
で、単なる再現ではなく「はじめてゲームプログラミング内のBGMを使って」「バレーというオリジナルのミニゲームにした」という2点がオリジナリティになってるので120点。
引キ出シ・パズル(P 000 5FP DM1)
数字をパンチしてブロックを引き出し、それを足場にして登るパズルゲーム。(※複数作品にまたがるゲームなので序盤だけでもまとめてDLする必要あり)
任天堂が過去に出した『引ク押ス』シリーズに似ているが引き出し方が異なり、それによってプレイ感はだいぶ変わってる。
とにかく作りが丁寧なのが凄い。はじプロは物理挙動であらゆるものが動くのでこういうパズルはいろいろガバガバになってしまうことが多いけど、それがちゃんと塞がれているというのもとても好印象。(例えば三角飛びアクションがちゃんと出来ないように塞がれていたりする)
何よりもステージ設計がとても秀逸。悩みながらも少しずつ正解に近づいていくパズルゲームの醍醐味が存分に味わえる。
シン・マグロ1.1(G 002 TM8 GXG)
巨大マグロから逃げる、演出重視のアクションゲーム。
とにもかくにも演出がすごい! けたたましい警報とともに巨大なマグロが迫ってくる! あらゆるモノを押しのけ破壊しながら、ナゾの赤い物質を大量に吐きながら迫ってくるマグロの緊迫感がとにかく最高。研究所のようなマップも丁寧に作られてて、とにかく盛り上げてくれる。ラストもすごい。
ゲーム自体は初見殺し多めのパターン構築ゲームだけど、そういうものだと割り切れば全然楽しかったです。
LRZ(G 000 T46 PVH)
LRボタンで足を操作してゴールを目指すおバカ系物理演算ゲーム。
過去に流行った『QWOP』のような仕組みのゲームだけど、これは奥行きの概念があるし頭が重いのでそもそもまともに歩けない! でもゴールは本当に目の前で数歩あるければクリアできそう!
まともに歩くことすらままならないんだけど「なんか工夫すればワンチャンクリアできるんじゃね?」って思えてしまう絶妙なゴール距離。キャラクターの挙動も面白く、ゲラゲラ笑いながら何度も何度もリトライしてしまった。(クリアできました)
KILO(G 007 K6D LLN)
ボスの攻撃をかいくぐりながらエネルギーを溜め必殺技を放つアクションゲーム。
「攻撃にも回避にもエネルギーが必要で、そのエネルギーは自動回復しない」「ボスへは特定攻撃でしかダメージを与えられない」という少し変わったシステムのアクションゲーム。
あまり見ないタイプのゲームシステムで最初は沢山死ぬことになると思うんですけど、何度も戦いながらゲームシステムを理解し、ボスの攻略方法に気付いていき、そしてボスを撃破するまでの「だんだん上達していく実感」にとても強い満足感を感じた。
EX攻撃で目玉を破壊しながら同時にボスにも一撃を加える瞬間がたまらなく気持ちいい。
スペースけだまるボール(G 003 0HT M79)
転がるキャラクターを「引っぱる力」と「反発する力」でゴールに運んでいく物理系アクションゲーム。
キャラクターを直接操作することはできず、ステージ中にある球体を使って引っぱるか反発させるかしかできない、わりと不自由なゲーム。だけどその範囲で工夫してうまく先に進めたときの快感も強い。
ステージも結構鬼畜でぐぎーってなりながらも何度もリトライしてしまう中毒性があります。(プレイ中にプラスボタンをうっかり押してしまわないように注意)
りんごのりんぐぱずる ver1.0(G 006 29P 411)
左右の球を入れ替えてりんごだけを集めて行く整理型パズルゲーム。
りんごを左に集めればよいだけだけど「必ず4つセットで入れ替えなければいけない」「ヒヨコとサカナを操作するのでこいつらを片方にまとめてしまうと動けなくなる」といった制限があり、悩ましい。
物理挙動によってごりごり球が回転する様、中央でごりっと押される様が何気に心地よく、操作していて楽しい。その上でバグることが一度もなく安定していたのがすごい。
透明人間鬼ごっこ(G 006 LWT D68)
2人用対戦ゲーム。「逃げる側の姿が見えない」タイプの鬼ごっこ。
こういうゲームってゲームバランスめちゃめちゃ難しいと思うんすよね。見つけられないまま途方に暮れるだけか、すぐ位置がバレてどうしようもなくなるかどっちかになっちゃうと思うんすよ。
でもこのゲームはすごく絶妙。例えば「ピンク → 緑の踏んだ、ってことは…?」みたいな感じで可能性を絞っていけて、かつ鬼が相手に近づいていくことで選択肢を減らしていけたりする。けど一部の地形で「右に曲がったのか直進したのかが色だけでは推測できない」場所が用意されているのが上手い! そこを使って鬼を撒くことができたりもして「めっちゃ考えられてる~!」ってなりましたね。
The Legendary Huntsman(G 002 DXP XXF)
おじさんが超遠距離から撃ってくる銃を避けながら全てのリンゴを集めるゲーム。(製作者の投稿を見つけられなかったのでプレイした人の動画を貼ってあります)
静かでのどかな雰囲気から、リンゴをひとつでも盗むと雰囲気が一転、超遠距離からものすごい勢いで飛んでくる銃撃(しかも偏差射撃してくるので避けるのが難しい!)遮蔽物は片っ端から破壊されるし、ダメージを喰らうと血の演出! とにもかくにも緊迫感の演出が上手く、ハラハラドキドキする体験ができる。
スーパーけだまるボール2 ホワイトドーム(G 000 P59 FK1)
球を転がしてステージを進んでいくスーパーモンキーボール系のゲーム。難易度は激ムズ。
よくあるタイプのゲームではあるけど、とにかく丁寧に作られている。白黒+緑の色彩がカッコ良く、動く床がちゃんと滑らかに動く、レベルデザインも不必要な部分でイライラしないようにちゃんと配慮されているなど、あらゆる点で完成度が高いのがすごい。色々なギミックが用意されており、楽しく激ムズ体験を味わうことができた。ちょっと変わった方式でチェックポイントが用意されているのもありがたい。
GBG in GBG!(G 000 X21 CND)
はじめてゲームプログラミングの中ではじめてゲームプログラミング(っぽいゲーム)を再現した謎解きゲーム。
これはアイデア賞。開発画面をそのまま再現して、実際に開発画面でできること(ノードを繋いだり、外したり)を謎解きのギミックにしちゃっているのがすごい。終わり型もお見事。
このゲームははじめてゲームプログラミングを遊んでいる人だけが遊べるゲームなので、プレイヤー全員が分かるネタというのがとても強いですね。
スクエアフリップ(G 007 V13 XGV)
60秒で何点稼げるかを競うタイプのアクションパズルゲーム。同色で四角を作って回すと得点。コンボ要素あり。
ガチャガチャするだけの手数勝負のゲームかと思いきや、実際は各種行動に時間がかかり、チェインボーナスの仕組みがあるため、1手1手慎重に考える必要がある。また、フリップした後に盤面がどのようになるかはランダムで、運が良いと連続でフリップできたりする運要素もある。「スピードと思考のバランス」「実力と運のバランス」それぞれがとてもちょうど良い塩梅で、何度もリトライしたくなる中毒性がある。
チェインボーナスの仕組みが少々分かりづらいので補足。同色を揃えて回転させると1上昇で、同色を揃えてない回転は「1回目:2減少」「2回目:ゼロになる」という仕組みのようです。「チェインを連続で行うのがベストですが、1回だけなら場を調整できる」ということです。
タマヨケ【Avoid balls】[ver4.0](G 005 30R PMJ)
転がってくるボールをひたすら避け続ける回避ゲーム。
避けるだけのゲームは作りやすいのでちまたに沢山あふれてるんですが、これはすごくゲームバランスが絶妙でした。キャラクターの移動速度が遅かったり、ダッシュが一度使うとしばらく使えなくなったりするため、操作の上手さだけでなく「中長期的な先読み」が重要で、それによるギリギリ感が見事。大きなボールと小さなボールの性質の差もお見事。
50秒以上耐えきって花火を拝もう。(ちなみに私のハイスコアは85.7秒です)
ボスラッシュ!(G 005 30P 4LM)
ボス6体と連戦するアクションゲーム。プレイヤーが盾を持っていて敵の攻撃をガードできるのが特徴。
6体のボスがそれぞれユニークな特徴を持っており、攻略法を見つけていくのがとても楽しい。プレイヤーが持っている盾は常に構えており大体の攻撃を防御できるのが特徴で、これがとても楽しい。特にラスボスが大量に放ってくる弾を盾でガキンガキン防御しながら近づいて剣の一撃を与えるのがかなり好き。
難易度が適度で、回復ポイントやチェックポイントなどもあったり、一部のボスは倒し方が分かると瞬殺できるようになるなど、遊びやすさの工夫がされているのもポイント。
青空のコロガルロボ(G 006 F20 9V0)
回転と伸ばす動作を組み合わせて地形を踏破していく物理演算系アクション。
よゐこのはじめてのプログラミング生活 あそぶ編で有野賞を受賞した作品。画面だけ見てインディーゲーム『TorqueL』のクローン作品だと思っちゃってスルーしてしまっていたんですけど、遊んでみると挙動がかなり異なり、別の味わいがある。
この手のゲームはえてして鬼難易度になりがちだけど、この作品はちゃんと難易度が抑えられているのがとても好印象。楽しくグギギギってなれます。
ここに載せるべき作品があったら教えてください
正直、大量に投稿されてるゲームの全てを把握するのは難しいです。一応Twitterハッシュタグは追ってますけど、見つけられてない作品も沢山あると思います。(特に日本語以外では全然掘れてない)
なにか面白い作品があったら教えて頂けると嬉しいです。
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ここからはオマケ。自分が作った5つのゲームの紹介です。
対戦3作はいずれも「シンプルで誰でも遊べる」「でも対戦ゲームとしてちゃんと奥深い」という点で共通してます。シングルプレイの2作は、それぞれちょっとマニアックになったかもですが、面白さは保証します。
また、いずれも磨き上げに相当時間かけてますし、あと一応ゲームデザイナーなので、どの作品も根拠を持って「面白いです」と断言できます。
ひもたまバトル(G 000 3H7 75G)
2人用対戦ゲーム。ひもに繋がれた球を振り回して相手にぶつけるだけ。物理演算を使ってるので意外と色々なテクが編み出せる。
よゐこのはじめてのプログラミング生活 あそぶ編 でよゐこのお二人に遊んで頂けました!!!!!)
スーパーキックだけファイター2 Ver1.1
(G 008 V91 KRP)
パンチボタンもキックボタンもない格闘ゲーム。その代わり「相手より高い位置で相手に触れる」ことでキック攻撃ができる。壁にまつわる読み合いが熱い。
大乱闘フグぴよブラザーズ(G 001 00L N1K)
「UNKOを飛ばしてその勢いで飛ぶ」というアクションのみで構成されたスマブラぽいゲーム。崖際の攻防はスマブラをばっちり再現できたと思ってます。
ちょっと考える 地雷を踏んで穴を掘り進むゲーム
地面を爆風で破壊しながら掘り進む、ローグライク的なパズルゲームです。はじめてゲームプログラミングの機能では難しい「地形の自動生成」「効果を持つアイテムを動的に出現させる」などを、すごい頑張って実現したものです。
探索×パズル PUZZMETRO(G 002 KRR R6P)
スーパーメトロイドを遊んで、似たような感じのゲームを無性に作りたくなったので作ったもの。手を入れすぎた結果、はじめてゲームプログラミングでは異例の「想定プレイ時間60分」の超大作ができあがってしまいました。